明日はいよいよ「将棋界の一番長い日」第７５期Ａ級順位戦/最終戦・一斉対局
将棋界一年の中心軸であります
第７５期順位戦も各クラスでいよいよ大詰め。
明日は「将棋界の一番長い日」、最高峰・Ａ級で
最終戦となります９回戦・一斉対局が行われます。
□ 第７５期Ａ級順位戦対戦表（成績順。） □
ラス前/８回戦終了時点で
優勝争いのトップに立つのは稲葉陽八段。
７勝１敗で単独首位をキープし、明日の最終戦を
勝利で飾ればその瞬間、文句無しの初優勝が決定。。
稲葉八段の後を追うのが
６勝２敗で続く羽生善治三冠と広瀬章人八段。
最終戦を何が何でも勝利で飾り、プレーオフ進出へ
そして逆転優勝へ、他力ながらも可能性を残します。
一方、残留争いも大混戦に。。
冤罪事件に巻き込まれ
５回戦以降の欠場を余儀なくされた三浦弘行の
来期Ａ級残留はすでに決定済みで、降級枠はわずか１つ。
その１つを巡り、大物棋士が最終戦に全てを懸けます。
最終戦の結果次第で、降級の可能性があるのは
佐藤康光九段、森内俊之九段、そして屋敷伸之九段。
くしくも三者は、優勝争いを演じる三者と明日、対戦。
最終戦に名人挑戦権を
一流棋士の証であるＡ級残留を目指し、それぞれが
それぞれの「一番長い日」に挑みます。。
＜第７５期Ａ級順位戦/９回戦＞
森内俊之九段－稲葉陽八段
一番の注目カードは何と言っても
自力優勝と自力残留が懸かる問答無用の鬼勝負
森内九段と稲葉八段の顔合わせ。。
森内九段の今期ここまでの成績は
３１戦１２勝１９敗（．３８７）。順位戦は番付６位で３勝５敗。
今期は春先から夏の終わりにかけて不振を極め
連敗つぐ連敗を重ねた森内九段は順位戦も４連敗スタートと
開幕ダッシュに失敗、６回戦終了時点で１勝５敗で最下位に。。
しかし、７回戦の三浦九段で虎の子の不戦勝を頂戴すると
残留争いの直接のライバル・佐藤九段が羽生三冠に破れ
辛くも降級圏を脱出。。
勝負の鬼・森内九段はこのチャンスを逃さず
続く８回戦で屋敷九段をキッチリと仕留めて３勝目を飾り
最終戦に勝てば自力残留が決まるところまで漕ぎ着けました。
ここ数年は残留争いの常連ながらも、最後の最後は
桁違いの強さをみせつけ勝利をもぎ取り、残留を決める。。
永世名人資格保持者の実力と凄味を遺憾なくみせつけてきた
森内九段にとっては明日の修羅場もいつか来た道。。
直前の対局でも若手相手に圧勝を飾り、調整は万全。。
明日の対局も「鬼の森内」が虎視眈々と勝利を狙います。
最後の最後で究極の正念場を迎えた
稲葉八段の今期ここまでの成績は３１戦２１勝１０敗（．６７７）。
今期より初参戦を果たしたＡ級では臆することなく開幕７連勝。
安定感抜群の内容で優勝争いを独走しました。
しかし、勝てば優勝の決まった８回戦で
渡辺竜王の前に敗れ初黒星、優勝は最終戦へと持ち越しに。
夢の名人挑戦権獲得へ向け、Ａ級の番人・森内九段との対戦が
最後の関門となったのは、何か運命めいたものを感じさせます。。
奨励会在籍時代より、その才能は一目置かれ
若手時代も糸谷哲郎八段、豊島将之七段らとともに
「関西若手四天王」と謳われ将来を嘱望された超逸材が
頂点を目指し、鬼勝負に挑みます。。
稲葉八段は勝てば
他の棋士の結果に関わらず優勝、名人戦挑戦が決定。
最終戦に敗れた場合
羽生三冠と広瀬八段がともに敗れれば優勝決定。
両者、あるいはどちらかが勝利すれば、優勝のゆくえは
あらためてプレーオフに委ねられます。。
森内九段は勝てば
他の棋士の結果に関わらず来期Ａ級残留が決定。
しかし、最終戦を落とした場合
佐藤九段が勝てば逆転降級、佐藤九段が敗れれば残留。
１０代の頃より切磋琢磨するライバルにして盟友でもある
佐藤九段の結果次第で運命は揺らめきます。。
その佐藤九段は明日、広瀬八段と対戦。
佐藤九段は勝利するより残留の可能性は生じず。。
最終戦を勝利で飾っても、森内九段と屋敷九段が
それぞれ勝利すると降級が決まる苦しい立場に。。
一方の広瀬八段もまた
勝利以外にプレーオフ進出の可能性は生じず
モチベーションはマックス、必勝態勢で臨みます。。
逆転優勝を狙う羽生三冠は屋敷九段と対戦。
羽生三冠も自力優勝の目はなく、まずは最終戦を勝利で飾り
稲葉八段の結果を待ち、プレーオフ進出の可能性にかけます。
大の苦手との対戦となった屋敷九段は残留争いの３番手。
仮に自身が敗れても、森内九段か佐藤九段のどちらかが
敗れれば残留となりますが、それでもやはり勝利を飾って
自力での残留に気合が入ります。。
それそれの思惑とともに
一流棋士が意地とプライドを懸けて真っ向勝負を挑む
「将棋界の一番長い日」Ａ級最終戦をどうぞ、お見逃しなく！
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本日更新
たゆまぬ努力の金字塔。。
