雪模様。。本日は第74期B級2組順位戦/8回戦・一斉対局
昨夜12時に外を確認した時は
雪は降っておらず、明日は大丈夫かなと
思っていたら、明け方に降り積もり街は雪化粧。。
しかし、全然大したことはなく
すでに道の雪は解けて、渋滞もなく一安心です。
□ B級2組順位戦対戦表 (成績順。3敗まで。) □
7回戦終了時点で昇格権争いのトップを競うのは
番付の差で首位に立つ糸谷哲郎八段と、同星で並ぶ
野月浩貴七段、飯島栄治七段のうるさい中堅どころ。
ともに6勝1敗の成績で本日の8回戦を迎えました。
本日は糸谷竜王と飯島七段が直接対決を行い
星を潰し合う予定でしたが、本局のみ2月3日(水)に
対局が延期されました。。
<第74期B級2組順位戦/8回戦>
藤井猛九段-戸辺誠六段
個人的に本日の取組みで注目しているのは
振り飛車党のカリスマ・藤井九段と戸辺六段の対戦。
若手振り飛車党の旗頭である戸辺六段が、果たして
どのような将棋で藤井九段に挑むのか、実に楽しみ。。
藤井九段の今期ここまでの成績は
29戦19勝10敗(.655)。順位戦は4勝3敗。
戸辺六段の今期ここまでの成績は
31戦19勝12敗(.613)。順位戦は5勝2敗。
気になる両者の対戦成績は
ここまで3戦して、戸辺六段の2勝1敗となっています。
他にも好カード目白押し
順位戦の熱き戦いをぜひ、お見逃しなく。
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切れ味抜群。。第74期A級順位戦/7回戦「郷田王将-佐藤八段の終盤戦を振り返ろう」
3手目▲2六歩。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: なし
△郷田王将: なし
今回は昨日行われました
注目の第74期A級順位戦/7回戦
「郷田真隆王将-佐藤天彦八段」の模様を
終盤戦を中心に振り返らせていただきます。
先手は佐藤八段。
その初手は角道を開ける▲7六歩から。
郷田王将は2手目に、居飛車党の誇りを示す
△84歩と返し、対局はスタート。。
早々と居飛車を明示し
戦型の選択権を先手に委ねた後手に対して
佐藤八段は3手目▲2六歩として、十八番の
「角換わり」を指向しました。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: なし
△郷田王将: なし
郷田王将は「角換わり」を受けて立ち
そのまま定跡手順の進行となり、上図の局面で
郷田王将から手損のない角交換が敢行されました。
18手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角
△郷田王将: 角
角交換成立後は
双方、「ノーマル角換わり」の常套手段である
腰掛銀を目指します。
29手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角
△郷田王将: 角
上図の局面で
郷田王将に続けて(28手目△5四銀)
佐藤八段も右の銀を中央5筋に繰り出し
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に。。
39手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角
△郷田王将: 角
両サイドの端歩を巡る駆け引きの後
一応の駒組みが完成をみた上図の局面で
佐藤八段が先手らしく、機敏に仕掛けを開始。。
58手目△5五銀左。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、歩2
△郷田王将: 角、歩
4筋で起点に駒がぶつかり合い
開戦の機運が高まる中、両者は自陣を整備。。
ギリギリまで間合いを計り、変化を模索します。。
佐藤八段は玉の入城を完了してから
飛車を2筋から6筋に移動(55手目▲6九飛)。。
すると、いままで受けに回っていた
郷田王将が7筋の歩を突き捨ててから
ガッツンと5筋で銀をぶつけた、上図の局面で
夜戦に備えて夕食休憩に突入となりました。。
【 夕食のオーダー 】
佐藤八段: うな重(梅)、肝吸い
郷田王将: うな重(梅)、赤だし
60手目△4四角。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、歩2
△郷田王将: 歩
夕食休憩明けの一手で
佐藤八段は5筋で銀を交換する前に
3筋の歩を突き合わせると(59手目▲3五歩)。
