「そう きっと
急ぎ疲れたんだほんの少し
情熱を
抱えたままで立ってたのさ」
(GRAPEVINE「光について」)
2024年9月9日で望月さあやが24歳になった。
高校卒業だラストティーンだ大学卒業だとずっと忙しくしているうちに、あっという間に20代前半最後までやってきた気がする…なんてことはない。長い道のりだった。
過ぎてしまえば一瞬だが、走っているうちは永遠に続くようにも思える、長い長い道程だ。
とても良い一年だった、とは本人は言わないだろう。
良いことももちろんあった。その前に風の吹いたTikTokは、爆発的な伸びこそないものの順調に推移した。最近はダイエット関連に活路を見出している。
また、TikTok用に振り付けたものもたまにいろんな方が踊る、これもバズるなのだろうか、僕にはよくわからないが、作ったものが様々なところで踊られているのだからよいことだろう。
外仕事で本当に振り付けることも出てきた。前よりちょくちょくひとさいと縁のある、ZUTTOMOTTOの夏恋センチメンタルを振り付けた。
個人的には君も振付か、という至極勝手な感慨はあるが、それはとにかく、振付の仕事が増えていくと良いと思う。
躓きはいくつかあった。そんなものは詳述するものじゃない。
今年の夏はとても暑かった。
夏に弱いもっちゃんには酷な夏だった。ただ、持ち合わせた夏への弱さに起因はしないところで、特にこの8月は調子を崩していた、という話は前の記事にも書いた。
ままならぬ自らに、一番誰よりもいらつきムカつき、絶望したのはもっちゃん自身だろう。
生誕祭の成立すら危ぶんだ。
生誕祭が無事に成立するように、と願った。
そして、生誕祭は無事に執り行われ、もっちゃんは盛大に祝われ、日付変わって無事に24歳と相成った。
元来のポテンシャル、元々仕込んでいた周到な準備、メンバーをはじめとしたひとさいさんチーム全体が一丸となって行ったバックアップ、そして本人の、生誕祭を何としても成立させるという気持ち。
それらが奇跡的に重なって、イベントとしてしっかり成立していた。
限られた準備期間の中で出来る最大限にして、パフォーマンスの鬼たるもっちゃんらしい生誕祭に、見事にまとめ上げ、演じ切った、というところか。
カバー曲は4曲をメドレー、もっちゃんはすべてに出演し相方を1曲ずつ代える形だったが、その曲と相方の組み合わせも練られていて、かつ、本人が見たいものという名目ではあるが、それぞれの長所を捉えた純粋な実力主義とも呼べるもので、実にもっちゃんらしく。
みーあんとのももいろクローバーZ「桃色空」などは、踊らないことでかえってよく曲の世界に引き込まれたような気がする。また、みーあん自身も歌に集中できることで、数段パフォーマンスも上がっただろう(余談だが、最近のみーあんは長らく続いた喉の不調から解放されて、とても良い出来、本来の歌でぶん殴るみーあんのパフォーマンスが出来ている気がする)。
当初は他の生誕祭のように他にコーナーを設ける構想もあったのかもしれない(本人にもこの点は聞いていないので、そのようなアイデアもあったのかないのかは知らない)が、結果的にライブだけをストイックに見せるような構成にもなっていたので、これもまたかえってもっちゃんらしさを強調することになったように思う。
特典会も最初から最後まで、しっかり笑顔で乗り切れていた。
僕はとにかく生誕祭が無事に行えてよかったという話と、もっちゃんがセレクトした会場BGMにまつわる昔話、そしてこれは何年たってもそんな話をするのであろう、生誕祭だけの衣装なんて作ってもらえる、ひとさいってありがたい環境だよね、まあそんな話あたりをした。
正直、こちらは本当に軽く、うるっと来たといえば来たのだが、もっちゃんは特にそんなことはなかったろう。
この日は上記のように、笑顔で一部始終を乗り越えられ、そしてもっちゃんらしさを出せた、それ以上に求めることはなかったし、だから僕は大満足だった。疲れた。
人間だから、調子の悪いことはあるし、休むときもある。
とにかく、あまりおおごとと捉えすぎることなく、無理もさほどせず、心と体と相談しながら、周りを頼って、少しずつ状態を上げていってほしい…今言えるのはそのくらいだ。
この記事を書くにあたって、云々唸っていたが、それ以外に書くことがなかった。
ネットの海で、もっちゃんはまだ本調子じゃない、と大声で叫ぶのもどうかとは思うが、まあそのくらいしか書くことはない。
本調子であればもうそれだけで、ライブアイドルとしてのもっちゃんには何も注文がないし、心配もない。勝手に最高のパフォーマンスをして、いつもニコニコしてくれる。
いつも本人にはよく文句やなんやらかんやら言って、怒られてもいる気もするが、本人にそう注文もない。
もっちゃんを誇りに思っているからこそ、今の回復途上のもっちゃんを本来だと思ってほしくない、そういうところがある。
誰かが躓いたら誰かが手を差し伸べて、立たせてあげる。誰かが倒れたら誰かが運んで、その代わりを誰かがやる。
グループ、チームなんてのはそんなものだし、今回はそうやって助けてもらったのがたまたまもっちゃんというだけで、次に他の誰かがどうにかなったときには逆に助けてあげればいい、それだけのことで。
もっちゃんだって実際にこれまで、他のメンバーの不調時に奮闘していたこともあったわけで。そういう際の壇上で圧倒的に頼りになる存在であることは間違いがないわけで。
本調子であれば一級品、そこはもう、僕が惚れこんだ人であるわけで。
ここからゆっくりゆっくり巻き返して、また全力を出せる体制が整ったら、そこからまた大きな夢、僕が見たことのない世界を見せてほしい。
「わたしがみんなのことをどれだけだいすきかは
自覚しているつもりだったけど
わたしが思っているよりも、みんなが
わたしのことを好きで、必要としてくれてることを
痛いほど実感しました」
(望月さあやツイッターより)
実感してくれて、その点に自信を持ってくれたら、それでよい。
メンバーも、スタッフも、客も、みんながもっちゃんを必要としている、その点について自信を深めてくれたら、それでよい。
何年もやっていれば、きっとこんな年だってある。
来年の今頃には、「去年の夏は大変だったね」と笑っていよう。
あらためて、望月さあやさん、24歳のお誕生日、おめでとうございます。
望月さあやさんのあらたな1年が、良いものになりますように。
「光にさらされてゆくこの世界の中
君を見ていられた
涙が流れて聞こえなかったとしても
空に浮かべていこう
いつも いつも
僕らはまだここにあるさ」
(GRAPEVINE「光について」)