第135話 ザ・アルマイト! | 鈴鈑工業のブログ

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板金屋さんの一喜一憂

T次長がなにやら、


新しい分野を開拓するんだ!


と鼻息荒く、


自腹で色んな機材を


買ってきました。



その新しい分野とは、


アルマイト!




アルマイトとは、


アルミ材の表面に色をつけて


染めるという、


表面処理の一種。



では、その第一作目となる、


全工程をご覧頂きます。

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まず、染める素材の製作です。


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アルミのプレートを一枚用意し、


文字を抜いたプレートを重ねて、


サンドブラストをかけます!


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すると、文字部分だけが、


浮き出したようになります。


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サンドブラストなので、


文字の部分は荒めに削れている状態です。


プレートサイズは、


10cm角ほど。


そして、染める染料は、


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紅茶


のパックを使用します。


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プレートをアルミ棒でしばり、


キチンと通電するようにします。


そして、割りばしに結びつけて、


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電解液の中に、ドボンと入れます。


(電解液は、希硫酸です。)


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全体のシステムの見た目は


こんな感じです。


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13Aのバッテリー充電器を使用し、


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鉛板を入れて、


電解液の中に電気を流します。


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なんだか、うっすら、


文字が濃くなってきましたが、


まだ、染料には入れていないので、


色が付着したわけではありません。


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温度管理が重要で、


あんまり上がり過ぎないように、


保冷剤などで調整します。


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10分ほど漬けると、


文字がよりハッキリしてきました。


そうそう、


この間に、


染料の仕込みをします。


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ガスコンロで湯を沸かし、


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紅茶パックを投げ込み、


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ぐつぐつ煮ると、


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染料の出来上がり!


そしたら、


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電解液からプレートを出し、


精製水で、


よーくよーく洗います。


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よく洗い流したら、染料の鍋へ投入!


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温度を55度~75度の間に保ちます。


(沸騰させてはいけません)


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この状態で15分ほど浸します。


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鍋から上げて、精製水で洗います。


すでに色が乗っています。


紅茶だと、ややゴールドっぽいか?


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最終工程として、


色が完全に落ちないようにするための、


液体をホーロー鍋に入れ、


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熱します!


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よく洗ったプレートを入れ、


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15分ほど、


ぐつぐつ煮ます。(沸騰させてOK)


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そしたら、完成!!


アルマイト処理!



最終チェックでプレートに電気が


流れなければパーフェクト!


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普通にアルミプレートだと、


針が右端マックスまで振れ、


通電状態です。


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しかし、アルマイト処理が完全に


成功すると、


針は0から全く振れません!


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最初の状態がこうでしたが、


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紅茶で染まった


マットなゴールドは、美しい!


文字の部分は、くすんだグレーグリーン


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もちろん裏面も!


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本社 大和工場の会議室に


アルマイト処理前と処理後の


サンプルを飾ってありますので、


見る機会があれば、


是非どうぞ!



T次長は、言います!

「研究心と好奇心なくして、

新たな技術革新はありえない!」


と。



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