USB電圧+電流チェッカー(CHARGER Doctor)を修理する | 風変わりなPC物語 -スズメさんち-

USB電圧+電流チェッカー(CHARGER Doctor)を修理する

今回の記事は、正直なところ
作業空白を埋める駄文的な感じですので、
興味のある方にお読みいただければ幸いです。

…って、毎回そうですな(爆)



○電圧計と電流計
一応せっかくですので、ちょっとばかり前置きを。

世の中の多くの電圧計と電流計は、実は大半が電圧計です。


電圧計は文字通り、2点間の電圧がどのくらいあるのかを示すもの。
電流はある1点の通過する電流を示すもの、なのですが、
電流を定量的な値にして捉えるのは、結構難しいのです。


結局は簡単に測定できるようにするため、
ある「抵抗」に測定したい電流を通し、その両端に出てくる電圧を
電流として読む、という方法を用いることが多いです。
世も中のテスターの多くが採用しています。

もう、まさにオームの法則。  V=RI → I=V/R


この「抵抗」は一般的に「シャント抵抗」「電流検出抵抗」などと呼ばれ、
 ・精度が高い(誤差1%以下が多い、測定器などになると0.2%など)
 ・抵抗値そのものは低め
 ・放熱しやすい構造のものが多い
という特徴を持ちます。

たとえば、10mΩというシャント抵抗があったとします。
ここに1Aを流した場合、両端の電圧は1A×10mΩ=10mVとなります。
電圧が10mVと表示されれば、1A流れていると解釈できます。

この10mVを読む電圧計と、シャント抵抗を内蔵したものが電流計、といえます。

※もちろん違うタイプもあります。



ただ、1つのシャント抵抗で測定できる範囲は

ロスや微小誤差の都合上限られています。

複数レンジのある電流計は、内部に複数のシャント抵抗を持っていて、
切り替えて使用しています。


なお、電流計はシャント抵抗の抵抗値が低いこともあり、

間違えて電圧計と同じように電位差のあるところにつないでしまうと、

内部に短絡電流が流れて壊れてしまいますので要注意。

そのため多くはヒューズを入れるといった保護を講じます。



○上海問屋「DN-10140」
今となっては種類も機能も多種多様なものを備えるUSBの電圧/電流チェッカー。
価格も電流を測れて千円を切るような安価なものが多く、
もはや1ジャンルとして確立した、といっても過言ではないかもしれません。
(安価なテスター「DT-830B」は2台買っても800円で
 しかも電圧も電流もワイドレンジで測定できますが、
 さすがにUSBの足回りを見るだけの用途に特定すると大きすぎる…)

これらが台頭しだした初期からある製品、
これが「DN-10140」(一般名「CHARGER Doctor」) です。




いきなり分解画像で恐縮です(苦笑)

こちらの人気が亜種の増殖につながった、と見ても間違いではないと思います。

価格も概ね700~800円前後とリーズナブル。


HT46R064Bという12ビットA/Dコンバータ付きCPUを搭載しています。

測定範囲は3.5~7V、0~3A。
一般的なUSBに特化して考えるなら必要充分な範囲を網羅しています。
※~3Aとは記載されておりますが、
 これはあくまでも(そこそこの確度で)計測できる範囲を示したものであって、
 おそらくコネクタが連続3Aは厳しいと考えます。
 連続使用を見据えるなら2Aどまりに考えておくべきでしょう。

 忘れてはいけません。同じ抵抗分なら電流は1.5倍で発熱は2.25倍です。


もちろん、前置きに記載した「シャント抵抗」として使う抵抗も
この本体の中に搭載されています。



○修理する
実は登場当初に当方も1個、購入していたのですが、
これ、電圧表示が目標よりも明らかに低かったんです。
例によって購入からある程度日が経ってから使用したこともあって
結局使わずに放置する、というもったいないことをしておりました。

表示される電圧はおおよそ2.7V前後。
もちろん複数のUSBポートに差し込んでも値は同様。


値が決まって想定よりも低い場合は
分圧抵抗や基準電圧に関係する部品が

おかしくなっている可能性が高いはず。


というわけで、先日の2Aを流すハブの実験のあと、
このCHARGER Doctorの修理を試みました。



手付け部分の半田付けが汚いとか、フラックスと思しき汚れが多いのはさておいて。

やはりといいますか、IC431(シャントレギュレータという電圧基準IC、写真右上)の
実装位置が微妙にずれており、1つの足の半田が微妙にずれているような感じ。
半田もりもりをしてみたところ、値が正しくなりました。


