最近、心理学本を読んでいると「レジリエンス」という言葉をよく目にする。物理学では「ストレスを跳ね返す力」、心理学では「回復力」「復元力」という意味で用いられるという。そこで、ネットで調べてみることにした。

 

   レジリエンス研究の第一人者であるペンシルベニア大学ポジティブ心理学センターのカレン・ライビッチ博士は、レジリエンスとは「逆境

   から 素早く立ち直り、成長する能力」と定義している。日本では、打たれ強いこと、折れない心、心のしなやかさ、といった表現が使わ

   れる。このレジリエンス能力を構成する要素にライヒッチ博士は、1.自己認識 2.自制心 3.精神的敏速性 4.楽観性 5.自己効力

   感 6.つながり 7.生物学的要素(遺伝) 8.ポジティブな社会制度(家族・コミュニティー・組織など)の8つを挙げている。

 

   アメリカのシンクタンクであるランド研究所によると、レジリエンスの定義で最も広く使われている定義では「逆境に対する反応としての精

   神的回復力や自然治癒力」「ストレスや逆境にさらされても適応し、自分の目標を達成するために再起する力」と表現されている。

   レジリエンスを高める6つのコンピテンシーには「自己の気付き」 「自己のコントロール」 「現実的楽観性」 「精神的柔軟性」 「キャラク

   ター・ストレングス」 「関係性の力」がある。 レジリエンスを高めるための第一歩として、自身の思考や感情、行動や生理反応に意識を

   向けることから始めてみる。

 

   高いレジリエンスを持つ人は、自分でストレスに対処し、かつ自身の成長につなげることができる。仕事や人間関係などあらゆるストレ

   スにさらされても、ピンチをチャンスに変える上手な対応ができる。特徴は、①ポジティブに物事を捉える。 ②広い視野を持ち一喜一憂

   しない。 ③自分も他人も信頼している。 ④事実をきちんと受け止め振り返る。

   レジリエンスは先天的なものではなく、トレーニングによって高めることができる。①自分の思考パターンを変える。 ②周囲のサポートを

   得る。 ③過去を分析して糧にする。 ④心身の健康に気を遣う。

   レジリエンスを高めることで物事に向き合い、仕事も人間関係もうまくいくようになる。

 

 三つのサイトのポイントを自分なりに記してみた。一つ目と二つ目は、一つ目の7・8を除いては共通していると思った。「自己認識」と「自己の気付き」 「自制心」と「自己のコントロール」 「精神的敏速性」と「精神的柔軟性」 「楽観性」と「現実的楽観性」 「自己効力感」と「キャラクター・ストレングス」 「つながり」と「関係性の力」。 「キャラクター・ストレングス」は、自分の能力を最大限に発揮し、困難に打ち勝ち、自分の価値観にあった人生を想像する能力。 「関係性の力」は、強い信頼関係を築き、維持する能力。

 逆境に遭遇したとき、個人の心理に関わるものの1~6の要素をうまく組み合わせて、柔軟に対処し、素早く立ち直ることが、レジリエンスの基本と記されている。

 

 3つ目のサイトは、高いレジリエンスを持つ人の特徴と、レジリエンスを鍛える方法が記されている。特徴の「ポジティブに物事を捉える」については、最近、私はよく「自分が楽になる思考の選択ができるようになった」という言葉を使っているが、どう考えたら自分は楽になるのかを基準にした考え方を、自然にできるようになっている。他人の思い方は、その人の責任において自由であるし、私がどう思われるかは然程、怖くなくなった。

 「広い視野を持ち一喜一憂しない」は、物事を俯瞰するという意味でもあると思うが、現実に起きた物事を狭い視野ではなく、多角的に考えて、物事の本質を落ち着いた眼で見られるようになりたいと思っている。

 「自分も他人も信頼している」。自分も他人もかけがえのない一人の人間として、大事な存在である。一人ひとりに、その人なりの事情があって今がある。その人の言葉に耳を傾けて、事情を理解しようと努力することが人間関係に大切なことではないだろうか。自分のネガティブな感情も、他人のネガティブな感情も認めて受け入れる。お互い様感覚の中で助け合って補い合っていけたら、信頼も生まれてくるのではないだろうか。

 「事実をきちんと受け止め振り返る」。これまでの人生で困難に打ち当たったことは数知れないが、どうにか乗り越えてきた。小さな小さな、子供の頃もそうだった。考えてみると、私の生命力の強さに、今更ながらに感心している。乗り越えてきた過程の成功体験、失敗体験は、今後の生き方の糧になる。決して無駄な出来事は無かったと思えることは「自己効力感」になるのだろうか。これからも、今までの出来事を振り返り、、事実をきちんと受け止め、問題に対処できる自分でありたい。

 レジリエンスを高めるトレーニングとして、自分の思考や感情に注意を払ったり、助け合いの人間関係を築いていけるような行動に努めたり、問題が起きた時には、その経験を活かせるようにしたい。生活習慣を見直すことは、忘れてはならない。

 

 9月8日未明の台風で、満開だった庭の百日紅の花と葉っぱが、ほとんど持っていかれた。枝だけが悲しげに残っていた。あれからもうすぐ二週間になるが、何と小さな葉っぱが枝の所々に生えてきた。元に戻ろうと頑張っているように見える。植物にもレジリエンスがあるのだなと思った。千葉の台風被害を思うと心が痛むが、一日も早く安心できる生活に戻れるように、願っている。