「彩ちゃん早く早くっ」

「あーわかったから
引っ張るなって」

「ヘヘヘッ」

「はぁ…」

来たのは近くのショッピングモール
めっちゃ嫌そうな顔してるけど
なんやかんや
時間通りに用意してくれて
優しいなぁーって

「彩ちゃんっ
これどう?可愛い?
こっちとどっちがいい?」

「どっちでもええって」

「どっちも可愛い?」

「はぁ…」

「じゃあこっちにするっ!」

「へいへい
次は?…ちょいっ」

「次は彩ちゃんのコーディネート」

「は?いらんわ」

「アカンっ
いっつもジャージやし
それに服装男の子ものばっかりやから!」

「だぁーやめろっ!」

テキトーに服選んで
彩ちゃんを更衣室に押し込んだ

「こっちには
人質のヘッドホンがあるからなっ」

「人ちゃうし…ったく
へいへい」

「フフフッ着替えれたー?」

「まぁ…」

「はい、オープンっ!」

「うっ…///」

「か、かわいいっ!
彩ちゃん可愛いで!」

「脱ぐ!もぉ脱ぐすぐ脱ぐ!
帰る!」

「なんでやー可愛いのに」

「あー着替えるっ!」

「もぉ…」


「はぁ…疲れた」

「お疲れ様彩ちゃん」

「誰のせいじゃ」

「わ、た、し?」

「はぁ…もう行かんからな」

「楽しくなかった?」

「…別に」

「よかったー楽しかったんやー!」

「好きにせぇ…」

「今日買ってきた服
ママに見せてくるー!」

「はぁ…」

ガチャッ

「楽しそうやん?」

「父さん」

「美優紀ちゃんがきて
表情が柔らかくなった」

「…」

「よかった」

「…うっせ」

「フッ…」

「…早く出てけ」

「可愛いやつやな」

表情が柔らかくなった…か
確かに
少し体が軽くなった
黒いものが外に出た
…よかったんかな