明日より、第25期竜王戦7番勝負/第2局開幕。。
9連覇を目指す渡辺明竜王に
丸山忠久九段が挑戦する第25期竜王戦7番勝負。
今月の15日(月)-16日(火)に行われました
開幕戦/第1局は106手までで、後手・渡辺竜王が勝利。
10手目△7七角。
上図での持ち駒
▲丸山九段: なし
△渡辺竜王: 角
開幕戦の戦型は
両者ともに十八番としている「角換わり」。
ちなみに
前期の竜王戦でも顔を合わせた両者 は、その全5局
すべてが「角換わり」からの将棋でした。
ただ今年の開幕戦でもそうだったように
手損を気にする渡辺竜王が後手の時は、定跡手順からの
ノーマル角換わりを採用。
逆に
丸山九段は後手番の時には「一手損角換わり」を採用。
一口に「角換わり」といっても、角を交換する「呼吸」に
両者の棋風が反映されます。
56手目△4四角。
上図での持ち駒
▲丸山九段: 歩
△渡辺竜王: 歩2
角交換の後
「相腰掛銀」から定跡手順、前例を踏襲をしながら
最新形の模様へと猛烈な速度で展開。。
丸山九段の角の打ちこみ(49手目▲6四角)を合図に
渡辺竜王が飛車を走らせてから、丸山玉をも捉える飛車と交差する
ラインに角を投入し、仕掛けを開始。。
96手目△5七桂成。
上図での持ち駒
▲丸山九段: 角、金、桂、歩2
△渡辺竜王: 銀、桂、歩4
渡辺竜王
「成桂ができた(96手目△5七同桂成)あたりで
攻めが切れることがなくなったので少しいいと思った。」
(終局後のインタビュー より)
生粋の居飛車党で
こうした相居飛車での定跡踏襲型研究将棋では
現在最強との呼び声高い渡辺竜王が、確実にリードを広げる
竜王戦では見慣れた展開となった今年の開幕戦
【 投了図・106手目△6四桂 】
投了図での持ち駒
▲丸山九段: 角、金、桂、歩
△渡辺竜王: 銀、桂、歩4
開幕戦は上図106手まで。
終局時間は昨年の開幕戦をさらに上回る午後1時58分
という異例の早さで、渡辺竜王が完勝スタートを切りました。。
Flashback。。第25期竜王戦7番勝負/第1局「渡辺竜王、圧勝」
この結果を踏まえて、明日より
石川県は金沢市「金沢エクセルホテル東急」にて
注目の第2局が開幕の時を迎えます。。
渡辺竜王の今期ここまでの成績は
24戦16勝8敗(.667)。順位戦はA級で3勝1敗。
10月は明日で7戦目。
初防衛を目指した王座戦は残念ながら落としたものの
その後、すぐに持ち直して現在公式戦5連勝中。
竜王戦開幕に合わせたかのように調子を上げてきました。
丸山九段の今期ここまでの成績は
28戦14勝14敗(.500)。順位戦はB級1組で1勝5敗。
渡辺竜王とは対照的に現在公式戦3連敗中と気勢は上がらず
明日へむけての調整具合が気になるところ。。
両者の対戦成績は
ここまで18戦して渡辺竜王の11勝7敗。
昨年の竜王戦からでみると渡辺竜王が7勝2敗と大きくリード。
明日の先手は渡辺竜王。
果たして、戦型は丸山九段の「一手損角換わり」となるのでしょうか。。
「角換わり」の他、「横歩取り」「相掛かり」と持ち芸のかぶる両者。
先手ならともかく、後手で「横歩」や「相掛り」を仕掛けるよりも
20年以上に渡り研究を重ね愛用し続ける「角換わり」で。。。
まるで孤高の芸術家のように
自分の世界があり、そこに強い拘りと誇りを持つ丸山九段だからこそ
その流れで勝負を挑むのが一番自然に感じます。
しかし、渡辺竜王の研究も強烈であり
一番返したにしろ、「角換わり」一本で百戦練磨の竜王から
4つの白星を積み上げるのは至難の業。
どこかで大胆な仕掛けが必要なのもまた、明白。。。
個人的には丸山九段の振り飛車をみてみたいですが。。
さて、どうなりますでしょうか。。