走れメロス〜覚悟 | わが心のAKB

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有楽町のヒューリックホールにて。
終演後駅まで歩いて行く途中(と言ってもすぐだか)東京の夜の街を見たが、ほぼ日常に戻っているようだ。
宿は神田。神田の街もまた賑わっていた。やれやれだ😊

「覚悟はできてます」
冒頭の山崎富栄(山口真帆)の台詞。
忘れたいであろう事件のことを蒸し返して心苦しいが、彼女はあの日を境に覚悟を決める人生を歩むことになったと思う。

その覚悟たるや並大抵の事ではなかった。一切の妥協をしない鉄の女であり続けた。(途中で投げ出したら今の彼女はなかっただろう)
愛する男と死ぬ覚悟。事件のことを知ってる客なら、山口真帆の配役以外に考えられないと思わせるほどだ。

冒頭に登場したあと前半に出番はない。太宰治の半生をほぼ時系列で見せているのでこれは仕方がない。
後半に見せ場が来るが、いきなり太宰と彼女の長台詞のやり取りで、これは驚いた。

表現力は見事だった。よくぞここまでと感嘆したよ。しかし舌っ足らずは変わっていなかった。
つまりこの長台詞のおかげで舌っ足らずが存分に発揮されてしまうのだが、これも覚悟だったのではあるまいか?
「これが女優 山口真帆です」というある種のプレゼン。当然批判もされるがそれは事務所と山口真帆の覚悟の演出だったと思えてならない。

舌っ足らずはおそらく今後も変わらないだろう。だったらそれを個性にすればいい。
ネットに「大竹しのぶのように」と書いてくれた人がいたが、そこはあまりに有名女優すぎるので(笑)、私は吉高由里子を想像した。

「蛇にピアス」の彼女は鮮烈だった。作品がセンセーショナルな内容だからか、舌っ足らずは気にならなかった。むしろそれが魅力的だった。

だから本当は映画がいちばん山口真帆の魅力を引き出すと思うのだが、いかんせん日本映画界の惨状を考えるとね……😥 この辺は事務所に頑張ってもらうしかない。もちろん主演だ。彼女は脇をやる人ではない。

作品はというと少し不満がある。
富栄の登場のさせ方があまりに唐突だ。太宰と親密になって行く過程もほとんど描かれない。だから心中のシーンで感情移入ができない。
また作品上の2番目の女である太田静子が途中からどこかへ行ってしまう。その辺がちょっと荒っぽかったな。

つけ足しのようで申し訳ないが、太宰治役の内博貴は見事だった。あの太宰なら男の自分でも惚れると思う😊