第６８期王将戦７番勝負/第２局「渡辺棋王、強し。。会心の連勝スタート」
３連覇を目指す久保利明王将に
渡辺明棋王が挑戦する、第６８期王将戦７番勝負。
開幕戦を渡辺棋王が制して迎えた注目の第２局が
昨日より、大阪府高槻市「山水館」にて開幕。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
第２局の先手は久保王将。
その初手でいきなり中央５筋の歩を突いて
振り飛車投入を示唆すれば、渡辺棋王は２手目に
△８四歩と飛車先を突き、居飛車を明示。。
互いのポリシーを盤上に投影し対局はスタート。。
５手目▲５八飛。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
上図の局面で、久保王将は飛車に手をかけると
歩を突いた５筋へと振り、十八番の「中飛車」を投入。
戦型は予想通りの「対抗形」となりました。
１９手目▲３八銀。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
双方、飛車のポジションが決まると
息を合わせて居玉を解除し、玉の囲いを目指します。
久保王将は上図で振り飛車の相棒「美濃囲い」を完成。。
２８手目△３一金。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
一方の渡辺棋王は居玉のままで
囲いを決めずに玉の回りに金、銀を連結させ
注意深く、先手の出方をうかがいます。。
３８手目△６五歩。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
後手の呼吸に久保王将も呼応。。
互いに間合いを計りあう、じっくりとした進行から
上図の局面で、渡辺棋王が６筋の歩を突き合わせ
先に仕掛けを開始しました。。
【 一日目終了図・４２手目△５ニ金 】
４２手目△５ニ金。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
しかし、両者は突き合わされた歩を取り込むことなく
金を上下させてて手待ちを繰り返す渡辺棋王に対して
久保王将が１時間６分の大長考の末、上図の局面で
次の手を封じて、一日目は終了となりました。。
一夜が明けて
迎えて本日、決着の二日目は。。
４３手目▲７八銀。
上図での持ち駒
▲久保王将： なし
△渡辺棋王： なし
注目の久保王将の「封じ手」は▲７八銀。
手待ちの相手に、囲いのリフォームを目指すのではなく
銀を引き、飛車先を軽くして歩の取り込みを催促する
意表の一手から、二日目はスタートとなりました。。
この「封じ手」に対し
渡辺棋王は△６六歩（４４手目）と応じて、以下
▲同角～△同角～▲同飛に△６ニ飛～▲６七飛～
△同飛成～下図５１手目▲同銀と一直線に進行。。
５１手目▲６七同銀。
上図での持ち駒
▲久保王将： 飛、角、歩
△渡辺棋王： 飛、角、歩
穏かだった一日目から一転
二日目は開始直後に飛車・角の大駒が捌かれ
熱く激しく、いざ開戦となりました。。
５９手目▲８三角。
上図での持ち駒
▲久保王将： 飛、歩２
△渡辺棋王： 角
先手陣でもう一度、飛車交換を成立させてから
渡辺棋王が９筋のカドに飛車を投入すると（５８手目△９九飛）
久保王将も返す刀で敵陣８筋へ手持ちの角を投入。。
互いに起点を作った上図の局面で
午前の対局は終了となり、お昼休憩に突入します。。
【 お昼のメニュー 】
久保王将： 海鮮丼
渡辺棋王： カツ煮定食
６６手目△１五歩。
上図での持ち駒
▲久保王将： 飛、歩２
△渡辺棋王： 角、桂
午後の対局開始の一手で
渡辺棋王が桂馬を捕獲し、龍を作れば（６０手目△８九飛成）
久保王将は金に当てながら馬を作り（６１手目▲７四角成）
さらに戦いのボルテージが上がります。。
久保王将はそのまま歩を突き立て攻勢を強めますが
渡辺棋王は上図で１筋の端歩を突き合わせ、反撃を開始。。
７２手目△９三角。
上図での持ち駒
▲久保王将： 歩
△渡辺棋王： 桂
直後に、久保王将は飛車を敵陣に打ち込みますが
渡辺棋王は動じることなく、１筋の歩を取り込んでから
自陣９筋に｢遠見の角」を投入し、懐深く形を決めました。。
７５手目▲３一飛成。
上図での持ち駒
▲久保王将： 金、歩
△渡辺棋王： 桂
久保王将が７筋の歩を伸ばし（７３手目▲７五歩）
後手の角の前途を塞ぎますが、渡辺棋王はすかさず
角を守りに活用し、金を引いて先手の飛車に当てました。
（７４手目△７一金）
この手に対し、久保王将は
金との交換で飛車切りを敢行、終盤戦の幕が開きます。。
すると。。
８２手目△７八飛。
上図での持ち駒
▲久保王将： 歩
△渡辺棋王： なし
渡辺棋王は桂を成り込んでから
二枚目の飛車を敵陣に投入、分厚く迫力も満点の
攻撃態勢をそつなく築き上げました。。
９３手目▲４五角。
上図での持ち駒
▲久保王将： 桂、歩
△渡辺棋王： 角、銀、歩
後手の圧力の前に、形勢の針が傾き始める中
久保王将は懸命に手を作り、攻め合いに命運を託します。。
１０９手目▲２一馬。
上図での持ち駒
▲久保王将： 桂、歩３
△渡辺棋王： 角、金、銀２、香
久保王将は角を起点に
懸命に後手玉へと迫り、勝利への執念を燃やしますが。。
しかし
１１２手目△４八銀。
上図での持ち駒
▲久保王将： 桂、歩３
△渡辺棋王： 角、金、銀、香
形勢を支配する渡辺棋王の指し手は緩まず
先手の猛攻を凌いでから、厳しく勝負を決めに出ました。
【 投了図・１２６手目▲４八龍寄 】
投了図での持ち駒
▲久保王将： 銀、桂、歩４
△渡辺棋王： 角、金２、銀、香、歩
久保王将は最後まで食らいつきますが
形勢を揺るがすには至らず、渡辺棋王が龍を突進させた
上図の局面で、万策尽き果て無念の投了を告げました。
自らの構想をあますところなく盤上に表現し
悠々と攻防を支配した渡辺棋王が見事な完勝を飾り
会心の連勝スタートを決めました。。
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王将戦/第２局・一日目の所感
王将戦/第２局は大阪決戦
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名人相手に問答無用の圧勝。。
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今泉四段、待望の戦術書第三弾！
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谷川浩司九段は「光速流」
では、実兄・俊昭氏のキャッチフレーズは。。
