欧州野球狂の詩

日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪


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(1)ルーアン・ハスキーズが新監督招へい、本拠地改修も

 フランス・ディビジョン1の昨季王者であるルーアン・ハスキーズが、ロビン・ロイ監督の退任と、キーノ・ペレス新監督の就任を発表しました。


 ベネズエラ出身のペレス新監督は、かつてロイヤルズとインディアンスの傘下で投手としてプレーした後、2003年からオランダのアルメーレ・マグパイズで、2005年からハスキーズでプレーした経験を持っています。チームでの在籍期間も長いことから、選手たちの勝手も分かっていることが、今回の抜擢につながったのではないでしょうか。なお、ペレス新監督はまだ32歳と、指揮官としては非常に若い年齢になりますが、今回の監督就任で現役を退くのかどうかは、まだ明らかになっていません。


 この他、ハスキーズからはさらに2つのニュースが届いています。まず1つめは、今季オーストラリア・ABLのアデレード・バイトでプレーした、マシュー・スミス内野手(20)の加入が決まったこと。同国出身のスミスは、今季は主に二塁手としてプレーし、30試合出場で打率.208、出塁率.300、長打率.338、1二塁打、3本塁打、6得点、12打点という成績をマークしています。オーストラリア代表では、U-16とU-18でプレーした経験を持ち、2009/2010年シーズンには、ABL誕生前の豪州最高峰の大会だった、クラクストンシールドの新人王にも輝きました。


 もう1つは、本拠地ピエール・ローランド・フィールドの改修工事を、ルーアン市と共同で実施すること。今回の工事では、バックネッが新しいものに取り換えられる他、300人分の観客席と照明設備が、新たに導入されることになっています。照明設備は、残念ながらナイターがプレーできるほどのものではないものの、夜間練習を行うには十分な照度が確保できるとのこと。工事は8月から10月にかけて行われる予定で、将来的には屋根つきのブルペンと打撃ケージ、クラブハウスの建設も視野に入れているそうです。


ソース一覧

http://www.mister-baseball.com/keino-perez-manager-rouen-mathew-smith-joins/

http://www.mister-baseball.com/rouen-huskies-renovate-parts-stadium/

http://www.rouenbaseball76.com/Le-terrain-Rolland-va-s-embellir-1611.html


(2)ボーケール・キャバリアーズが若手3人を獲得

 そのハスキーズと、今季から同じディビジョン1で戦うことになるボーケール・キャバリアーズが、新たに3人の若手選手を獲得したことを明らかにしました。


 今回獲得した3人の中で、最も期待度が高い存在なのが、フランス球界の若手No.1右腕といわれる、ジョリス・ナバーロ投手(21)。昨季はモンペリエ・バラクーダーズでプレーし、37回2/3を投げて44奪三振、防御率4.78という成績を残しています。2年前のヨーロッパ選手権では、19歳にしてフランスのフル代表に招集され、その後イタリア・ティレニアのMLBアカデミーにも参加。今秋のヨーロッパ選手権や、WBC予選での登板も期待される、フランスきっての超有望株といっていいでしょう。


 その他の2人は、シモン・ビセンテ(21)とフロラン・ローレ(25)の両内野手。ビセンテは過去3年間、ナバーロとともにバラクーダーズの一員としてプレーし、昨季は打率.299をマーク。最近、カナダ・バンクーバーのダグラス大にも入学しました。一方、ローレは元パリ大学クラブの一員で、2006年以降はマルセイユのクラブでプレー。ルーアンの野球アカデミーにも所属した経験を持っています。


ソース:http://www.mister-baseball.com/chevaliers-de-beaucaire-add-navarro-vicente-rolet/


(3)新設のイギリスU-23代表監督に、キャロル氏が就任

 イギリス野球連盟(BBF)は、今季から新設されたイギリスU-23代表の初代監督に、BaseballSoftballUKのフルタイム地域コーチである、リアム・キャロル氏が就任することを発表しました。


 キャロル氏はかつて、イギリス代表の一員として2003年のヨーロッパ選手権に出場。中学生年代(1996~97年)、高校生年代(1998~2000年)と、年代別のユース代表チームにも所属した経験を持つ、貴重な「純正イギリス人プレーヤー」の1人でした。また、アメリカ・カリフォルニア州のポーターヴィル大でプレーした他、イギリス国内リーグでも、ブラックネル・ブレイザーズ、ブライトン・バッカニアーズ、ロンドン・メッツの3クラブでプレーしています。引退後は、コーチとしてイギリスのユース年代の指導に携わり、2008年にはイギリスジュニア代表の監督として、チームをヨーロッパ選手権予選の総合2位に導いています。


