ひとまず3つ
1. 5番に入らなきゃ意味が無い
2. ストレッチするべき筋肉
3. ドゥミを通るとは?
1. 5番に入らなきゃ意味が無い
身体の柔軟性の高さがダンサーを助けることは ご存知だと思いますが、みなさんは毎日どのようなストレッチをしていますか?
180°開脚?スプリット?スプリットの時には両足を台の上に載せる?
ほとんどの人は股関節の柔軟性に関連するストレッチを主に行っていると思います。おそらくターンアウトのために。
では、それらのストレッチをすることで常に5番(ポジション)に入れやすい身体を維持できていますか?
その日の身体の調子によって、5番に入れにくい日はありませんか?
どんなに柔軟性が高くても、クラシックバレエダンサーは5番に入りやすい身体を維持していなければ意味が無いのです。
2. ストレッチするべき筋肉
① ハムストリングス
② 大腿四頭筋や縫工筋
③ 臀部
④ 主に腸腰筋や腰方形筋
①~③はとっても重要で欠かせませんが、④のための下準備のようなものです。腰部の柔軟性の確保は股関節の可動域拡大に大きな影響を与えます。
それはつまり膝や足首を無理に捻らずとも5番に入りやすくなることを意味します。
そして、腰を固める、または それを誘発する身体の使い方が良くない理由を ご理解いただけると思います。
3. ドゥミを通るとは?
例えば、1番ポジションでルルヴェをしていくと、踵が後ろを向いて6番に近づいていってしまう人、多くありませんか?
1/4、ハーフ、3/4 を、どんなに丁寧にアップダウンしても、ターンアウトを維持できずに空中での踵がポジションをキープできなければ、ドゥミを通っているとは言えません。
動きの中で 踵のポジションを守るために、深層外旋六筋を単独で目一杯収縮させようとしても、なかなか上手く行かないでしょう。
なぜなら、重力がある以上は、中臀筋は股関節を支えるために、大臀筋は脚を動かしたり移動するために、それぞれ働かざるを得ないからです。
仮に踵のポジションが維持できても重心が後ろ(小指側)へと移動するとしたら大臀筋や中臀部筋の働きが強過ぎるのです。
重心が後ろへと移動するということはフルポアントやドゥミポアントのバランスが悪くなり、その修正のため足首は脛の筋肉とふくらはぎの筋肉を多用してしまうので、トゥに乗り切れなかったりルルヴェが低くなってしまうのです。
一方で、ドローイン(腹横筋と内腹斜筋の収縮)によってお腹を引き上げ、太股の内転筋群をキッカケ(引き金)に股関節をターンアウトさせようとすると、簡単に深層外旋六筋が働き、そのうえ踵のポジションは守られ、重心も後ろへと移動することがありません。
※ 万が一重心が後ろへと移動するとしたら、あなたは背中や腰を必要以上に固めて、お尻を必要以上に締めてしまうクセが抜けていないだけです。
正しくドゥミを通るにはターンアウトが欠かせませんし、正しいターンアウトには引き上げが欠かせません。
そして、正しく引き上げなければ、正しいターンアウトには繋がらないのです。