だけど彼には羽があって | 統合失調症の海をゆく

だけど彼には羽があって

散歩していたら、道端に二羽のハトがいて。

一羽のハトは普通に立っていたのですが、

もう一羽のハトには、一本しか足がなくて。

ブルブル細かく震えながら、どうにか立ってて。

野生のハトですよ。

ただ立ってるだけで精一杯だろうし、

餌だって上手く食べられないだろうし、

敵が来たらどう逃げるんでしょう。

いらんことをグルグル考えながら私が近づいていくと、

二羽のハトは、

ふわっ

と、飛んだのでした。

小さくなっていくその姿を見て、

(ああ、きっと大丈夫なんだ。)

と、嬉しくなったことでした。