グリーン料金改定!【普通列車グリーン車】 | 車内販売でございます。

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首都圏の普通列車グリーン車の料金改定が発表されました。

今回は、グリーン料金改定の話。

 

■基礎知識

まずは軽く普通列車グリーン車の基礎知識を。

(1)普通列車グリーン車は、東京周辺だけ

東海道線、横須賀線・総武快速線、高崎線、宇都宮線、常磐線に連結されています。東京・上野・新宿を通り、多くの乗客を乗せるため10両から15両と長い編成です。その中の2両が、二階建ての普通列車グリーン車です。

(2)普通列車グリーン車は、自由席

空いている席に座ります。座った座席の上部に赤ランプが点灯しています。Suicaをタッチすると、ランプが青くなり料金払っていることが分かります。

自由席ですから、ラッシュ時は座れないことがありますが、グリーン車に立って乗っても料金が必要です。料金は距離などによって変化しますが、基本は780円でした。

(3)グリーンアテンダントが乗務

グリーン車2両を巡回して、グリーン券を持っていない人にグリーン券を販売します。また、缶コーヒーや缶ビールなどの簡単な品物の車内販売を実施します。私はこの車内販売が目当てで、頻繁に乗っています。

(4)グリーン料金体系は、この15年以上変化なし

私が普通列車グリーン車に乗るようになってから15年以上経ちますが、料金の変更は「消費税率アップに伴う値上げ」だけでした。今回は、今までの料金体系が大きく変わります。

(↑横須賀線・総武快速線の新型車両。コンセントも付いている)

 

■公式発表

2023年12月15日に、グリーン料金の改定が発表されました。

グリーン料金の改定は、来年2024年の3月16日からです。ダイヤ改正に合わせた改定です。

https://www.jreast.co.jp/press/2023/20231215_ho01.pdf

公式発表はこちら↑

 

 

今回の大きな変更点は3つあります。

【変更1】「休日割引」が無くなる

今までは、土曜休日のグリーン料金は、平日より200円安く設定されていました。

朝夕の通勤ラッシュでは、自由席のグリーン車では座れない客が出ています。

それに比べると、土曜休日は激しく混雑することはあまりないため、いわば「休日割引」とも言える割引料金にしてきました。

その「休日割引」が無くなります。

私には、休日割引の廃止が理解できます。

15年前は、土曜休日にグリーン車に乗る人は少なく、安くしてでも乗って欲しい状況でした。

でも、グリーン車の存在が定着してきて、グリーン車に乗る乗客が増えました。

体力的にキツイ70歳過ぎた金持ちが、この15年で増えた印象です。パソコンで仕事をするためにテーブルのあるグリーン車を利用する人も増えました。

特に、日曜の夕方は、下りグリーン車が、かなり混雑しています。

東京方面から上野駅に高崎線が着くと、グリーン車は既にほぼ満席、座れない客も出てしまいます。

これでは、土曜と休日に割引にする必要性が減るわけです。

 

 

【変更2】101km以上の料金を新設

現在のグリーン料金は「50km以内」と「51km以上」の2段階です。

これに「101km以上」が加わって、3段階になります。

これも、理解したいです。

青春18きっぷ期間では、熱海駅や宇都宮駅で、上り普通列車グリーン車が、満席に近くなることがあります。

途中の平塚や久喜からでは全く座れません。

そもそも、最初に101km以上の区分を設定しなかったのが、マズかったと感じます。

101km以上の東京〜宇都宮(109.5km)や、東京〜高崎(105km)は、新幹線との料金の差を小さくして、新幹線に誘導するわけです。東京〜熱海で、JR東海の東海道新幹線に流れる客層が出るのは、承知の上なのでしょう。

 

 

【変更3】紙のグリーン券が値上げ

現在は、事前にグリーン券を購入すれば、「Suica利用」でも「紙のグリーン券」でも、車内でグリーン料金を買うより260円安い金額で乗ることができます。

これが来年2024年3月16日ダイヤ改正より、「紙のグリーン券」も割高な金額となります。

JR東日本の案内によると、『IC化やチケットレス化を更に進めるため』だそうです。

「紙のグリーン券」を、『グリーン券を買わずに乗ったのと同額にする』わけです。

これは、どうなんでしょうか。

車内で買う客が増えて、グリーンアテンダントの手間が増えそうな気がします。

わざわざ窓口か券売機で購入するのなら、席に座ってから買う方が楽です。

予想外にグリーン車が満席だった時には、「グリーン車やめた」と変更するのも手間がかかりません。

グリーンアテンダントの立場だと、今まで紙のグリーン券を買ってくれてハンコを押すだけで済んだ客が、車内で払って手間がかかるわけです。

更に疑問なのは、「紙のグリーン券」「車内で購入」だと、1010円と半端な金額です。

今でも改札内では紙のグリーン券買えない!とキレる老人をたまに見ますが、そういう人は今後、1万円札出して8990円の釣銭をもらう可能性大です。大規模な料金体系の変更をするのですから、1010円でなくて1000円にしたほうがグリーンアテンダントの負担も減るのでは?(260円増しにこだわる必要ないでしょ)

↑紙のグリーン券。

熱海~沼津間はJR東海のため、紙のグリーン券を利用するよう呼びかけていましたが、3月からは複雑になりました。

更に分かりにくくなります。

 

 

■30円の値下げって?

最も利用する人が多い「平日」「50km以内」「Suica利用」だと、780円から750円に値下げされます。

休日料金の廃止など、乗客に不利な値上げが含まれるので、一部値下げを入れて反発を減らすという狙いがあるのかもしれません。

紙のグリーン券だと230円増しになりますから、30円の7.66倍です。

7.66人のSuica利用者に対し、1人の紙グリーン券利用者がいたとすると、JR東日本の収支は変わらないことになります。

細かい数値は不明ですが、それなりに計算していると推測します。

 

 

■グリーン定期は変わらず

グリーン車を毎日のように使う人のために、グリーン定期券も販売しています。

Suicaで事前購入で少し安くなるのかな?と思いましたが、料金は変わりません。

(↑写真は上野東京ライン開業前のグリーン定期)

私はグリーン定期を活用して、車内販売を数多く利用しています。

 

 

 

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