単品SATAケーブルの自作 | 風変わりなPC物語 -スズメさんち-
2012-12-16 23:20:52

単品SATAケーブルの自作

テーマ:PC周辺機器

小型で独自筐体のPCを作成すると出てくる悩みの1つがケーブル類。


おそらく多くの自作erさんはいかにして裏配線などで

ケーブルをきれいにまとめるか…という要素を考えるのですが、

小型化を狙う場合は

・いかにしてできるだけ短く、スマートにするか(見せるか)

・(行き過ぎると)いかにして無駄な線の体積を減らせるか

という妙な考察をしなくてはなりません(笑)



今回、バーツさん よりSATAケーブルの作成依頼のご相談を受けました。

※相互にブログ等でやりとりされている方のご相談であれば、

 可能な限りご回答、ご対応させて頂いております。


条件は…
・7cmのケーブルが2つほしい(L型タイプであれば6cm)
というもの。



過去、26台目PCのときには、

片側が汎用のSATAコネクタ形状のケーブルを作ったことがあります


風変わりなPC物語 -スズメさんち--26台目PC_SATA

このときは動作自体はうまくいきました。

ただ、元々さほど高速でないSSDで、3Gbps規格での接続。

今回は完全に汎用品と互換で、速度も期待通りのものができるかどうか…

が鍵になります。



○部材の入手

(1)コネクタ
SATAコネクタ単品の入手となると、すぐに思いつくのが
千石電商で売られているもの です。

本来は対基板用のもののようです。
案外電子部品屋を探しても、このコネクタを扱うところは少ないようです。

 ※探し方がへたくそなだけかもしれません(爆)
aitendoでも、受け側なら売っているのですが…
コネクタから直接ピンが出ており、コンタクトを別途購入する必要はありません。


(2)ケーブル
ATA33などのケーブルでおなじみの1.25mmピッチのリボンケーブル。
今回は当方の工作でも大変よく使う、SCSI2ケーブルの切り取り品です。
(10年くらい前に特価で売られていた新品内蔵SCSIケーブルを
 少しずつ切って使っています)

シールドの追加などはせず、そのまま使います。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--SCSIケーブルの切り出し利用


(3)熱収縮チューブ
マルツで売られていた、
1mm径1mで53円とリーズナブルなものがありました。
できれば収縮率の高いものを使用された方がいいでしょう。



○作成
(1)線の長さ決定
コネクタ+ケーブル部で70mmになるよう、ケーブルの長さを決めます。
当方は几帳面というほどではありませんから、

物差しの上にコネクタとケーブルを置いてにらめっこし、

線の長さだけあたりをつけて、はさみで切ります
多少の曲がりは気にしない(爆)


(2)下ごしらえ
コネクタのピンは微妙に平べったく横に広がっているため、
半田付け後熱収縮チューブ処理をするとピン間のクリアランスが厳しくなります。
したがって、今回のコネクタの場合は左右にキンク処理(折り曲げ加工)を施します
本来はコネクタ根元へのストレス軽減のため専用治具で行うべき作業ですが、
さすがに工作レベルですのでそのあたりはご勘弁を。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--キンク加工したSATAコネクタ

風変わりなPC物語 -スズメさんち--キンク加工したSATAコネクタ2



これができたら、ケーブルの被覆を剥きます。いつも通り、はさみで(苦笑)
3mm程度が目安ですが、予備半田をすると微妙にとける場合があります。

それでも、予備半田はしておきましょう。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--ケーブルの前加工

コネクタ側も予備半田をしておきます。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--キンク加工したSATAコネクタ(3)


熱収縮チューブは5mmほどの長さで切っておきます。
なお、これも厳密な測定はせず、はさみで適当に切り落とし、
1mm以上誤差があるようなら切り直す程度です。

もちろん半田付けをする前に、熱収縮チューブを入れておきます。


(3)半田付け
スピーディーに半田付けをします。
さっさと半田付けをしないと熱収縮チューブが先に縮んでしまい
面倒なことになってしまいます(笑)


本来はコネクタのピンに対して「絡げ」という
線を巻きつけた状態で半田付けをするべきですが、
当方の能力不足、また選定した線材の都合で隣とのスペースが狭すぎることから、
ただコネクタと線を半田付けするだけの状態としました

なので、あまり「曲げ」や「経年変化」には強くない接合方法なのです。

養生も兼ねますが、半田接合部の酸化を遅くできるかもしれないのが熱収縮チューブ。

市販品はこれをモールドで封止できる(しかも強度もある)からうらやましいです(爆)


(4)仕上げ
半田がついた後は半田付けしたポイントを熱収縮チューブで覆い、収縮させます。
当方の場合は半田ごてをそばに近づけることで収縮させています。
種類によっては一般ドライヤーでも収縮可能ですし、
半田吸い取り機にホットブロー機能があるタイプなら、それを使うのも手です。


完成したケーブルは完全にまっすぐではないものの、
何とか70mmと69mmというご要望に近い寸法で仕上がりました。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--作成したケーブル


○テスト方法

工業製品と比較し、求められる機能が遜色ないレベルであればOK、とします。
ここでいう「求められる機能」は、SATAケーブルの転送速度
品質が悪いケーブルはエラー訂正が頻発し、
速度低下の恐れも考えられますので、せめて速度低下がないかを確認します。
挿抜耐久性や曲げやすさといった機械ストレス的なところは目をつぶります。


検証は6Gbps接続できるポートにSSDを接続し、速度が出るかを確認します。

ということで、SATA 6Gbpsを搭載した27台目PCを使い、

被測定デバイスには新品のSAMSUNG 830をおろしました。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--SAMSUNG 830 128GB


まずはM/B付属クラスの一般的な450mm長のSATAケーブル。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--測定の様子(450mm既製ケーブル)

CrystalDiskMarkによれば、大体こんな結果です。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--450mmケーブル結果

※本結果が早いかどうかはこの際どうでもいいのです。

 比較対照の基準になればいいのです(爆)

この結果にある程度近ければ、電気的特性の最低限の品質はあるだろうという推測です。


そして、作成したケーブル。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--測定の様子(作成したケーブル)


一応小さいはずの27台目PCにとっても、70mmという長さはかなり短いですねぇ。
ちなみに70mmを簡単にたとえると、2.5インチHDD/SSDの短い辺の長さです。

作成したケーブルの1本目。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--作成したケーブル(1)結果

同2本目。


風変わりなPC物語 -スズメさんち--作成したケーブル(2)結果


おおむね、近いくらいの速度が出ていることがわかります
一応作成者としては、これで合格とすることにします。



○まとめというか、考察というか、感想というか…

伝送方式が違うとはいえ、もともと40MB/sの規格であるSCSI2用のケーブルで
500MB/s近いスピードが出るというのはなんだか感慨深いものがあります。

というか、このくらいの長さなら自作でも充分まかなえる可能性がわかりました。


M/B付属クラスは巷では100円以下で買えるものなので
コストパフォーマンスで上回ることは困難ですが、
150mm未満のケーブルの入手性はきわめて悪いことから、
特に身近なケーブルがほしいとき、比較的現実的な選択肢を手に入れたといえます。

…寿命加速テストは一切しておりませんので、信頼性の話はできませんが(爆)



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