えぇ、今日の内容はこれでおしまい(爆)



○内蔵しているシャント抵抗はどんなもの?
さすがに内容が薄すぎるので、
CHARGER Doctorに搭載されているシャント抵抗をご紹介。


上記写真の「R050」と書かれた抵抗こそが、

CHARGER Doctorのシャント抵抗です。

「2512チップ抵抗」(mmで「6332サイズ」)と呼ばれる大きさの
50mΩのチップ抵抗を使っています。


通常、2512チップ抵抗は1Wが定格です。

定格の3Aを流した場合、消費電力は0.45Wですから使用率は45%。
表面温度上昇はおおよそ+40℃程度になると思われます。
やはり、3Aが事実上の限界と考えてよいでしょう。


なお、いま0.45Wなんて書きましたが、当然
 ・シャント抵抗で消費する分(電流の二乗に比例、3Aで0.45W)
 ・CHARGER Doctor自身の消費電力(LED+IC他、電流に限らずほぼ一定)
が同時に必要になりますから、
特にモバイルバッテリーで使う際には目減りなどに要注意です。


そして、シャント抵抗による電圧降下は50mΩ×3A=0.15V。

言わずもがなコネクタの接触抵抗も1箇所増加してしまいますし、
それだけ供給端の電圧も下がりやすくなる点には注意が必要です。


本当はCHARGER Doctor自身の消費電力を測定したかったところですが、
当方の手持ちアイテムではうまく測定できそうなので未確認ですm(_ _)m



○注意

毎度ですが、念のため。

修理/改造は自己責任でお願いいたします。


途中記載いたしましたが、CHARGER Doctorには測定範囲で~3Aと記載されているものの

測定できる実力値がそうだからといって3Aの連続通電はお勧めできません。

それでも使われる方はコネクタやシャント抵抗といった温度上昇を確認してください。



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さて、先週は上越国際に行ってまいりました。


上越国際は広いエリアを特徴とし、毎週何らかのイベントを催すなど
多くの方に来場を訴求しています。
多少湯沢方面に戻れば、チケットの都合上同時に
岩原(いわっぱら)も滑ることもでき、
リフト券の価格の割にはエリアの欲張りができるのがメリットです。



ただ人数の割には狭いゲレンデ・コースが随所にあり、
自身の制御技術にあったスピードコントロール、
人が多いところでは無理はしないといった配慮が一層求められます。
(当方も、無謀な追い越しをした人に転ばされましたよ…)

時期が時期なだけに雪質は結構重たくなっており、
虫も結構飛び始めていました。


しかし、今回もまた天候に恵まれ、
2日前まで出ていた雨の予報を吹き飛ばし、薄日が差す程度で滑れました。


ショートスキーとの板比べが今回のひとつの目的だったのですが、
その特徴がよくわかり、実に楽しかったです。
いわれているとおり、ショートスキーは板が軽いこともあって
ターンなど板の向きを変えるのは非常に楽ちん。
しかしある程度スピードが出始めると直進安定性は難ありで、
動画を安定してとるにはちょっと不向きな感じですね(苦笑)



今回も猪苗代のときと同じ、
遅い出発→ナイターも滑る→帰る、という感じでの滑走。
最後の一本を滑走する前に花火が打ちあがり、気分最高。



さらに最後滑り込みで間に合ったご飯どころ(石打の「こめ太郎」)の
釜飯もなかなかおいしかったとあって、なかなか満足な終わり方になりました。

写真の釜飯のセットで税別1,200円程度。

高価なゲレ食基準で考えると非常にお買い得です。






これをもって今シーズンのスキーは終わりになると思います。
尾瀬岩倉、北志賀竜王、苗場+田代、猪苗代、白馬五竜+47、上越国際。
1シーズン6遠征は過去最多となりました。



ただ、当面まともに自作PCそのものに触れていられる時間がとれず、

やはりもうしばらくの間、2週間に1度の更新になりそうですm(_ _)m