FO:NG(2-14) | 老眼鏡とスイーツと片手でジャンプを

老眼鏡とスイーツと片手でジャンプを

右半身マヒの私の日常です

AM9:00

太陽光を集めたリフレクターがまぶしく光る






 

 

 

「まるで希望の光ね」

ベロニカが呟いた

「これから、どうするんだ?」

「NCRに敗れてからB.O.S.は変わってしまったわ
もともと閉鎖的だったのが更に外との接触を
拒むようになってしまったの…でも、それじゃ駄目
B.O.S.の進むべき道を世界をまわりながら捜してみるわ」

「そうか」

「だって私一人の力は小さいかも知れないけど
小さい支点だって地球を動かせるんでしょ?」

ベロニカの悪戯な笑みに俺は苦笑した

「当然ドレスを捜すついでだけどね」

(良かった…彼女が破滅の女神にならなくて}

ファンタスティックたちの所に戻り

事の顛末を話しアルキメデスの脅威が去った事を告げた

「上出来、上出来」

「でも大丈夫なのか?
電力はベガスだけでなくモハビ全域に送るようにして?」

「ベガスに電力が流れさえすれば問題ないよ」

イグナシオの言葉をファンタスティックが続けた

「そうそう。そんな些細な事に気づくNCRじゃない」

二人の言った通りヘリオス1を去る際に

ハガーティ少佐から厚い謝辞を告げられた

「よくやってくれたわ
先ほど上層部からMr.ハウスから賞賛の声が寄せられたと通達があったの」

「それは良かった」

「で、ジュリーから事がうまくいったら
これをあなたに渡すように頼まれていたの」

といって彼女が差し出したのは

リージョン新兵の装備一式だった

それを見た途端

俺の心に邪な野望が蘇ってくるのを感じた

なるほど

これで変装してフォートに忍び込めって事か

無謀だか試してみる価値はあるかも知れない…

俺とベロニカはヘリオス1を後にして

南北に走る大きなハイウェイに出た

ここからベガスに戻るベロニカは北に

フォートに向かう俺は南に向かう事になる

「お別れだな」

「そうね」

俺はベロニカに背を向けて歩き出した

吹きすさぶモハビの風が今日は一段と心を乾かし

珍しく感傷的になってる自分を気づかせた。

歩きはじめてしばらくすると

ベロニカが背中から声をかけてきた


「また必ず出会うわ
そうしたら、また一緒にひと騒ぎしましょ!」

俺は振り向かずに手を振ったが

いつまでも感傷に浸っているわけには行かない

なぜなら

俺の邪な野望はこれからなのだ…

(完)

***

これを書いてた頃に

同社の「スカイリム」が発売されて

さらに洗練されたオープンワールドの世界の虜になり

このゲームに興味が薄れた上に

最後のアップデートで

変な浮遊感が発生したせいで3D酔いがひどくなったので

まったくやらなくなってしまいました(;´Д`)