大一番前の圧勝。。第68期王将戦挑戦者決定リーグ/1回戦「中村王座-渡辺棋王を振り返ろう」
今回は土曜日(9/29)に行なわれました
第68期王将戦挑戦者決定リーグ/1回戦の好カード
「中村太地王座-渡辺明棋王」を振り返らせて頂きます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲中村王座: なし
△渡辺棋王: なし
先手は中村王座。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、渡辺棋王も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲中村王座: なし
△渡辺棋王: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
「相掛かり」となりました。。
6手目△3ニ金。
上図での持ち駒
▲中村王座: なし
△渡辺棋王: なし
続く5手目に、中村王座が角道を開くと
渡辺棋王は追随せず、角道は開けずに△3ニ金と返し
先手に手番を渡しました。。
この手をみて、中村王座は。。
7手目▲7七角。
上図での持ち駒
▲中村王座: なし
△渡辺棋王: なし
貴重な一手をかけて角を7筋に上げ
8筋を受けつつ、「角換わり」での勝負を指向。。
この手に対して
渡辺棋王はすぐさま角道を開くと(8手目△3四歩)
次に、中村王座の▲6八銀(9手目)をみて。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲中村王座: なし
△渡辺棋王: なし
ケレン味なく、角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
20手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲中村王座: 角
△渡辺棋王: 角
角交換成立後
両者は右銀の態度を保留したまま駒組みを進めますが
先に居玉を解除した渡辺棋王が、上図で7筋の歩を突き
飛車のコビンを開いた、次の瞬間。。
21手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲中村王座: 角
△渡辺棋王: 角
中村王座は3筋の歩を突き合わせ
自信有り気に早々と仕掛けを開始しました。。
渡辺棋王は△同歩(22手目)と応じて、以下
▲2四歩~△同歩~▲4五桂~△4四銀~▲2四飛に
△2三歩~▲2九飛をみて、下図30手目△5五角と進行。。
30手目△5五角。
上図での持ち駒
▲中村王座: 角、歩
△渡辺棋王: 歩
トントン拍子で駒を前に出す中村王座に対して
渡辺棋王はリズムを変えるべく、浮いた4筋の歩を標的に
手持ちの角を天王山・5筋の位に投入しました。。
この手をみて、中村王座は。。
31手目▲3四角。
上図での持ち駒
▲中村王座: 歩
△渡辺棋王: 歩
狙われた歩を受けることなく
手持ちの角を3筋に投入し、さらに攻勢を強めます。。
39手目▲2三歩成。
上図での持ち駒
▲中村王座: 歩
△渡辺棋王: 歩2
いつになく攻撃的な中村王座は
自玉の囲いに目もくれず、拠点とした角の援軍に
飛車を突進させると、後手の飛車取りにも構うことなく
飛車先2筋の歩を成り込み、勝負に出ました。。
43手目▲3三桂成。
上図での持ち駒
▲中村王座: 金、歩
△渡辺棋王: 飛、歩2
渡辺棋王は角で飛車を(40手目△2四角)
中村王座は「と」金で金を捕獲し(41手目▲3ニ「と」金)
盤上は一気呵成に終盤戦模様へと投入。。
中村王座が上図で桂馬を成り込み
後手玉に早くも「詰めろ」が懸かると。。
44手目△3三同角。
上図での持ち駒
▲中村王座: 金、歩
△渡辺棋王: 飛、桂、歩2
代えて銀で成桂を払う手もあったかに思われました
渡辺棋王は気前良く角で成桂を払い、「詰めろ」を消して
以下、▲同「と」金~△同銀(46手目)の進行で、ひとまず
先手の成り駒が清算されますが。。
しかし
53手目▲1一馬。
上図での持ち駒
▲中村王座: 金、桂、香、歩
△渡辺棋王: 桂、歩2
直後に1筋に引かれた先手の角を(47手目▲1六角)
渡辺棋王は押さえ込みつつ、飛車を敵陣に投入しますが
この角は攻めだけでなく、4九の金にもヒモをつけており
渡辺飛車のダイナミズムを奪います。。
攻め手に迫力が出ない後手に対して
中村王座が敵陣に投入したもう一枚の角が躍動。。
桂馬に続いて香車も捕獲し、まずは戦力を補充すると。。
55手目▲4七香。
上図での持ち駒
▲中村王座: 金、桂、歩
△渡辺棋王: 桂、歩2
手にしたばかりの戦力がすぐに活躍。。
鋭く爽やかに手が伸びる先手へ、形勢の針は傾きます。。
65手目▲7三桂。
上図での持ち駒
▲中村王座: 金、銀、歩
△渡辺棋王: 桂、香、歩2
優勢を自覚する中村王座は、慌てることなく
7筋の歩を取り込んでから(59手目▲7四歩)
香車を走らせ銀を捕獲すると(61手目▲4四香)
返す刀で、歩の足場を築いた7筋に桂馬を投入。。
自陣の駒にほとんど手をつけることなく
勝負を決めに出ました。。
【 投了図・77手目▲5三馬 】
投了図での持ち駒
▲中村王座: 金、銀、歩5
△渡辺棋王: 桂2、香、歩4
刹那の攻め合いとなった最終盤
読み切りの中村王座がブレることなく後手玉を打ち取り
上図の局面をみて、渡辺棋王は無念の投了を告げました。。
強豪相手に格好よく、圧勝を飾った中村王座が
いよいよ明日開幕する、カド番で臨む王座戦/第3局を前に
自らを鼓舞し、大いに気勢を上げました。
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将棋界に新時代到来。。
王位戦/第7局・一日目の所感。。
決戦の舞台は首都・東京。
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若手棋士の登竜門
新人王戦の決勝三番勝負進出決定。。
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竜王戦開幕前に、さすがの連勝!
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初タイトルに王手!
舞台は古都・京都にて。。