近年、ソーシャルメディアの普及はめざましく、私たちの日常生活において欠かせないものとなりつつあります。同時に、企業のマーケティングにおいてもTwitterやInstagramなどのSNSを利用することが当たり前になりました。それは日本国内はもちろんのこと、中国でのオンラインマーケティングについても同様です。
しかし、中国では、政治環境の特殊性によって海外SNSを遮断し、中国国内様々なソーシャルメディアサービスが多岐にわたって乱立しています。
今回は中国の人気のSNSを紹介します。
まずは中国で人気があるSNSを5つピックアップしてランキング形式で解説していきます。
1. WeChat(ウィーチャット / 微信)
中国の大手IT企業であるテンセント社が作った、中国人がもっとも使っているメッセンジャーアプリです。中国名の「微信」とは、微少の文字数の手紙を意味するそう。
LINEのような機能を持ったメッセンジャーアプリで、中国版LINEと言われており、世界版ではFacebookでの登録が可能となっています。
2011年にサービスを開始。月間アクティブユーザー(MAU)は2015年時点で11億2,000万人と発表されていました。
2022年現在、月間アクティブユーザー(MAU)は12億人以上、1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は10.9億人とされています。
2. Weibo(ウェイボー / 微博)
中国の新浪公司(シンランこうし)が運営するミニブログサイトで、正式名称は「新浪微博(シンランウェイボー)」と言います。
中国版Twitterとされており、将来的な拡張性も期待されているSNSメディアです。
「微博」とはマイクロブログを意味する言葉で、他にも複数の「微博」が存在しますが、中国において「微博」と言えば「新浪微博」のこと、というほど知名度の高いミニブログサイトです。前述のように中国版Twitterと呼称されますが、Facebookのような要素もあわせもっています。
2009年にサービスを開始し、翌年2010年には、アクセスの急増による障害が発生するほどユーザー数が膨れ上がりました。2014年にはアメリカ合衆国のNASDAQ市場に上場。中国でも人気の海外著名人もアカウントを開設しています。
2022年現在、月間アクティブユーザー(MAU)は5.11億人で、1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は2.24億人とされています。
3. TikTok(ティックトック) | Douyin(ドウイン / 抖音)
中国のByteDance(バイトダンス)が開発運営している、日本でもおなじみのモバイル向けショートビデオアプリが、TikTok(ティックトック)です。
TikTokは中国本土版の「抖音(ドウイン)」と、国際版の「TikTok(ティックトック)」の2種類があります。ちなみに日本でサービスとしてリリースされているのは国際版のTikTokになります。
後述する中国のネット規制や法律の関係上、それぞれのサービスアカウントは別々の扱いとなり、中国在住の際は、中国本土版の「抖音(ドウイン)」はダウンロードも含めて使用できますが、国際版の「TikTok(ティックトック)」は中国では視聴することが基本的に(バーチャルプライベートネットワークを使用するなどしないと)使用できません。
2016年にサービス開始しており、日本では2017年10月にリリース。2018年には世界中でアクティブユーザが5億人に到達しました。
2022年現在、1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は約6億人とされており、1日あたりの動画PV数も200億回とされています。
4. RED(レッド / 紅小書)
動画や写真、つぶやきなどを共有できる若者向けプラットフォームです。動画や画像を投稿でき、ホーム画面がInstagramに似ていることから、中国版Instagramと呼ばれています。
さらに投稿にリンクを貼り、商品購入が可能であることから、SNS型のECサイトとして人気があります。流行に敏感な若い女性たちに支持されていることから、たくさんの企業がREDの中国人インフルエンサーを通して自社商品・サービスのマーケティングを行っています。
2013年にサービス開始。2022年現在、アプリの登録ユーザー数は3億人、月間アクティブユーザー(MAU)は約1.38億人、1日あたりのアクティブユーザー(DAU)は約4,500万人以上とされています。
5. 知乎(ジーフ)
ジーフは、ヤフー知恵袋と同様のQAサイトならびにオリジナルコンテンツを作成する編集者向けのプラットフォームです。
「自分の知識、経験、洞察をより遠い人に」というブランドミッションのもと、2011年1月に正式にスタートしたSNSです。
2020年時点で、アクティブ会員数は約300万人に達しました。
中国で利用できないSNSに注意
中国では世界で一般的に利用されているSNSを使うことができません。そのほかGoogle関連のサービスも一切利用することが不可能とされています。