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深夜の激闘。。第７１回ＮＨＫ杯/２回戦「三浦九段－松尾八段を振り返ろう」
今回は月曜日の深夜に放送されました
第７１回ＮＨＫ杯将棋トーナメント/２回戦の好カード
「三浦弘行九段－松尾歩八段」の一戦の模様を
振り返らせていただきます。。
２手目△３四歩。
上図での持ち駒
▲松尾八段： なし
△三浦九段： なし
本局の先手は松尾八段。
その初手は飛車先を突く▲２六歩から。
対します、三浦九段は２手目に角道を開く
△３四歩と返し、対局はスタート。。
６手目△８五歩。
上図での持ち駒
▲松尾八段： なし
△三浦九段： なし
続く３手目に、松尾八段が角道を開いたのをみて
三浦九段は飛車先を突き、まずは互い違いの出だしで
相居飛車が確定すると、次に両者は息を合わせて
飛車先を決めていざ、「横歩取り」を目指します。。
１４手目△８六同飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 歩２
△三浦九段： 歩２
互いに角頭を金で受け、飛車先で歩を交換する
おなじみの定跡手順の進行で迎えた、上図から次に
松尾八段は２筋に浮いた飛車に手をかけると。。
１５手目▲３四飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 歩３
△三浦九段： 歩２
おとなり３筋の歩をかすめとり、戦型は
よどみなく、「横歩取り」に決定しました。。
１７手目▲５八玉。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 歩３
△三浦九段： 歩２
３筋に回った先手の飛車先を
三浦九段が通常の３三角と受けることなく
玉をジッと寄せたのをみて（１６手目△４一玉）
松尾八段はすかさず玉を立てて返します。。
２４手目▲７三桂。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 歩３
△三浦九段： 歩２
互いに相手の飛車先はそのままに
早々と桂馬を跳ねる、最先端の駒組みは進行。。
上図から次に
松尾八段が２筋に歩を垂らしたのをみて（２５手目▲２四歩）
三浦九段もすぐに呼応しますが（２６手目△２七歩）。。
２７手目▲２三歩成。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 歩２
△三浦九段： 歩
松尾八段は構わず２筋の歩を成り込むと
次の△同金（２８手目）をみて。。
２９手目▲３一飛成。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 銀、歩２
△三浦九段： 歩
松尾八段は躊躇なく飛車を突進。。
銀との交換で飛車を切る強い踏み込みから
盤上へ早くも開戦を告げました。。
三浦九段は△同玉（３０手目）と応じて、以下
▲２四歩～△同金～▲２二角成～△同玉～▲７七角～
△３三歩～▲８六角に△２八歩成～▲３九銀～△同「と」金～
▲同金をみて、下図４２手目△６五桂と進行。。
４２手目△６五桂。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 飛、歩２
△三浦九段： 飛、角、銀、歩２
松尾八段は続けて角も捌くと
鮮やかな手順で飛車を取り返しますが、次の瞬間
手番を握った三浦九段は２筋から反撃の狼煙を上げ
そのまま一気に、攻撃のアクセルを踏み込みます。。
５８手目△２八金。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 角、桂
△三浦九段： 銀、桂、香、歩３
松尾八段は必死の受けで耐え忍びますが
手が伸びる三浦九段は敵将を挟み撃ちにし
悠々と寄せの準備へ取り掛かります。。
が、しかし。。
７１手目▲５三角成。
上図での持ち駒
▲松尾八段： 角、桂、歩
△三浦九段： 桂、歩４
三浦九段がさらに重厚な攻撃態勢を整える間に
松尾八段は機敏に飛車、角の大駒を敵陣へ成り込み
ド迫力の反撃開始。。後手へと大きく傾いた形勢の針は
この土壇場に来て、激しく揺れ動きます。。
【 投了図・８７手目▲３六銀 】
投了図での持ち駒
▲松尾八段： 金、銀
△三浦九段： 桂、歩６
一度は掴んだ勝機を逃した形となった
三浦九段は攻守に食らいつきますが、流れは変わらず
松尾八段が後手玉の頭上へ銀を突き出した、上図の局面で
三浦九段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。