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    のらびとメールマガジン(第572号)

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野良人(のらびと)の生活におけるそこはかとない話題
を野菜や畑の情報と共にお届けするメールマガジンです。

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         今週の話題
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今年はまだ梅雨の気配が無くて雨が降ってきません。雨
は嫌いなので自分にとっては都合が良いのですが、野菜
にとってはこの時期は雨が大事なのでそうもいきません。
田んぼは田植えから2週間が経って1回目の除草をしま
した。とにかく田んぼは雨が大事なので例年通りに雨が
降って欲しいところです。

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        今週の主な野菜
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 ・小松菜
 ・サツマイモ
 ・大根
 ・玉ねぎ
 ・チンゲン菜
 ・人参
 ・ジャガイモ(北あかり)
 ・ズッキーニ
 ・キャベツ
 ・キュウリ
 ・インゲン
 ・ニンニク
     
  など

※出荷する野菜はS、M、Lのセットによって異なります。

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        旬の野菜の紹介
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インゲンとキュウリがぼちぼち採れ始めました。最初の方
なので数が少なくて形も悪いです。これらはだんだんとい
いものが採れると思いますがカメムシの被害が心配です。

ニンニクが採れました。今年のニンニクは良くも悪くもな
くそこそこの感じです。このニンニクは在来種のものでや
や皮の色が赤いのが特徴です。

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        のらびとコラム
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今年の玉ねぎについて


毎年5月から6月にかけては、その年の玉ねぎの出来につ
いて考えさせられる。

近年の玉ねぎは天候のせいか生育中に病気が入って未成熟
のまま終わってしまう事が多い。玉ねぎはきちんと熟する
と茎がパタっと倒れて教えてくれる。これが病気が入ると
最後まで成熟しないので茎が倒れないし出来も悪い。

玉ねぎの品種はほぼ3つに分類されていて早生、中生、晩
生の3種類が有るが、何故か近年は中生の品種は例外なく
病気が入ってしまってまともに収穫できないので現在は早
生と晩生しか作っていない。

早生は春から暖かくなって病気が入る前に熟して逃げ切る
事が出来るのがウリなので近年はその比率を増やしている。

晩生の品種は中生の品種より比較的に病気が入りにくいの
でやや多めに作っている。うまくできる早生の品種だけに
すると夏くらいまでしか保存できないので、長期に出荷す
るためには中生から晩生の品種が必要となる。しかし中生
は期待できないので晩生に頼らざるを得ない。

周囲の農家も、もう中生の品種は期待できないので諦めて
早生と晩生の選択の二極化になりつつある。

今作っている晩生の品種はうまくできると年明け位まで保
存化可能なので非常に重宝する。だがその期待のホープも
近年はだんだんと上手くできなくなっている。原因は良く
分からないが天候によるものだと思っている。

玉ねぎは育成期感がとても長いが秋から冬、そして春にか
けての生育期間中に極端に寒かったり、反対に暖かかった
りするとトウ立ちしてしまったり、病気が入ったりしてし
まったりする事がままある。

実際今年も相当数がトウ立ちしてしまっている。

恐らく2月に一度かなり気温が上がった後、3月に異例の
低温が続いたせいで玉ねぎの生態に何らかの悪影響を及ぼ
したのではないかと考える。

野菜は生育中に寒さに当たると冬が来たと勘違いして種を
作ろうと生殖生長に切り替わってそのまま終わってしまう
事が有る。これが起こるともうどうしようもない。

今年の早生はなんとか逃げ切ってそこそこうまく採れたが
早生も実は相当数がトウ立ちしてしまったのも事実だ。

そして期待していた晩生はほぼ病気が入ってしまった上に
多数のトウ立ちが発生し、当然熟することはなくて茎も倒
れずじまいだった。こうなると玉ねぎ栽培としては完全に
失敗でロクな収穫は期待できない。

実際に晩生の玉ねぎを収穫してみると小さなものばかりで
形も悪く、茎ばかり太くて完全に失敗だと分かる。

早生のものはそこそこうまくできたので蔵の軒に吊って保
存しつつ少しずつ出荷しているが、夏過ぎ位までしか持た
ないだろうから、そうなったら晩生のものを出すしかない。

しかしとにかく出来が悪いので保存が出来るかがあやしく、
実際多くのものが保存中に腐ってしまうかもしれない。

本当に近年は玉ねぎがロクなものが出来なくなってきてい
る。これは私のような作り方をしている生産者だけではな
く、大規模に生産している玉ねぎ農家も変わらない。

見渡すかぎり玉ねぎの広い畑で栽培している玉ねぎ農家も
今年は晩生の玉ねぎがほぼダメだったようだ。恐らく収穫
しないで潰してしまうのではないだろうか。

今年はカメムシの大量発生によって空豆などの被害がひど
く、これから夏に向かっても色々な果樹や野菜に被害が予
測されているが、他にも何が起こるか想像がつかない。

全てが天候のせいだとは言い切れないが、気候変動が大き
な原因となっているとしか思えないのも事実だ。

今年は本当にかつて無いくらいに危ない気がする。

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         あとがき
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少し前まで夜はまだ寒かったので冬と同じ布団で寝ていた
がそろそろ暑くなりはじめたので掛布団をしまわないとな
らない。

それから電気は入れていないがコタツがまだそのままなの
でこっちも片付けないとならない。

衣替えが6月なのが分かる気がする。

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発行日:2024年6月12日