【藤井聡太八冠】棋史に残るAI超えの絶妙手「驚異の歩」 | 藤井七冠応援ブログ

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【藤井聡太八冠】棋史に残るAI超えの絶妙手「驚異の歩」

 藤井聡太王位に佐々木大地七段が挑戦する第64期王位戦七番勝負第5局の2日目が23日、徳島市の料亭「渭水苑」で指され、95手で藤井王位が勝ち、4勝1敗でタイトルを防衛しました。
 将棋史に残るAI越の絶妙手はこの第5局に指されました。

AI越の絶妙手とは

 図は、終盤に差し掛かるところです。後手の佐々木大地七段が76手目、飛車を敵陣に成った局面です。
 この手に対し、私が使っているAIが示していた最善手は、「5筋にと金寄る」でした。
 この手に対して、同銀は、6筋3段目に王手竜取りの角内があります。これを食らっては、将棋が終わってしまいます。従って、後手はこのと金を取る手はありません。成った竜を引き上げ、抵抗する手が考えられますが、これは先手のペースと言えます。
 しかし、考慮時間14分で指された次の一手は、予想外のものでした。

妖刀の歩

 藤井王位が指した手は、何とも怪しい2筋の垂れ歩でした。
 この手が指された瞬間、AIの評価は急激に下がり、ほぼ互角の評価になりました。しかし、時間が経つにつれて、評価は上がっていきました。最終的に、AIは先手有利の評価を下しています。
 この時点での残り時間は、藤井王位27分。佐々木大地七段1時間48分。この手に、佐々木大地七段は悩み続けます。例えば、同竜とするのは、歩を打たれて竜の動きが止められてしまいます。これは、後手差す手に困ります。
 96分考えた佐々木は、3筋6段目に銀を打ちました。しかし、先手が数手後に玉を引いた手が絶妙の好手。これで、先手玉に迫る有効な手順がなくなりました。後手も迫りますが、丁寧な藤井王位の受けに、万策尽きました。