 今回立ち上げられたU-23代表は、シニア年代とジュニア年代の代表チームの間に存在する、年齢のギャップを埋めることを目的に作られたもの。今年7月には、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンに遠征し、ニューイングランド大学野球リーグ(NECBL)と、フューチャーズ大学野球リーグ(FCBL)という、2つの大学サマーリーグに所属するチームと、強化試合を戦う予定。この「レボリューションツアー」は、ちょうどアメリカの独立記念日と重なるため、現地ではそれにまつわる式典も開かれることになっています。なお、キャロル新監督を支えるコーチ陣としては、フル代表投手コーチのブライアン・エサーリー氏と、同三塁コーチのダリル・レイド氏がすでに内定。残るスタッフの陣容は、今春発表される予定となっています。


ソース:http://www.mister-baseball.com/liam-carroll-coach-gb-u23-team/


(4)マインツ・アスレチックスにケリーが復帰

 ドイツ・ブンデスリーガのマインツ・アスレチックスが、今季の正遊撃手だったトニー・ベイカー内野手の後釜として、デニス・ケリー内野手(28)を獲得したことを明らかにしました。


 ケリーはかつて、スウェーデン・フランス・ドイツの各リーグで、打撃タイトルを獲得した経験を持つ強打の内野手。2010年には同じドイツのマンハイム・トルネードスで、28試合にフル出場して打率.425、出塁率.521、長打率.708、10二塁打、2三塁打、6本塁打、39得点、26打点をマークしています。チームでは今回、ブンデス2部に所属する二軍チームの監督の他、新設されるライン=マイン・ベースボールアカデミー でも、アシスタントコーチを務める予定です。


 またアスレチックスは、スウェーデン出身のピーター・ヨハネセン外野手、アメリカ出身のパット・ホーゲン投手とも、それぞれ契約を延長したことを発表。一方、チームの主力格だったヤン=ニコラス・ストッケリン投手は、かつてケリーが所属していたトルネードスへの移籍が決まっています。


ソース:http://www.mister-baseball.com/mainz-athletics-bring-dennis-kelly-europe/


(5)アヘアンとマッカーシーが、ドラッシを退団へ

 ともに元大リーガーである、パット・アヘアンとグレッグ・マッカーシーの両投手が、昨季のチェコ・エキストラリーガファイナリストのAVGドラッシ・ブルノから、退団することが明らかになりました。


 現在オーストラリアでプレーしているアヘアンは、昨年は先発の柱として、90回2/3を投げて防御率0.99と、見事な成績をマーク。新しい所属先は、同じエキストラリーガのコトラーカ・プラハに決まる見込みです。一方、マッカーシーは投手コーチも兼任し、24回2/3を投げて防御率3.28という成績でした。ともにその肩書に違わず、チームにとって必要不可欠な戦力となっていた両者。昨年限りで、国内連覇が16で途切れたドラッシにとっては、試練のシーズンになるかもしれません。


ソース:http://www.mister-baseball.com/pat-ahearne-greg-mccarthy-returning-avg-draci-brno/


(6)ブランドン・チャベスがリミニに残留

 イタリア・IBLのテレマーケット・リミニ・パイレーツは、アメリカ出身のブランドン・チャベス内野手(32)が、今季もチームに残留すると発表しました。


 昨季がイタリアでのデビュー年だったチャベスは、39試合に出場して打率.351、出塁率.464、9二塁打、3三塁打、2本塁打、43得点、20打点をマーク。今オフは、ジョシュ・フェルプス、ドゥシャン・ルジック、ブライアント・ネルソンという他のEU圏外選手とともに、退団するのではないかとみられていましたが、今季は唯一の非ヨーロッパ産選手として、再びパイレーツのユニフォームに袖を通すことになります。


ソース:http://www.mister-baseball.com/telemarket-rimini-confirms-brandon-chaves-2012/

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(1)MLB公式戦開催プロジェクト、着手はもうすぐ?

