おじちゃん | 愚図愚図日記 ~スーの魂~

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映画の話はたま~に…。かなり統一性のないブログです。くだらないことも書くけど許してください!!

おじちゃんの容態が8日急変した。前の状態を見ているから覚悟はしていたのでついに来てしまったかと思った。
新しく手伝っていた仕事も忙しくなり始めていたからどうしようかと思った。親とも状況を話して、もしあれだったら無理しなくても良いと言われた。でもそう言われるとどうしても会いたくなってしまった。

仕事も引き継げば良いんだと思い、急いでまとめた。時間が経てば経つほど焦ってくる。もしかして俺のことを待ってるんじゃないか。
枕元で声をかけて優しい笑顔で返してくれるかもしれない。

終電を調べ、一度家に帰って着替えや革靴などを取ってから向かう。それどころじゃないけど、その後のことも考えなければ。台風の影響もあり湘南新宿ラインは止まっていた。仕方なく赤羽から宇都宮線で帰ることに。

姉ちゃんからとりあえず落ち着いてるという連絡をもらったので気分は落ち着いた。地元に着くのは11時を過ぎてしまう。実家に帰るには迎えに来てもらわなくてはならないし、とりあえず病院に行きたいので向かうことにした。病院には母ちゃんが泊まると言っていたので一緒に泊まることにした。
11時半ごろ栃木駅に着く。駅はすっかり新しくなっている、今から10年前高校を辞めてすぐ高架化の工事をやっていたことを思い出した。
夜中の駅前は静まり返っていた。病院へは歩いて10分程。普段住んでいる環境からか、やたら暗く感じ怖くなる。
病院で母親と合流する。
おじちゃんを見るとすやすや寝ているようだった。呼んだが目は開かず周りもいるので、ロビーに戻ることに。とりあえず安心した。

それにしても、何度来ても病院の雰囲気は苦手だ。しかも、おじちゃんの部屋はナースセンターのすぐ向かい、つまり重病人の部屋だから余計だ。
しばらくロビーと病室の往復を繰り返した。
ロビーで母親と話している時にいつかこの母親を自分が看取ることを想像した。凄く先な話だけど、必ずいつかは来ることなんだと言いようのない不安と悲しさに襲われた。そして、夜中に少しだけ寝た。

翌朝、父・姉と合流する。一度シャワーを浴びに家に帰りまた病院に戻る。僕たちのできることはずっと病院にいること。父親は前日寝れなかったため一度家に帰って寝ることに。
姉と一緒に声をかけると目が開く。もう声はでないし、首も振らないのでこちらに気付いているのか分からない。
『おじちゃん、分かる?』 根気よく声をかけた時、それに答えるように心拍数が上がり眉毛が動く。気がついてるんだと姉と話す。しかし、本当は分からない。見舞い客たちはそうやって納得させるしかない。
しばらく目を開けているが、また目を閉じて眠り始める。こうして段々起きる時間が少なくなっていくんだと思った。

目を閉じて眠り続けるおじちゃんをずっと見ている。その最期の瞬間まで必死で生きようと息を吸い込んでは吐く。誰もがやっている当たり前のことがこんなにも凄いことだったなんて思わなかった。

そして、思い出すのは一緒に過ごした思い出。
姉ちゃんも同じことを考えていたのかふと語り出す。

『いつも朝私たちが登校する時、おじちゃんが自転車を道路の方に向けてくれて、手を振ってくれてたよねぇ』

言われて思い出した。毎朝、自転車をすぐ出発できるように向きを変えてくれて、笑顔で送り出してくれる。
それはおじちゃんにとっても日課で毎日の生活の一部だったのだろう。
その時は何も思わなかったけど、今はおじちゃんの僕らに対する愛情がよく分かる。
そんな人後にも先にも現れないことは分かってるのが悲しい。
昨日ダッシュで帰って良かったと心から思った。
おじちゃんの容態は平行線を辿っている。
2日前に医者からいつ急変してもおかしくないと言われた。しかし医者もそれがいつなのかは分からないのだという。
おじちゃんは最期の時に向けて頑張っている。

その日は家で待機することに決める。

2日前に医者からいつ急変してもおかしくないと言われている。しかし医者もそれがいつなのかは分からないのだという。
恐らく昏睡状態の中眠るように逝くのだろう。そこに向けて旅をしているんだと思った。
看護婦さんに聞いたら本当に人によって違うらしい。つい30分前に喋っていて、ふっと亡くなる人もいれば、血圧、心拍数が最低ラインで一週間生きる人もいるという。
それはまさにその人の去り方とも言える。

今まである程度体の機能しなくなれば時間は決まってると思っていたので初めて知ったことだった。

そして、今日のおじちゃんは眠り続けていた。いくら声をかけても目を開けず完全に昏睡状態に入った。その時は少しずつ近づいているのかもしれない。

今日、朝早く起きてきれいな朝焼けを見て、夕日を見た。昼間は空に虹がかかっていた。病院から帰って家に着くと満天の星空を見た。最近こんな景色見る時間もなかった。おじちゃんが見せてくれたんじゃないかと思ってならない。

しかも父、母、姉と四人でずっといる。
ここ数年こんなに一緒にいたことなんてなかったかもしれない。
これもおじちゃんのお陰だ。ありがとう。

また明日病院に行く。