郷田王将は手持ちの角を4四の地点に投入。。
まず8筋の歩を突き捨ててから角を投入する
進行も考えられましたが、郷田王将は狙いの筋を
先に決め、先手に手番を渡しました。。
次に、佐藤八段はこの一手。。
61手目▲5五銀。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、銀、歩2
△郷田王将: 歩
銀を突き出しこのタイミングで銀交換を要求。
郷田王将は△同銀(62手目)と自然に応じて、以下
▲5六歩~△同銀~▲3四歩~△8六歩~▲同歩に
△8五歩~▲同歩~下図70手目△9三桂と進行。。
70手目△9三桂。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、銀、歩5
△郷田王将: 銀、歩
硬直した模様を解してから
自らの飛車先で佐藤玉が居を構える8筋の
歩を吊り上げた郷田王将は桂馬を9筋に跳ね
玉頭からの切り崩しを狙います。。
しかし、次の瞬間。。
71手目▲3三銀。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、歩5
△郷田王将: 銀、歩
佐藤八段は3筋に築いた歩の足場の上に
ガッツンと露骨に銀を打ち込み、王手。。
「すでに伏線は十分に張ったと
言わんばかりに、いきなりの寄せに入ります。。
郷田王将は銀を桂馬で払いますが。。
(72手目△同桂)
73手目▲3三歩成。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、桂、歩5
△郷田王将: 銀2、歩
佐藤八段は歩を成り込み、追撃。。
以下、△同金~▲同桂成~△同金~▲2五桂~
△4三金に▲3三歩~下図80手目△3一歩。。
80手目△3一歩。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、金、歩4
△郷田王将: 銀2、桂、歩
佐藤八段の流れるように攻勢を続け
郷田王将は防戦一方の苦しい展開に。。。
85手目▲3九飛。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 金、歩3
△郷田王将: 銀、桂、歩2
それでも懸命に受け続ける郷田王将ですが
手持ちの角を敵陣深く込んだ(83手目▲4一角)
佐藤八段は満を持して飛車を3筋に合わせ
上から下から一方的に圧力を加えて行きます。。
上図から次に
郷田王将が銀を自陣に打ち込んだのをみて。。
(86手目△2三銀打)
87手目▲3四飛。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 金、銀、歩3
△郷田王将: 桂、歩2
佐藤八段は構うことなく
飛車を走らせ、勝負を決めに行きます。
【 投了図・97手目▲2三歩 】
投了図での持ち駒
▲佐藤八段: 銀、歩
△郷田王将: 飛、角、銀、桂、歩3
最後まで佐藤八段の鮮やかな猛攻は続き
上図の局面をみて、郷田王将は堪らず投了。。
切れ味抜群の終盤力を余すところなく披露し
快勝を飾った佐藤八段が順位戦6勝目を飾り
颯爽と、単独首位の座をキープしました。
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本日の将棋界には
第74期A級順位戦/7回戦「佐藤八段、単独首位をキープ」
【 投了図・97手目▲2三歩 】
投了図での持ち駒
▲佐藤八段: 銀、歩
△郷田王将: 飛、角、銀、桂、歩3
昨日行われました
注目の第74期A級順位戦/7回戦
「郷田真隆王将-佐藤天彦八段」の一戦は
上図97手までで、先手・佐藤八段が勝利。
71手目▲3三銀。
上図での持ち駒
▲佐藤八段: 角、歩5
△郷田王将: 銀、歩
夕食休憩が明けると
やや手詰まり気味となった郷田王将を尻目に
佐藤八段は鋭く踏み込み、一気の寄せに入ります。。
【 投了図・97手目▲2三歩 】
投了図での持ち駒
▲佐藤八段: 銀、歩
△郷田王将: 飛、角、銀、桂、歩3
終局時刻は午前0時1分。
佐藤八段の攻め手は最後まで途切れることなく
その流れるような指し回しを前に、さすがの郷田王将も
成す術なく、上図の局面をみて無念の投了を告げました。
この結果
佐藤八段の順位戦成績は6勝1敗となり
単独首位の座をガッチリとキープ。。
一方、敗れた郷田王将は2勝5敗となり
A級残留へ気の抜けない残り2戦となりました。。
□□□
本日の将棋界には