 3月28日から2日間、東京で行われる予定のマリナーズ-アスレチックス戦。このカード、かつて2003年にも、日本での開催が計画されていたものの、イラク戦争の開戦によって安全確保のめどが立たなくなり、開催を断念。今回は9年ぶりの開催となります。残念ながら、去年までアスレチックスに在籍していた松井秀喜外野手(37)が、チームの戦力構想から外れてしまったため、マリナーズのイチロー外野手(38)との日本での直接対決は、実現しない見込みとなりましたが、それでも日本のMLBファンにとって、楽しみな対決であることは間違いないでしょう。


 一方その裏で、もう1つのMLB公式戦開催プロジェクトも、着々と進められています。オランダ王立野球・ソフトボール協会(KNBSB)は一昨日、2014年にロッテルダム・ホーフドループ地区で予定している、MLB公式戦誘致計画に関する記事を配信しました。それによると、プロジェクトのフィールド・設備コーディネーターのマレー・クック氏が、今月初めにスタジアムの建設予定地の視察に訪れていたそう。今回「パーク21」と名付けられた、ホーフドループ地区の都市再開発計画の一環として、建設されることになっているスタジアムの工事は、今年9月以降に着工する予定となっているそうです。


 KNBSBの計画では、ホーフドループに3万人収容規模の新スタジアムを建設し、そこで2014年度MLB公式戦3試合を実施する、という予定になっています。対戦カードは未定ですが、アメリカとの移動距離の関係から、東海岸の2チームが選ばれる見込み。KNBSBがMLB側から受けた連絡では、現在進められているこのプロジェクトが、ヨーロッパの中では唯一、本格的に実現に向けて動いているものだということで、後は彼らからの正式な受諾を待つのみという状況。なお、このプロジェクトが実際に動き出すことになるか否かは、今後5年間の国際的な展開について話し合われる、5月のオーナー会議で決定される模様です。


ソース:http://www.mister-baseball.com/dutch-mlb-bid-waiting-green-light/


(2)イスラエル代表にスポンサー企業が誕生

 今秋のWBC予選に出場する予定のイスラエル代表が、アメリカ企業からのスポンサーシップを受けることが、イスラエル野球連盟(IBA)から発表されました。


 代表チームのスポンサーとなるのは、フロリダ州アヴェンチュラでスポーツ・エンターテイメントビジネスを展開している、トライアングル・フィナンシャル・サービス社。アメリカでは、バスケットボールチーム「マッカビ・ハイファ」の球団スポンサーも務めている同社は、チームとIBAに対して経済的なサポートを行う予定。あくまで推測の域を出ませんが、支援を行うことが決まった背景には、おそらくユダヤ系同士の何らかのつながりもあったものと思われます。


 トライアングル社の代表で、ハイファのオーナーでもあるジェフリー・ローゼン氏は、「我々トライアングルは、IBAとイスラエル代表に対してスポンサリングできることに、非常に興奮している。究極の目標は、イスラエルが予選を突破し、本大会に出場する16チームの一員となることだ」と語っています。また、IBAのハイム・カッツ会長も、「トライアングルの支援によって、我々は来る予選に備えて準備に最善を尽くし、WBCに挑戦するための最高のチームを、作り上げることができるだろう」と話しているとか。


 将来的には、イスラエル代表をコンスタントに本大会に出場できるチームに育て上げ、同国に初のマイナーリーグスタイルのスタジアムを建設する、というプランも持っている両者。かつて、イスラエルベースボールリーグ(IBL)というプロ野球も存在しながら、1年で消滅してしまった経緯を持つイスラエルですが、今回のスポンサリング決定が、再び同国における野球の存在感を高めるための、1つのきっかけになってくれたらいいですね。


ソース:http://www.haaretz.com/weekend/anglo-file/baseball-world-baseball-classic-team-israel-lands-florida-sponsor-1.409431


(3)スウェーデンアカデミーが「公開トレーニング」を実施へ

 スウェーデン野球・ソフトボール連盟(SBSF)が、同国・リュクサンドで運営している野球アカデミーが、選手や指導者向けにトレーニングの様子を公開する、オープンハウスを実施することになりました。


 今回、こうした試みが行われる目的は、指導者や選手に対してアカデミーでのトレーニングの様子、特に寒い冬場の練習を、いかに行っているかを紹介すること。北欧にあるために、気候が非常に冷涼なスウェーデンでは、他国以上に寒い時期のトレーニングは重要な課題。他国の指導者にとっては、この国の取り組み方に学ぶことは、自身の指導を行う上で非常に参考になることでしょう。


