東京の狭いアパートで、鬱々と、ひとり暮らししながら、
生活の全てをかけてやっていたバンドがなくなった・・・


のは、15年くらい前の事


一人で曲を作り始めて
これからどうしようかなあ、なんて考えていた、東京でのある夏の日



それまで考えもしなかったのに
なんか海の近くに住みたいなあって思い始めた


長野県に生まれて
高校卒業まで山に囲まれて生きていた
そこから、東京に住みはじめた。


そのせいか、海の近くの生活への憧れもあった。
現実逃避か?



東京にいる意味は、バンドと共にもう無くなっていたから。



その衝動と勢いと、
ある、直感のままに
引っ越した。



  
そして



初めて海の近くに住んだ
神奈川県の茅ヶ崎という場所



サーファーの多い
アロハシャツが似合うような
なんとも開放的な街



東京から来てすぐの 
サーフィンにまったく興味のない
どちらかといえば閉鎖的なおれ



道路を、
水着でサーフボードを抱えて、
自転車で海に向かう人を見た時は、
ここは何だ?
と、自分の目を疑った。
(が、半年くらいで、おれも水着でサーフボードを抱えて、自転車で海に向かっていた・・・)



あてもなく、
知り合いが誰ひとりいない、
湘南での暮らしが始まった。



なぜか、自分の作る曲が、もっと良くなる確信だけはあった。




それだけは。




海まで自転車で行ける場所に住んだおれ。

引っ越してから海に行ってまずやった事といえば、
自分が作っていた曲を、海を見ながら聴いてみることだった。




広い海を前に

気持ちいい風が吹いて

少しずつ開放的な気分になってきて

自分の曲が、こういう場所でどんなふうに聴こえるのかなあ・・・
なんて、

遠く水平線を眺めながら

スタートボタンを押した。




ら、




「小せえ曲だなあー」



って



自分の中から聞こえちゃった。



広い海を見ながら


次の曲、次の曲と、
早送りするたびに



「小せえなあー」


って



自分の曲の小ささに気付いちゃって、そのまま聴けなくなった・・・



目の前には広い海があるのに、



作っていた曲達は、
膝を抱えて下を向いているようで、
殻に閉じこもっているようで



聴きながら、
海を見れなくなった



その時からかなあ



曲が出来るたびに、海に行って聴いてみるようになった



気持ちよく聴けるようになるまで



海を見ながら聴けるように



曲が出来ては海に行っていた。



自分で聴いてるけど、


海に聴いてもらってる感じだった



そして



茅ヶ崎から離れた今も、

たまに

曲がたまってくると、車で聴きながら

海に出て

聴いている。






あの時よりは大きくなったか?



ってね。




曲も。


おれも。





ライブで流す映像作りも兼ねて、久しぶりに海に行ってみたら、思い出した。



soar



hum



次のLiveは

9/6(金) 

下北沢 Half moon hall です。 

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