あまり雪は降らないのに
呪いたくなるような大雪

そんな日に我々は出発しました





私が何年も何年も
どうしても行きたかった場所


近いせいかなかなか実現せず
乗り換えで香港国際空港に降り立った時も
「やっぱちゃんと入国したい」と
と思いつつ、シンガも好きで煮えきらず
先延ばしで・・・
そうこうするうち
娘に香港人の友達がたくさんできて
香港の話がよくでるようになり
「よっしゃ~行くぞ!」と本気になり
どうせ行くならと
(この先あと何回行けるかわからないから笑)
両親も誘い
決めた旅でございました

本来なら朝8時に
横浜駅で両親と合流のはずが
未明からの大雪のため
朝の5時から実家と電話で連絡取り合い
(母は年末よりかなりからだの調子が悪く)
もうその時点で母は行く気10㌫程で
「はあ?CX は定刻通りってメール来てるし多少無理ししてでも飛ぶだろうから行こう!」とすぐ出るよう促し
私達親子も6時には雪混じりの雨のなか
家を出ました

この旅行の為に
銀座でお洒落な帽子を買いましたが笑
そんなの被るどころか
靴もスニーカーにかえ
ニット帽をかばんに入れ
かなり積もった雪の中を
傘もさせずにびっしゃびしゃになって
真っ暗なバス停で何台もバスを見送って
不安100㌫で横浜駅へ向かいました

ちょうど両親もついた所だったようで
さっきまで行く気10㌫の母が
私達を見つけるなり
嬉しそうに駆け寄ってきてくれたのが
ものすごく嬉しかった

京急線がまた酷い
ホームには人が溢れかえり
遅れながらも電車到着するが
10人も乗れてません
しかも羽田行きは動いてない様子
身動きできないホームでやっとの事で
父が駅員さんに聞いたら
「京急蒲田で聞いて欲しい」と
言われ、何本目かに無理くり
乗り込み、いつもの倍以上の時間をかけて
京急蒲田へつきました

もうぎゅうぎゅうぎゅう―の車内で
すでに母は疲労困憊し
口数もなくただただ寒さに耐えてるだけ
の様子でした
母も心配でしたがもっと大きな問題

「間に合うのか?」
「蒲田から羽田はどうするんだ?」
「飛行機飛ぶのか?」
みな不安を口にし
幹事の私に気持ちをぶつけます
ひとこと言いたかった・・
「ワタシダッテ知ラネーヨ」

私もこの3人を無事に香港へ
連れて行かねばならない
重責と想像以上に悪い母の様子と
寒さと不安で何度も何度も
やめようか、進もうか
自問自答の繰り返し
CX からは無情にも
「定刻通り」のメールが届く
そうだ
オンラインチェックインしようか!
でも間に合わなかったら?
くそっ、手がかじかむ
そしてスマホもつながらない・・

駅のホームにはたくさんの同じような
トランクを引いたビジネスマンや
旅客がいます
不思議と急いでなさそうなんですよ
その人たちの動向をも観察しつつ
我々も正しい情報を得なければなりません
父がかけずりまわって
駅員さんから情報を得てきました
「羽田行きは動く見込みないからバスで空港行けと!」

な、なぬ?
バスこそ無事に空港へ行けるのかぁ?

首都圏は雪にとことん弱く
スリップした車を捨ててく人も多く
大渋滞が目に浮かびます
でももう術がないのですそれしか

またびっしゃびしゃの雨のなか
トランク引いて傘もさせずに
駅の向こうのバス停に急ぐ
空港へ行く人全員が
この手段で行くしかない
タクシーなんかあてになるもんか
何人抜かせるかがカギだ

もうこの時点で8時はとっくに過ぎてたな

一先ず母を雨の当たらない所へ
母が心配だから娘をそばに付ける

父と私で並ぶ
ざっと30人は並んでる
ここでも案の定何台もバスをやり過ごす
タクシーも来ない

さあやっと乗れそうだ!
と心踊ったのも束の間
一人前で乗れず・・
その一人前のお姉さまが
父に手用のポケットカイロを
一つ分けてくださった
非常事態には連帯意識が働くのだろうか

父に笑顔が戻った
しばらくして空港行きのバスが来た
母よやっと乗せてあげられる!
乗れたけど、
間に合うのか・・・
もう、ここまで頑張ったから
誰も文句は言うまい
やれやれ

トロトロ進みながら
大渋滞も思った程ではなく
空港にたどり着けた

カウンターに旅客はいなかった
今、9時5分!
ま、まさか?
「大丈夫ですよ!大変でしたね」
「何時で締め切りですか?」
「9時20分で締め切る予定でした」
セ、セーフっ
ってこの大雪で通常通りの締め切り時間?
なんか解せないなぁ・・

母用に車椅子を借りる

クタクタになりながら
「香港はなんか鬼門だね・・」と
(前にもCX に乗れるか乗れないかの
ギリギリ事件があった)
みんな髪から滴をしたたらせ
ゲートへ向かいました

長くなってすいませんでした