 今週末には、イタリアソフトボール代表コーチのパオラ・マルフォグリア氏の他、レイズのジャレッド・エリオット・コンディショニングコーチ、ロイヤルズのジェリー・ニーマン投手コーチ、MLBインターナショナルのアカデミーコンサルタントである、トム・ギレスピー氏が視察に訪れました。5日間にわたって行われる、今回のオープンハウスでは、選手たちはトニー・クラーバーグ氏の指導の下、月曜・木曜・金曜に普段と同じ練習を、週末には1日中に及ぶ長期メニューを、それぞれこなす予定とのことです。


 このスウェーデンアカデミーは、他のヨーロッパ諸国にあるアカデミーとは、少し趣向が異なります。というのもこの組織、スウェーデン国内の学校と同じ方式で運営されているから。在籍期間は3年間で、所属選手は全員、リュクサンド市内にある学校に通学しながら、週に8回から10回の練習をこなします。さらに、晴れてアカデミーへの入学が認められた場合、その選手は出身地に関わらず、スウェーデンの教育省から、リュクサンドの学校に通うための奨学金を取得できるとのこと。こうした試みは、同国の若手選手たちの心を掴んでいるそうです。


 SBSFに加えて、スウェーデンスポーツ財団とリュクサンド市のジョイントベンチャーとして運営され、MLBインターナショナルからもバックアップを受けている、スウェーデンアカデミー。2006年に始まったばかりの、まだ比較的新しい組織ではありますが、同国の野球を支える存在として、非常に重要な拠点になっていることも確か。これからも、次世代のスターを生み出すための、必要不可欠な場所であり続けてもらいたいですね。


ソース:http://www.mister-baseball.com/clinics-open-house-swedish-academy/

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 最近、ヤフーニュースでは日本人サッカー選手のヨーロッパ移籍に関するニュースが、相次いで伝えられている。どんな種目であれ、より高いレベルでのプレーに挑戦していくことは、アスリートの行動としてはいたって自然なこと。褒められこそすれ、決して否定されるべきものじゃない。しかし、そうした記事につくコメントの中には、国籍規定についてあまりよく理解できていないものも見受けられる。例えば、オランダのフィテッセに移籍した、日本代表FWのハーフナー・マイクに対して「次はオランダに帰化、なんてことはやめてよ」というものだ。


 サッカー界の国籍規定は、結構厳しい。代表資格の定義には、国籍主義が採用されているため、その国の国籍を持っていなければ、代表チームに参加することはできない(このため、特に中東の国などにおいては、帰化選手の扱いがしばしば問題にされる)。また、仮にその国の国籍を持っていても、他国の代表でプレー歴がある場合は、同様に国家代表には参加不可能だ。ハーフナーの場合、血筋こそ純粋なオランダ系ではあるものの、既に日本代表でのプレー歴があるため、仮にオランダに帰化してもオランダ代表ではプレーできない。つまり、いまさら帰化する意味がそもそもないわけだ。


 一方、野球の国際大会においては、代表資格の規定はもう少し緩やかだ。その国の国籍を持っていれば、代表チームでプレーできることはいうまでもないけれど、国籍を持っていないからといって、サッカーのように即代表から締め出されるということもない。WBCの規定では、国家代表資格は以下の通り定義されている。


1.その国の国籍を持っている

2.その国の永住権を持っている

3.その国で生まれた

4.両親のいずれかがその国の国籍を持っている

5.両親のいずれかがその国で生まれた


 この5項目のいずれかに該当すれば、選手はその国の代表チームに選ばれることができる。例えばポーランド代表は、昨年のヨーロッパ選手権予選で、ニューヨーク育ちのジョン・ドブコフスキーなど、多数のポーランド系アメリカ人・カナダ人をロースターに加えた。これは、彼らやその親がポーランドの生まれだったり、パスポートを持っていたりしていたことから、彼らにも代表資格が生まれているわけだ。ポーランド以上に大胆な手を使っているのはイギリスで、世界中からイギリスにルーツを持つ選手をかき集めているのは周知のとおり。現在イギリス代表でプレーしている選手の中で、純粋なイギリス人はわずか6人しかいない。


