下記の前回不動産についての話では、「エルウッド法」について、

説明しました。


エルウッド法は、もともとDCF法を簡便に直接還元法で計算するために

考案された方式なのですが、現在は、PCでDCF算出表を作成するのは

個人レベルでも難しいことでありませんのでエルウッド式の重要性

というものは、不動産の評価額を求めるという点では

相当に薄れています。

(尚、評価の精緻さを左右するのは、妥当な将来の収益予測と

適切な利回りの査定です。DCF法を使用すれば、

直接還元法より精緻で、かつ、適切な投資価値の評価が

自動的にできるものではありません)


では、前回、エルウッド式の説明をした理由なのですが、

このエルウッド式の構造を理解しておくと、

還元利回りや割引率の査定

(特に、借入金・自己資本方式による利回りの査定)

において、理解がスムーズになると思います。


(前回の説明)

不動産元本の変動なしとすると、
RM RM+(1-MYEMP×償還基金率』となる。

R=還元利回り

M=借入比率

RM=毎期の元利均等返済率

YE=自己資本期待利回り

P=借入金回収率(当初元本に対する保有期間満了時

        の返済した割合)


(今回の説明)

不動産の利回りを求める方式の一つである、
借入金・自己資本方式には、


純BOI法:借入金の利回りに利子率を採用する方式

BOI法:借入金の利回りに年賦償還率を採用する方式


があります。


利回りを求める場合において、

式の中に借入金の元本の回収部分が

組み込まれている場合、結果として求める利回りは、

純BOI法になります。


(例その1)

DCF法の割引率の場合・・・

不動産の評価式自体に回収部分が組み込まれているので、

割引率は純BOI法で求める。



(例その2)

借入金が元利均等返済による場合の

還元利回りの査定・・・


「RM RM+(1-MYEMP×償還基金率」を適用する。


この場合、RM には年賦償還率(元本回収部分を

含んだ利回り)を採用しますが、

MP×償還基金率」が元本回収部分に相当しますので、

結果として求められる還元利回りは、

純BOIで求めた利回りと近似します。


(例その3)

借入金が元利一括返済による場合の

還元利回りの査定・・・


元本は期日一括回収の条件ですので、

利回りはBOI法で求めます。

MP×償還基金率=0になるため)




※参考「不動産投資分析のためのDCF法による収益価格の求め方(高瀬博司)」