彼が焦りを感じている。
今度は柚菜が素っ気ないと言い出した。
前の柚菜がいいんだって。

わがまま・自分勝手といわれ、改めたらそんな柚菜は楽しくないという。
どっちが柚菜を振り回してるんだってっつの。

柚菜がしたことは、

『自分から必要以上の連絡はしない』

ってこと。
用件はメールのみ。
必要以上の連絡はしないっていっているけど、それは電話してしまった時の言い逃れなだけであって、いまんとこ自分からは連絡していません。
こうと決めたらその姿勢はなかなか崩しません。
実際は寂しいことですけど、慣れました。
こうすることによって、もらった電話を大切に出来るし、彼の都合でかけてくるわけだから、もしその時柚菜の都合が悪ければ出なければいいわけだし、それなら彼にも文句は言われない。
かの愚答が悪い時に電話をして、切られたからって期限悪くならなくて済むし、彼が寝てるところをわざわざ起こして文句を言われることもない。


彼が髪を切りたいといった。
柚菜は彼に髪を伸ばして欲しいと思ってた。
だけどもうそんなのはどうだっていい。
切りたければ切ればいいし、柚菜の希望は既に伝えてあるんだし、それでも切りたいと思うんだったら自由にすればいい。

彼がパソコン欲しいといった。
柚菜は一緒に住めば柚菜のパソコン上げられるんだから、今はその分のお金を貯金しようといった。
だけどもうそんなのはどうだっていい。
欲しければ、柚菜の意見は既に伝えてあるんだし、それでも欲しいと思うんだったら自由にすればいい。


電話に対してだけでなく、全てに対して、理解のあるような発言、裏を返せば、意見も何も無くなんでもいいよという柚菜。

彼にはそれがまた面白くないらしい。張り合いがないと言われた。

柚菜も両極端なのかもしれないけれど、彼もいちいち柚菜に振り回されていて、それでいて振り回す。

とりあえず、柚菜的には今はとっても楽なので、しばらくはそんなスタンスでいく。
何か言う前にぐっと何かを飲み込む。
それから何かを言う。
それだけでも随分我慢が出来る。
自分を押さえ込むのには慣れているんだ。


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