雨宮国広著「ぼくは縄文大工」を読みました。
 
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縄文大工を名乗る雨宮国広さんのことは、たまたま目にした新聞記事(

読売新聞)で知りました。

 

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私は、現代に「縄文暮らし」を実践している人物がいることに驚き、憧れるように。本書を読んで、雨宮さんの平凡さを逸脱した暮らしぶりに、改めて感動。ますますファンになりました。

 

雨宮さんの縄文暮らしの様子は、ツイッターやフェイスブック、YouTubeというSNSでも見ることができました。特に、美人の娘さんがYouTubeで雨宮さんの様子をリポートされているのが面白かったです。

 





本書「ぼくは縄文大工」では雨宮さんが、宮大工から「縄文大工」となられた経緯から、なぜ自ら縄文時代の暮らしをされるようになったか、までが語られています。また、縄文小屋の復元、丸木舟の製作など、縄文大工としての仕事も詳細に書かれて、雨宮さんの職人ぶりもよくわかります。

 

最先端の住まいづくり

 

雨宮さんは、チェーンソーではなく石斧を使って、縄文小屋を建てる。遺跡から出土した遺物を参考に、「縄文時代の住まいを想像しながら、みんなでつくる」というコンセプトで、能登町の文化遺産活用事業に取り組んだ。

 

日本各地に再現された縄文小屋は、じめじめしてかび臭い。雨宮さんの作る縄文小屋は、住みたいと思えるような小屋にしていくのだ。遺跡には残らない人間の精神世界と、建物を作る跡道具の能力、さらにはその道具を使う人間の技術力を加味して想像していく。

 

縄文時代には機械はない。縄文小屋づくりは、自分たちで手づくりすることにこだわった。縄づくりは、稲藁を使用せず、自然の植物から繊維を取り出して縄をなう。

 

「最先端の住まい」とは、ハイテク産業の副産物でもなく、人間だけが快適に暮らせるものではない。真脇縄文小屋は、これからの理想の住まいを過去の暮らしから学び、「みんなで学び、考え、つくった小屋」である。

これこそ最先端の住まいづくりではないだろうか。

 
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【私の感想】

もう、考え方がぶっとんでいます。快適な暮らしを追求していくうちに、縄文の暮らしになっていく。機械を使わない作り方で、自然素材のもので暮らす。それを本当にやってしまうことがすごいです。

自然と共に暮らすのは快適そうだと思うけど、だれもそこまでできないです。まずもって、お金の採算が合わないような気がします。でも、これが実現できるなら、今流行りのSDGsになりますね。

 

人間本来の能力を失いたくない

 

縄文小屋へ定住し、4年目を迎えた。

縄文暮らしをはじめた理由は、「人間本来の能力を失いたくない」と思ったから。現代生活では、スイッチ一つであらゆることを機械が手助けしてくれる。人間本来の能力を使わなくても用が足りてしまう。

 

三畳の小屋は、中央に囲炉裏がある。壁は土壁、杉板の天井である。ここでの暮らしは何の不自由もない。しいていうならば、資本主義社会に必要な紙切れに不自由していることぐらいである。

 

【私の感想】

縄文小屋での暮らしに、「何の不自由もない」と言い切っている!「しいていうなれば」、お金に不自由している!もう、お金を稼ぐために、朝から晩まで働いて、時間も体力もすり減らしている現代人からみれば、「何をそんな道楽を!」と思ってしまいます。それを本当にやってしまっていることろが、私からみれば、「やってみたいけど到底できない」から憧れの感情を抱くのです。

 

縄文式健康法

 

「冷えは万病の元」と言われる。私も三畳暮らしを始める前は、足が冷えやすく、厚い靴下や下着を身につけていた。布団に入るとき、足が氷のようになってなかなか安眠できない体質だった。

 

そんな私が、裸足と半袖で暮らし始めたのである。冬場は、マイナス56度にも下がる甲府盆地である。だが、このかっこうで3年も暮らしているのだ。

 

さすがに外出するときや危険なものがある場所はサンダルを履くが、それ以外は裸足である。なぜ続けられたかといえば、この生活こそが元気に暮らせる秘訣だから。

 

1、足の裏が一年中ポカポカ

2、視力が回復した

 

裸足生活は、老化現象と言われる身体機能の低下を抑え、若返りを引き起こしているように感じられる。

 

3、土間の上に半割り丸太を6本渡したベッド

その上に寝袋で寝るのは、最高の寝心地。

 

【私の感想】

なぜ、裸足の生活でポカポカするのか。私が考えるには、雨宮さんは身体を動かして、自然素材をものだけ食べているから。それに人間が本来持っている、自分の身体は自分の力で守る能力が蘇ったから。身体が冷えなくなったのは、その環境にちゃんと適応するような能力が発揮できるようになったのだと思います。

 

私も足が冷えやすいし、視力も年々衰えている。それを改善できる可能性が「縄文暮らし」にあると思うと、ワクワクしてきます。

 

更に、雨宮さんの凄いところは、縄文暮らしを自分で楽しむだけでなく、発信されているところ。理解される人たちが周りにいて、遺跡の復元や丸太船製作などの依頼がくるわけですから。単に「変人」になるのでなく、周りと折り合いをつけるバランス感覚も持っていらっしゃるように思います。

 

ありがとうございました。