2004年1月元旦 癒しの森の短歌136 天皇の短歌
天皇陛下は、新年を迎えるに当たっての感想を発表された。陛下はその中で、前立腺がんの摘出手術を受けた際のお見舞いなどについて、「大勢の人々が病気を心配し、古希を祝ってくれたことに深く感謝しています」と述べられた。宮内庁は陛下が03年に詠んだ歌を発表した。
日本の言葉の文化は、中国の影響を大きく受けており「古希」などという言葉はその典型だ。古希は、杜甫(712~770)の詩の中に「人生七十年古来稀なり」と謳ったところから来ている。十年ほど前NHKの「漢詩紀行」16巻を買った。現役のころは鑑賞の機会がなかったが、これからは時折開いてみたいと思っている。新春でもあるので、漢詩の中で最も有名な杜甫の詩(4行のみ)を引用したい。
国破山河在 国破れて 山河あり
城春草木深 城春にして 草木深し
時感花潅涙 時に感じては花にも涙を潅ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
(3段目の潅ぎは文字がないので当て字となっている)
・国破れ 草木深し この山河 時に感じて 涙を潅ぐ
・入院の我を気遣ひ訪(と)ひくれし思ひうれしく記帳簿を見る