第３０期竜王戦７番勝負/第３局・一日目「いきなりの決戦ムード。。封じ手は羽生棋聖」
通算１２期目の防衛を目指す渡辺明竜王に
「永世七冠」の懸かる羽生善治棋聖が挑戦する
将棋界「冬の本場所」第３０期竜王戦７番勝負。
ここまで２局を消化し、羽生棋聖が圧巻の２連勝。
今シリーズの流れが決まりかねない正念場の第３局が
本日より、群馬県前橋市「臨江閣」にて開幕。。
先手は羽生棋聖。
勝てば竜王奪取に王手が掛かる本局の初手は
角道を開く▲７六歩から。。
２手目△８四歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
対します、渡辺竜王は２手目に飛車先を突く
△８四歩と返し、対局はスタート。。
早々居飛車を明示した渡辺竜王に対して
羽生棋聖の作戦が明らかとなるのが、次の３手目。。
▲６八銀なら「矢倉」、▲２六歩なら「角換わり」が
それぞれ有力となりますが。。
３手目▲５六歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
羽生棋聖の３手目は▲５六歩。
意表の振り飛車投入を示唆しました。。
この手をみて
渡辺竜王の手が早くも止まります。。
５手目▲５八飛。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
１２分の考慮の後
渡辺竜王が△６ニ銀（４手目）とすると
羽生棋聖は飛車に手をかけ、５筋へと振り
先手で「中飛車」を投入しました。。
９手目▲５五歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
渡辺竜王が角道を開いたのをみて（８手目△３四歩）
羽生棋聖は天王山に歩を突き出し、飛車先の位を確保。。
１６手目△２ニ玉。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
次に両者は息を合わせて囲いを目指し
玉を盤面向かって右側へと寄せて行きますが。。
２０手目△４三金。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
ともに２筋に玉を置いたまま
囲いを決めずに、しばし駒組みを進行。。
しかし、上図から次に
羽生棋聖が飛車先に乗せた銀を４筋の戦場へと
繰り出したのをみて（２１手目▲４六銀）。。
２２手目△１二香。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
渡辺竜王は１筋の香車を繰り上げ
振り飛車の天敵「穴熊」を明示しました。。
２４手目△１一玉。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
この手をみて
羽生棋聖が３筋の歩を突くと（２３手目▲３六歩）
渡辺竜王はケレン味なく、玉を「穴熊」に納めます。。
すると、次の瞬間。。
２５手目▲３五歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： なし
羽生棋聖はそのまま３筋の歩を突き合わせ
玉を囲い上げる前に仕掛けを開始しました。。
渡辺竜王は△同歩（２６手目）と応じて、以下
▲同銀～△８五歩～▲１八香～△４五歩～▲１九玉に
△５一銀をみて、下図３３手目▲２八銀と進行。。
３３手目▲２八銀。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： 歩
△渡辺竜王： 歩
３筋で歩交換を成立させた後
羽生棋聖も「穴熊」を掘り、銀のハッチを閉めました。
ここで手番の渡辺竜王は。。
３４手目△４ニ銀右。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： 歩
△渡辺竜王： 歩
銀のハッチを閉めることなく
右の銀を４二の地点に繰り上げました。。
この局面で
午前の対局は終了、お昼休憩に突入。。
【 お昼のメニュー 】
羽生棋聖： 伝統のハヤシライス
渡辺竜王： 上州黒豚厚切りロース生姜焼き
３５手目▲３四歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： 歩
午後の対局開始の一手で
羽生棋聖は３筋に浮かんだ銀の上の歩を突き立て
後手の角頭を叩き、切りよく仕掛けを再開します。。
この手に対し
渡辺竜王は狙われた角を引き下げ（３６手目△２ニ角）
銀の代わりに「穴熊」のハッチを閉めると。。
３７手目▲４六歩。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： 歩
羽生棋聖は続けて４筋の歩を突き合わせ
本局も気合十分に畳み掛けます。。
４０手目△８四飛。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： なし
△渡辺竜王： 歩２
渡辺竜王の△同歩（３８手目）をみて
羽生棋聖は飛車に手をかけ、歩を突き捨てた
４筋に振り直しました（３９手目▲４八飛）。。
渡辺竜王は飛車を戦場に浮かせて
先手の攻勢に備えますが、羽生棋聖は構うことなく
飛車を走らせ歩を弾き飛ばします（４１手目▲４六飛）。。
ジワジワと盤上が熱気を帯びる開戦間近の局面で
渡辺竜王は手を止め、じっくりと読みを入れ直すと。。
４２手目△３四金。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： 歩
△渡辺竜王： 歩３
グイッと３筋の金を繰り出し
先手の銀にぶつけて反撃の狼煙を上げました。。
羽生棋聖は４６分の長考の末、▲同銀と応じて
以下、△同飛に▲４五金～△６四飛～▲５四歩をみて
下図４８手目△５七銀と熱く激しく進行。。
４８手目△５七銀。
上図での持ち駒
▲羽生棋聖： 歩
△渡辺竜王： 歩３
羽生棋聖が６筋に回った後手の飛車先を受けずに
５筋の歩を突き角道を開くと、渡辺竜王は５４分の長考の後
先手の飛車に引っ掛ける形で銀を投入。。
決戦ムードが立ちこめる上図の局面で
羽生棋聖が長考に入ると、１時間と９分が経過したところで
終了時刻（午後６時）を迎え、そのまま次の手を封じて
一日目は終了となりました。。
このままでは先手は後手の飛車先突破が受からず
その代償を求める、あるいは切り返しとなる羽生棋聖の
用意の一手、構想は果たして何か。。
明日は決着の二日目。
開始直後から目が離せません。。
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渡辺竜王との番勝負実現を目指して。。
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藤井四段は順位戦開幕無傷の６連勝。。
藤井四段激戦譜（炎の七番勝負など）
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竜王戦/第２局・一日目の所感
竜王戦/第２局の舞台は岩手。。
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竜王戦/第１局は羽生棋聖が先勝
竜王戦/第１局・一日目の所感。。
いざ、「冬の本場所」竜王戦へ
