一瞬、私を抱きしめている彼の腕の力が緩んだ。
それはそうだ・・・
彼が憧れた女は偽物だったんだから。
『今も・・・その人の事が、、、好きなんだと思う。。』
彼は・・・
私の告白を聞いても、、、離してはくれなかった。
怯んだ腕の力も、もう元通り強くなっていた。
「・・・その話、聞かせて欲しい。」
そう、悲しげだけど、しっかりした口調で言った。
私は、光の事。
遥介の事。
光が亡くなり、遥介がずっと傍にいてくれた事。
私から遥介の元を去った事。
そして、暁の事。
遥介に似ている彼に惹かれている。
そして・・・浮気した事。
それらを彼に話した。
全部聞き終えるまで、彼は抱きしめていてくれた。
そして、話終えた私の身体を離し、2人ソファーに座った。
「・・・何で会いに行かない?」
・・・何で?
って。。。
今更会いに行っても・・・迷惑なだけ。
私は過去に出来ていないけど、遥介にとって私は・・・過去だから。
もし会いに行って、、、あの時みたく笑えていなかったら、怖い。
私を見ていない彼を見るのは辛い。。。
・・・怖くて辛くて苦しいから、逢いになんて行けない。
それが私の答え。
「・・・だったら、カオルコも過去にするしかない。ソイツの事を。」
そうだね・・・
でも、出来ないんだもん!!
どうしても、出来なくて・・・
こんな惨めな自分なんて嫌だけど・・・
どうにも出来ずにいるんだよ。
「・・・俺が傍にいる。だから、少しずつ、、、想い出に変えて行けばいいじゃん。」
・・・あぁ、彼はいつも通り優しく微笑んだ。
・・・なんでそんなに私の事を・・・想ってくれるの?
他の男を見てるんだよ?
・・・それでも、一緒にいてくれるのは・・・何で?
「・・・バカか、オマエは。カオルコの事が大好きだからに決まってる。」
・・・何を言ってるのこの人。。。
浮気までした最低女だよ?私。
そう、暁だって・・・
「その会社のヤツ。オマエはそいつの事、元彼と重ねて見てるだけだろう?ソイツ自身に惹かれてる訳じゃない。ソイツを通して元彼を見てんだろ?」
・・・多分。。
そう。
だって、、、遥介に似すぎてるから。
「遥介、ってヤツに似てても、遥介じゃない。」
・・・うん。似てるだけ。。
「なら、問題ねーな!」
!?
「今日から、俺と一緒に住めよ?ずっと一緒にいるから。」
驚きすぎて何も言えなかった・・・