姫が生まれるまで10 | ☆Sweet Smile☆

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先天性心疾患でフォンタン術後の娘と家族の日記

いよいよ、正期産にはいりそうな辺りに、私の管理入院が始まった。


入院するとき…たくさん回った病院で、胎児死亡もありうる、だから37週に入ったら帝王切開ですぐ出産!


…なんて言われていたから、1週間後くらいに出産かな~?

なんて考えていました…。


とても晴れていて、空がとっても青かった。高速道路を走る車にのって、その空を眺めて…私たち、どうなっちゃうのかなぁなんて考えながら、病院に向かった。


案内されたのは四人部屋。兄を出産したときの病院とは比べ物にならないくらい広くて綺麗。なんかこれなら快適そう!


入院して、渡された『入院計画書』には、出産予定日が三週間後となっていた。


産後にも1週間弱入院することを考えると1ヶ月近い入院(*_*;


兄との離ればなれ生活を思うと悲しかった。

そして、そこに書かれていた病名

『胎児エプスタイン奇形』


…この管理入院中や、産まれてきてからも姫の病名は

『三尖弁異形成』



『エプスタイン奇形』
を行ったりきたりしていた。


病気の内容?っていうか治療方法は大きく変わらないんだけど、なんとなく『奇形』という響きがなんか嫌~(ToT)と思っていた。

でも結局、現在ではエプスタインで病名が統一されている。



最初の1週間、家に帰りたくて仕方なかった。

兄に会いたい。

旦那さまにも会いたい。

病棟には子どもが入れないので、兄はもちろん、自宅が遠いから旦那さまにもほとんど会えなかった。


赤ちゃんにはすんごい病気があるものの、私自身は何のトラブルもない優良妊婦。

点滴もないし、運動制限もない。

検査と言えば1日おきのNSTと、週イチの妊婦検診、夜の心音チェックくらい。


要は三食昼寝とおやつつきのグウタラ生活だった(笑)

暇で、溶けそうだったもん。

…しかし、運が良かったことにすぐに同室の人たちと仲良くなった。

入院が長い人もいたし、出産を終えて入れ替わった人もいた、歳も職業も、ここまで歩んできた道も全然違った…

でも、いま入院して、何かと闘っているということは同じ。


何より心強かった。


朝起きたらカーテンを開け、眠るまでみんなでテレビを見て、話をして、励まし合って…

ベタだけど、家事も育児もしないで、ゆっくりと、自分だけの時間。神様がくれたお休みだったのかもしれないな…と今なら思える。


同室の戦友たちと励まし合いながら、ついに、予定出産の日がやってきた。