【ウクライナ情勢】プーチン、ウクライナへ供与予定の米パトリオットは、古い役立たずと批判 | 朱雀ひのでのブログ

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プーチン、米がウクライナ供与を約束したパトリオット迎撃システムに猛反発

 

先日(21日)、アメリカのバイデン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談し、その後の記者会見で、ウクライナに対し、ウクライナへの支援を続ける考えを強調し、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の供与を含む19億ドル近く、日本円にしておよそ2400億円相当の新たな軍事支援を発表したと報じられました。

 

パトリオット迎撃ミサイルシステム

 

当然ロシアは反発、特にロシアの大統領プーチンは、パトリオットミサイルを破壊するとしたうえで、次のように発言したと報じられています

(リンク切れの際は、注目記事2496参照)

 

『パトリオットを配備するというならやってみたらいいだろう。われわれはそれを破壊するだけだ』

『パトリオットは古いシステムで、ロシアの地対空ミサイルシステムS300のようには機能しない。このような兵器の供与は紛争を長引かせるだけだ』

 

これがプーチン、そしてロシアの認識?(強がりで言っている可能性あり)

 

 

パトリオットミサイルは、日本にも配備されている

 

日本も防空システムの一環として、アメリカから大量に買い付けて配備されているミサイルが、ここでも言われている、パトリオットミサイルです。

ちなみにこれが配備されている航空自衛隊では「ペトリオットミサイル」と呼んでいますが、もちろん同じものです。

もっとも報道ではその名でなく、「PAC―3」と呼ぶことが多いようです。

 

確かにパトリオットミサイルのデビューは古いのは確かで、1990年代に登場し、湾岸戦争でイスラエルの迎撃ミサイルとして広く報道されていましたから、記憶されていらっしゃる方も多いと思います。

当時の報道では、迎撃に失敗して被害が出た場面が、なぜか強調されていたような記憶がありますが。

 

その当時は出たばかりのシステムですから、百発百中などには到底及びません。

それで飛来してくるミサイルを迎撃しきれず、打ち漏らしたものも多数あったのは事実ですが、そもそも迎撃システムというものは被害を「無くす」事は難しく、出来るだけ撃ち落として被害を「軽減する」ように出てきたものです。

 

百発百中は、米軍ですら難しいのが現実です。

まあ自衛隊は、その中でも迎撃精度が高い事が知られており、米軍すら舌を巻いているようです。

少なくとも『味方で良かった』と思わるほどには、一目置かれているようです。

 

以前にも取り上げましたが、イージスシステムを駆使し、ICBMの迎撃に成功して米軍を驚かせたのが(海上)自衛隊ですから。

 

 

デビューは30年前でも、何度もアップデートされてきた、パトリオットミサイル

 

さて話を戻します。

 

プーチンが言うように、パトリオットミサイルが古いというのは一面の事実です。

しかし迎撃システムとして「役立たず」と酷評されるようなものかと言えば、違います。

 

パトリオットミサイルが登場したのは確かに今から30年前ですが、その間「古いまま」になっていたのではありません。

 

何度もバージョンアップされ、ミサイルは長射程化、そしてセットの防空レーダーも高性能な物に更新され、誘導方式もきっちりアップデートされています。

 

だから航空自衛隊に配備されているペトリオットミサイルも、PAC「3」なのです。

日本初めて配備されていた頃とは別物と言っていいほど、高性能な物に進化しているのが、今日本を守っているのです。

 

 

ロシアの迎撃システムがパトリオットを問題にしないくらい優秀なら、なぜウクライナからロシア本土への攻撃を防げなかったのか?

 

さてこれを踏まえれば、プーチンの発言が強がりかブラフにしかすぎないことが、見えてくるかと思います。

ついでに言えば、プーチンが引き合いに出しているS300ミサイルがパトリオットミサイルより優秀だというのなら、なぜ先日ロシア各所にウクライナから飛来したミサイルの攻撃を止められなかったのか、説明が欲しいところです。

 

パトリオットミサイルはまだウクライナには配備されていませんので、戦果のほどはこれから見ることになりますが、S300は実戦配備されているのに、現実はそうですよね?

 

そもそもプーチンが言うようにパトリオットミサイルが役立たずなら、実際にS300ミサイルなりで迎撃をかいくぐってウクライナに大損害を与え続けて見せればよいだけの話です。

その事実を見せれば、こんなことをわざわざ言う必要は、ありませんよね?

 

 

プーチン自身の発言の中に、本音ではパトリオットが脅威であることが出ている

 

果たしてプーチンが言うように、パトリオットミサイルがウクライナ防衛に役に立たないのか?

それはプーチンの発言の中に、既に答えが出ているようなものです。

 

『このような兵器の供与は紛争を長引かせるだけだ』

 

そして内政や外交の基本方針を示す年次教書演説をことしは見送ったことも、それを表しているでしょう。

 

パトリオットミサイルによって紛争が長引く予想になるのは、ロシアがウクライナ侵略を諦めない限り、ロシアのミサイル攻撃がほとんど無効化して、膠着状態になるという嫌な予測が立つからでしょう。

 

ウクライナが反転攻勢をかけているとはいえ、ウクライナの方が国力が劣り、寡兵である事実は覆せませんから、ロシアを国土から完全にたたき出すには時間がかかります。

 

そういう事情があるから、ロシアも敗色が濃くなっているとはいえ、辛うじてウクライナ領内に踏みとどまれているのです。

戦力が互角だったなら、とっくの昔に敗北決定だったでしょう。

 

だから年次教書演説の中身がまとめられないために、発表できないことにつながっていると見るべきです。

威勢のいいことは言えても、数字までは誤魔化せないという事です。

それがプーチン、ロシアに突き付けられている現実でしょう。

 

いずれにせよ、プーチンの発言が強がりか事実かは、春を迎える頃には判明しているでしょう。