QUEENSRYCHEの最新作。
トッド・ラ・トゥーレが加入してから3作目となります。
邦題は「評決」。
世間、特に日本においては
このバンドは「オワコン」になりつつありましたが、
トッドが加入してから、
と言うかジェフ・テイトがいなくなってからは、
音楽性は戻っています。
そしてこのアルバムは
音楽性が戻っていると言うよりも、
過去のどのアルバムと比べても
「ヘヴィ・メタルな作品」と言えます。
それは前々作でも十分感じていましたが、
これは良い意味で完全に
いわゆる「プログレッシヴ・メタル」、
いや、「プログレッシヴな正統派メタル」
じゃないですかね。
一時期
退屈なオルタナ・バンドに成り下がりましたが、
これであの元凶はジェフ・テイトだと
確定してしまいましたね(笑)。
しかしトッドの存在感は凄いですね。
声、歌い方はジェフ・テイトによく似ていて、
これが「似せている」のではなく、
「似て非なるもの」といった所で、
ライヴの映像を観ると、よく分かります。
そして
今回のアルバムでは
トッドの貢献はそれにとどまらず、
何とドラムもトッドが全て叩いております。
元々はドラマーだったとのことで、
本人にとってみればそんなに驚くことでは無いのかもしれませんが、
凄い才能の持ち主であります。
全体的にストレートでコンパクトな出来なのも
それが影響しているのかもしれませんが、
実に聴きやすく、とっつきやすい作風。
アルバム1枚、40分台というのも
逆に新鮮に感じます。
まあ過去の名作と比べると
深み、奥行きといった所では
物足りなさはあるものの、
長くこのバンドの作品を聴いていない
メタラーの皆様には一聴の価値はあると思います。
スコット・ロッケンフィールドのドラミングが聴けないのは
寂しい限りですが、
2017年に誕生した息子さんとの時間を優先するための
一時離脱ということなので、
いつかは戻ってくる「はず」であります。
…クリス・デガーモの
二の舞にはならないことを祈りますが(汗)、
まあ事情が違うので大丈夫でしょう…。
さて、
1曲目「Blood of the Levant」のイントロからして
バリバリの直球メタルな訳ですが、
この作風が特にヨーロッパでは好意的に受け入れられているようで、
売り上げはなかなか好調。
日本でももうちょっと盛り上がっても良いのかな、
と思いますが、まあとりあえず
じっくり聴いてみてください。
このバンドに興味がある人なら、
悪い作品とは思わないはずです。
何かとジェフ・テイトばかり話題になっていたバンドですが、
マイケル・ウィルトン、エディ・ジャクソン、そして一時休暇中ですが
スコット・ロッケンフィールドというオリジナル・メンバーが
長年このバンドを支えているのも大きな強みであります。
ただ妙にコンパクトにまとまっていて、
昔あった張り詰めた緊張感や意外性を求めるのは
贅沢過ぎる要求なのかもしれません。
プログレ・メタルの代表格として
文句のつけようの無い出来ですが、
それを超えるようなカリスマ性が
無いのも事実。
DREAM THEATERが
今でもあれだけのクオリティを保っているので、
次作あたりで突き抜けた1枚を出してくれることを
期待します。
それだけ今後に期待感を持てる作品です。
一時期はもう終わったバンドと思っていただけに、
この状況は非常に嬉しいです。
☆「次作は名盤かと期待させてくれる1枚」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!
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