 こうしたルールがあることは、中堅レベル以下の国々にとっては、代表チームを組織するうえで非常にやりやすい。例えば、今秋のWBC予選に出場するフィリピンは、MLB傘下でプレーするフィリピン系アメリカ人を招集し、代表強化に役立てようとしている。ニュージーランド代表が、既に2度カナダ代表での出場歴がある、スコット・リッチモンドの招集を目論んでいるのは、彼がニュージーランド移民2世であるためだ(野球の場合、代表チームの鞍替えも可能になっている)。WBCよりももう少し厳しいルールを採るW杯が、昨年限りで廃止されたことから、今後はこうした規定が、他の大会でも採用されていくことになるだろうと思われる。


 もっとも、「必ずしもその国の国籍がなくても構わない」という現在のルールは、サッカーの規定に慣れ親しんだ人間からすると、非常に違和感があることも確かかもしれない。WBCがよく「所詮はただの代表戦ごっこ」と揶揄されたり、「どうせオランダなんて、マイナーでやってるオランダ系アメリカ人ばっかり揃えてるんだろ」と誤解されたりするのも、こうした感覚の違いや違和感から来ているのは間違いない。日本プロ野球選手会の新井貴浩会長も、WBC出場問題が取りざたされていた頃、週刊ベースボールで宮本慎也前会長と対談した際、「もしNPBが出場しないと決めたら、日系アメリカ人で固めればいいという声もあるが、それでは本当の意味での日本代表とは言えないと思う」と語っている。


 確かに、こうした移民選手をどこまで受け入れるべきかは、非常に微妙な問題だ。もちろん、フィリピンやNZの関係者がそう考えているように、野球先進国で育ったフィリピン系やNZ系の選手を、代表ロースターに組み入れることができれば、それは即戦力として、強化につながることは間違いない。ただあまりにやりすぎると、代表チームの経験値が国内に還元されない、イギリスのような例も生まれてしまう。仮に、ロースター全員を移民で固めたチームで優勝したとして、それがその国の野球界に何をもたらすのかと言われれば、俺だって答えに窮してしまうだろう。


 しかし、忘れてはいけないことが1つある。それは、代表に実際に選ばれた選手たちが、その国の野球界に対して抱いている感情だ。彼ら野球移民とて、単なる代表ごっこや助っ人の感覚で、代表チームへの招集に応じているわけじゃ決してない。怪我の防止や、国内でのプレーを優先するという理由で、自国代表への招集すら拒否する選手がいる中で、わざわざ他国の国家代表のユニフォームを着る理由はなぜなのか。それはひとえに、彼ら自身がその国を「他国」とは捉えていないからだ。


 ジャイアンツ傘下のAAA級フレズノに、ジェノ・エスピネリという投手がいる。この投手、アメリカ生まれなのでもちろん米国籍だが、両親はともにフィリピン人で、血筋は完全なフィリピン系だ(フィギュアスケートの長洲未来を思い浮かべてもらえれば、イメージしやすいかもしれない)。そうした自身のルーツもあって、本人はフィリピン国内リーグの始球式にも登場するなど、同国の野球に対する愛着が非常に強いという。WBC予選でも、フィリピン代表のユニフォームに袖を通すことは、まず間違いないとみられている。


 こうした選手たちが抱いている思いを、頭ごなしに否定してしまうような真似は、少なくとも俺にはできない。彼らには彼らなりに、それぞれの国に対して思うところがあるわけだから、それはきちんと尊重しなければならないだろう。そもそも、彼らは何もルール違反を犯しているわけじゃない。「国籍を持ってなくても、他の所で法的にルーツが証明できるなら、代表でプレーしてもいいよ」という前提でルールが作られており、それに基づいて代表チームが組織されているわけだから、あくまでも彼らの行為は、国際球界においては「合法」なわけだ。それを否定してしまったら、元も子もないだろう。


 もし、将来的に野球がもう少し国際的になってきたら、ハーフの日本人選手が日本代表ではなく、野球後進国の代表チームでプレーすることがあるかもしれない。例えば、父親がチリ人、母親が日本人という選手が、チリ代表に選ばれるとかね。日本は二重国籍を法的には認めていないので、もしそうなったら揉めることがあるかもしれない。彼の選択に後ろ指を指す人間も、きっと出てくるだろう。しかし、そうやってよってたかって叩く前に、まずは1回冷静になって、なぜ他国の代表を選んだのかを、きちんと考えてみるべきじゃないかな。きっとそこには、彼なりの明確な理由があるはずなんだから。

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