リクルートのDNA | ビジネススキル向上のための書評ブログ

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日々の読書で感じたITやテクノロジー、経済などビジネスに関する様々なジャンルの書物を独自の観点で評価していく書評ブログです。

第34回となる今回はリクルート創業者の江副浩正氏が執筆されたこちら!!

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)/江副 浩正

¥720
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ぼくの評価☆☆☆
リクルートの強さの秘密、リクルート創業時の話などけっこうすらすら読めておもしろいです)


当然の話ですが、どんな大企業も創業当時は小さく始めて次第に大きくなっていったわけであります。

業種によって様々ですが、たいていは似たようなライバルがたくさんいて、その中から勝ち残って大企業に成長したので、その生き残った会社には生き残る強さの秘密が必ずあるはず。

そして、

大企業がすごいのではなく、大企業を作った人がすごい。

競争力のある大企業から学びたいと考えるのであれば、まずは創業期(ベンチャー)を学ぶ。

そこから見えてくる競合に打ち勝つ経営戦略やいきさつ、困難にぶつかったときの判断など創業期は一番ダイナミックでおもしろく、なにより読んでいて興奮しますしゃきん



ここで本書にも出てくるリクルートの強さや変わった社風や組織体系などをまとめてみたいと思います。



1.学歴をあまり重視しない風土

リクルートはどちらかというと学歴をあまり重視しない風土があるように思います。

本書にも少しそういったことに触れているようですが、その理由としては将来成功をおさめる人が学生もしくは小さいころから勉強熱心で社会に出る前からビジネスに関わっていたかというと、以外とそうでもないからです。

これはぼくもこれまで起業家の本をいくつか読んできたのでわかります。

仕事ができる人や会社の売上に大きく貢献している人 = 高学歴

とは一概にも言えないからです。

特にリクルートは起業家精神を重視する企業なので、どちらかというと型にはまらない柔軟な発想をもった人材を好む傾向にあるようです。

どちらかというと人物重視で、好奇心旺盛で、バイタリティの高い人材。

そんな人がリクルートには多いように感じます。



2.社員皆経営者主義

これはさきほども少し触れましたが、起業家精神が旺盛な人を好むリクルートの組織風土がこういった経営理念を生んでいるのだと思います。

リクルートの強さの秘密の一つ。

それは小さな組織形態(PC:プロフィットセンター)が無数に存在し、その中のPC長に大きな権限を委譲すること。

年齢などに関係なく、結果を出せばさらに権限や地位が高まる評価制度を設定していることです。

ぼくはこの組織風土は前回紹介したサイバーエージェントの組織風土に近いものがあると思っています。

若い人が活躍する会社にはこういった権限委譲がポイントなのかなと思ったりもします。



3.3年で会社を去る制度

実はぼくが一番斬新だと思っているのはこの3年限定採用制度(CV制度)です。(CV=Career View)

これは実に絶妙な制度だと思います。

成長意欲の高い人なら誰しも一度は若いうちにいろんなことに挑戦してみたいと思うはず。

しかし起業までは考えていなかったり、ただ単に自分の実力をレベルの高い環境で試してみたいという動機だったり、将来に役立てるために仕事術を学びたいなど、成長意欲の高い人のための受け皿としてはうってつけの制度だとぼくは思います。

ハードルの高さ × リスクの度合いで比較すると、

起業 < ベンチャー企業に転職してIPOを目指す < リクルートのCV制度 < 一般企業

と、こんな感じかなと思います。

個人的には特に女性にはおすすめかなと。

今はバリバリ仕事をしたいが、結婚や子育てなどで家庭環境が変わったらすこし落ち着いて仕事をしたいなど考える方とかに向いていると思います。

育児で第一線を一度退いたとしても、リクルートで高い実績を積んでいれば強いでしょう。

3年限定ともなれば、とりあえず3年がんばって大きな成果を上げようと躍起になるので、人によって様々ですが転職前より1.5倍~2倍くらいのバイタリティが生まれると思います。

会社側から見ると、より優秀な社員を募集→厳選して採用する場合と異なり、学歴の幅を広く取ることで採用の間口が広がり、バイタリティの高い人材をたくさん採用することができるので3年のサイクルでもバイタリティの高い人材で競争力のある組織として回していけるというわけです。

優秀な社員に永続的に会社に留まってもらうという考えがもちろん採用の王道なのかもしれませんが、こういった採用の仕方もちょっと冷徹な印象があるかもしれませんが、ぼくは一つの選択肢としてはアリだと思います。

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リクルートはなにより多くの起業家を輩出していることで有名な会社ですから、独立・起業やベンチャーに興味のある方はどうぞ。

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