著者は、「食品ロス」問題を扱うジャーナリスト。本書では、「あるものでまかなう」食事をはじめ、暮らし方、働き方まで語られ、これからの時代に生きるヒントを与えてくれます。
私の印象に残ったのは、以下の3点です。
コロナ禍で食品ロスが減った
新聞に投書した30代女性。東京都が呼びかけた「買い物は3日に1度」を守っていたら、食費が3割も減ったとのこと。肉や野菜をまとめ買いし、食材を使い切るようにメニューを考え、食べ残しがなくなったとのこと。むやみに買い物にいっては余計なものを買って粗末にしていたことに気づいたそうです。
あるのに買ってしまう。それは幸せなことではない。
「貧乏な人とは、少ししか物をもっていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」ホセ・ムヒカ
買っては捨てを繰り返していると、いくらお金があっても足りません。捨てるものを買うために一生懸命に稼いで疲弊しているようなものです。
適量のお金を稼いで、必要な量だけを買う。そうすることで心身がラクになりすがすがしくなります。
【私の感想】
私もこころあたりがあって、仕事帰りのスーパーに寄って、甘いものなどを買って帰る。家に帰れば、家族が準備した食事もデザートもあるのに。結局食べきれないで残したり、無理に食べて苦しくなったりする。無駄なことです。
必要な量だけ買って、あるものを使い切ることのすがすがしさ。その幸せを味わっていこう、と思いました。
コンポストでごみが圧倒的に減る
ゴミ排出量の少なさ日本一は長野県。それには「コンポスト」が関係している。コンポスト(堆肥化)は家庭でできるリサイクルのひとつ。コンポストの良さは、ごみが圧倒的に減り、野菜や植物を育てるのにすぐれた土ができることです。
長野県の畑にでてみると、緑色のコンポストが置かれていることを目にします。生ごみをゴミ収集にだすのではなく、畑や庭でコンポストにしていることが要因になっているのでしょう。
私家では、ベランダにポリバケツをおいて、コンポストを作っています。枝豆のさやを乾かしたもの、コーヒーかすなどを入れ、ぬかみそをかき回すみたいに定期的にかき混ぜています。
コンポストづくりをやってみると、「今までなんで捨てていたんだろう?」と、せっかくの資源を捨てていた、もったいないことを積み重ねていたことを悔やみます。そして、土を育てる楽しみや、ごみを大量に減らせるすがすがしさを味わうことができます。
【私の感想】
私も最近は、庭でバラなどを育てていて、土づくりに興味を持っていたところです。さっそく調べて、コンポスト用の容器と、発酵促進に効果があるという「ぼかし」を買ってみました。
雑草をゴミ袋に入れて捨てるより、それで堆肥が作れたら楽しいし、資源の無駄を減らせるし。そういった手間をかけること自体を楽しめれば、お金をかけずに幸せを味わえると思います。
まずは庭で取った雑草で試してみようと、「ぼかし」を混ぜたら、ぬかみそのような匂いがしました。発酵が進みそうで楽しみです。
買う行為は、未来に何を残し何を残さないかを決める『投票』だ
・ヨーロッパには、「バイイング・フロム・アルチザン」という言葉がある。職人からものを買え、ということ。ハムはハム屋さん、パンはパン屋さん。
昔の八百屋さんは、ただお金と野菜を交換するだけではなくて、そこには旬やレシピを教えてくれる存在でもありました。
「職人からものを買え」への回帰は、「あるものでまかなう」ニュースタンダードにつながると期待しています。
・私たち消費者の小さな一歩が地球の環境を守る大きな一歩につながります。
・「買う行為は、未来に何を残し何を残さないかを決める『投票』だ」スマイルサークル岩城紀子さん
【私の感想】
私は家計の改善を意識し、節約を心がけています。とはいえ、安ければよい、というものではありません。良い物を買って、心が満たされる。だから、余計なものを買わない。手間をかけて、環境のためにもなる商品、たとえば著者が好きだという「パタゴニア」というブランドの服などもそう。
「買い物は投票」良い言葉を教わりました。地球全体で、「あるものでまかなう」に向かう。そんな暮らしを私もやっていくことにしました。
ありがとうございました。