目指せ!みんなで自己ベスト!
先日、Twitterで、こんなリクエストをいただきました。
「ある程度スイミングスクールで泳げる児童(8人)を、
4日間、1回1時間の練習で、大会で自己ベストが出やすい指導法が知りたい!」
なるほど! 面白い!
しかも、これを言語化することは、僕にとっても、練習していく上でプラスになる。
ビジュアライズ。
可視化。
見える化。
最近の僕の中でのキーワード。
というわけで、僕の考えを書いてみようと思います。
ゴールは、「8人全員が大会で自己ベストを出すこと」
与えられた条件は、1回1時間、4日間の練習期間。対象は8人。
こうやって、目標から逆算することで、その道のりがより明確になります。
8人全員が大会で自己ベストを出すためには、どんな状態で当日を迎えたらいいか?
4日間ですから、急に体がでかくなったり、パワーアップしたりするのは難しい。
技術が急激に向上することも、難しい。
だったら…
1 心と体のコンディションを整え、今ある力が100パーセント発揮できる状態にすること。
2 技術面での伸びをできる限り大きくすること。
昔からよく言われる、心・技・体というやつですね。
ここでは、それぞれについて、どう高めていくかを書いていこうと思います。
心
一番大切にしたい考え方は、ベストが出る前提で全てを考えるということ。
「自己ベストが出たらいいな」ではなく、「自己ベストは出る」
「出たらいいな」は、出ないことが前提になっている。
だから、出ることが特別なことになってしまう。
そうではなくて、自己ベストが出ることは当たり前のこと。
その前提で、練習に取り組みます。
出る前提で取り組むから、モチベーションも上がるのです。
得たい結果が出ることを前提に、プロセスを考えることが大事。
今回はチームでの指導。
だから、チームでの目標を持てると、より力が引き出せます。
「誰かのために!」というときに、自分の思ってもない力が発揮できたりするものです。
チーム目標を作るには、まず、個人の目標を共有することから。
それぞれの達成したい目標を宣言し、共有します。
目標を設定するときには
1 実現可能(日本記録を出す!とかは現実、無理)
2 測定可能(目標達成が目に見える)
3 心から望んでいる(ワクワクする、楽しみになる)
ということをチェックしてみます。
その目標を共有し、チームの目標を立てます。
例えば、「8人合わせて自己ベスト○秒更新!」
仲間のベストタイムを自分のことのように喜べるチームは強いです。
今回は短期間ですが、自分のためだけでなく、誰かのために頑張ることで、100%以上の力を発揮できるはずです。
技
技術面の伸びということで、速く泳ぐための条件を確認。
1 抵抗を減らすこと
2 推進力を高めること
3 いい動きを維持すること
つまり、練習メニューは、この3つのうちのどれかを意図したものにならなければいけません。
※具体的なメニューは次回
4日間でできる技術の向上は限られています。
今回は、身体意識を変えることで、結果的に動きが変わり、技術が向上する、というプロセスをとります。
なぜこのアプローチをするかというと、新しい技術を4日間でものにする労力に対して、得られる効果が少ないと判断したから。
少ない時間でより高い効果を求めるならば、このプロセスだと思います。
ほんとに、一瞬で変わるので。
まずは、自分の体の意識を変えること。
1 抵抗を減らすこと→姿勢の改善
けのび姿勢の改善。
体をまっすぐにする、ということはみんな意識していると思いますが、もう一段階。
体をより細く、長くすることを考えましょう。
そのためには、体の中心(へその下)から指先に向かって体を伸ばすイメージ。
特に、足の方向への意識が弱い人が多いので、体の中心(へその下)から上下に体を伸ばす、というイメージを持ってください。
この意識を持つか持たないかで、けのびの距離が2〜3mは変わってきます。
2 推進力を高める
推進力は3つの要素があります。
1 壁を蹴って進む。
2 腕で水をかいて進む。
3 足で水を押して進む。
1は、姿勢の改善で。
2は、腕のつけ根の意識を変えましょう。
腕はどこから生えているのか?
肩から先を腕と捉えがちですが、肩甲骨と肩甲骨の間から腕が生えているイメージを持ってください。
腕を動かす筋肉はそこから始まっています。
これだけで、腕のかきに動員できる筋肉の総量が増え、推進力が高まります。
3も、足のつけ根の意識を変えましょう。
足はどこから生えているのでしょうか?
これも、股関節からというふうに考えがちですが、そうではなくて、みぞおちのあたりから生えているイメージを持ちましょう。
足を動かす筋肉の始まりは、みぞおちあたりにあります。
詳しい筋肉の名前や解説は省きますが、詳しく知りたければ、関連書籍にあたってみてください。
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上記の3冊は、繰り返し見ることで、自分の体についての理解がより深まります。
特に新しいことを覚える必要はなくて、体の意識を変えるだけ。
でも、これだけで確実に伸びます。
体の中心を意識すればするほど、動員できる筋肉が多くなり、発揮できる力が大きくなります。
3 いい動きを維持する
というアプローチは、4日間という期間の性質上難しいので今回はパスします。
体
ここについては、家庭の協力も必要になってきます。
まずは食事。
難しいことは言いません。
バランスよく、なんでも、たくさん食べましょう。
前日夜の食事は、消化の良いものがいいと思います。
睡眠について。
早寝早起きをすることがまず第一。
起きる時間は、当日のレースの時間を考えて。
遅くても3時間前には起きておきたいところです。
僕は5時間前には起きています。
タイムスケジュールも、レース当日を意識しているといいですね。
食事の時間など、シミュレーションしておくとグッド。
ストレッチ。
毎晩、自分の体を意識しながら、ゆっくりやりましょう。
技のところでお話しした、身体意識については、プールじゃなくてもできること。
歩くときも、遊ぶときも、いつでも意識しておくと、より身につくのが早くなります。
以上、心・技・体について述べました。
具体的な1時間の練習メニューや流れの前に、まずここの考え方を押さえておいてほしい。
考え方が根底にあって、それに応じて具体がある。手段がある。
次回は、具体的な練習メニューを書きますので、それまでに、今回の記事をよく読んでおいてくださいね。
それでは。
Good Luck!!
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