超過密日程を乗り越えられるか? (AFCチャンピオンズリーグ2009 GL第5,6節展望) | 蹴球雑記。

超過密日程を乗り越えられるか? (AFCチャンピオンズリーグ2009 GL第5,6節展望)

3月10日に始まったAFCチャンピオンズリーグ2009のグループステージも第4節までを消化し、
すでにグループリーグを突破したチームが出てきています。
今季、4チームが出場しているJリーグ勢も、
ガンバ大阪、川崎フロンターレの2チームが予選突破を決め
名古屋グランパスがE組の1位、鹿島アントラーズがG組の2位と好位置に付けているなど、
2008年に引き続き強さを見せつける形となっていますね。
(以下がJリーグ勢のいるグループの現在の成績)


グループE         勝ち点
1位 名古屋グランパス .  8
2位 蔚山現代         6
3位 北京国安      .  4
4位 ニューカッスル     4


グループF
1位 ガンバ大阪    .   12
2位 山東魯能         7
3位 FCソウル         4
4位 スリウィジャヤ      0


グループG
1位 水原三星         9
2位 鹿島アントラーズ    9
3位 上海申花         6
4位 アームドフォーシズ   0


グループH
1位 川崎フロンターレ    10
2位 浦項スティーラーズ   6
3位 天津泰達          2
4位 セントラルコースト    2



しかし、各組1位が予選突破となり、決勝ラウンドはホーム&アウェー方式で、
組み合わせは抽選によって決まった昨季までとはレギュレーションが変わり、
今季の決勝ラウンドの1回戦は一発勝負となり、
予選グループ1位のチームがホームで他組2位のチームと戦う
というルールに変更された為、
これからの第5節、第6節の結果がベスト16より先に進めるかどうかに大きく影響を与える事になります。
よって、まだ予選突破を決めていない名古屋、鹿島は当然のこと、
予選突破を決めているガンバ、川崎にとっても、残り2試合はとても重要な試合に。
そして、その重要な第5節が、5月5日、6日に迫っているわけですが、
Jリーグ勢にとって非常に困難な問題が待ち構えています。
その困難な問題というのは、


大型連休を利用した、12日間で4試合という超過密日程


25,26日にJ1第7節、29日にJ1第8節、5月2日にJ1第9節、そして5,6日にACL第5節と
中2,3日で試合をこなさなければならない状況で、
今後のACLの行方を決める試合が行われる事になっているんです。
これは大型連休による過密日程が強いられていない他国とは違った、
Jリーグ勢独特の大きなハンデとなる可能性が高いでしょう。
では、果たしてJリーグ勢はACLのグループリーグを1位突破出来るのか?
これから各組の第5節以降の展望をしていきたいと思います。



■1位突破がほぼ確実なガンバ大阪、川崎フロンターレ


まず、すでに予選突破を決めているガンバ大阪と川崎フロンターレですが、
この2チームの1位突破はほぼ確実
と言っていいでしょう。


ガンバ大阪は勝ち点で2位の山東魯能に5の差を付けており、残り2試合で1勝すれば1位での突破が決定。
第5節のアウェーでの山東戦で引き分けでも1位突破が決まります。
そして、例え負けても2点差以内に抑え、第6節のホームでのFCソウル戦が
引き分け以上なら1位突破が決まります。
決して油断できる相手ではないとは言え、おそらく大丈夫なはずです。


次に川崎フロンターレですが、川崎の現在の勝ち点は10で、2位の浦項とは4差。
こちらも残り2試合で1勝でもすれば1位での突破が決定。
そして第5節のアウェーでの天津戦で例え負けたとしても、
2位の浦項とのホームでの直接対決となる第6節で引き分け以上なら1位突破となります。


両チームとも次節はアウェーゲームのため、

この過密日程の中で結果を残すことは簡単ではないですが、

なんとか第5節での1位突破を決めて、第6節を余裕を持って迎えたいところです。



■第5節が正念場となる名古屋グランパス、鹿島アントラーズ


上記の2チームと違い、1位でグループリーグを突破するためには、
第5節の戦いが重要になってくるのが名古屋グランパスと鹿島アントラーズです。


まず名古屋グランパスですが、現在首位である名古屋の勝ち点は8。
2位の蔚山現代の勝ち点が6で、3位の北京国安と4位のニューカッスルがともに勝ち点4と、
東アジアの予選グループで唯一、どのチームにも1位突破の可能性があるという大混戦となっています。
混戦と言うことで名古屋は、次節のホームでの蔚山戦に勝利すれば1位突破が決定するのですが、
引き分けると第6節の結果次第となります。
そして5節のもう1試合の結果次第ですが、もし北京がニューカッスルに勝利し、

勝ち点を7に伸ばしてきたとしたら、第6節のアウェーでの北京戦に負けてしまうと予選敗退の可能性も。
ここはなんとしても次節の蔚山戦に勝利して、予選突破とともに1位突破を決めたいところです。


そして鹿島アントラーズは、勝ち点上は水原三星と同じ9ですが、
アウェーで行われた第1節の直接対決で1-4という完敗を喫しており、
トータルの得失点差よりも当該チーム同士の対戦成績が重視されるACLのレギュレーションにより、
現在2位となっています。
よって鹿島にとっても、首位の水原三星との直接対決となるホームでの第5節は、
とても重要なものになります。
もし鹿島が第5節での1位突破を決めたいのなら3-0での勝利、
失点した場合には4点差以上を付けた勝利(5-1、6-2など)が必要となります。
まあ、これらのスコアは現実的ではないので、第5節に勝利し、
第6節のアウェーでの上海戦に引き分け以上の成績を収める事が1位突破の条件
となるでしょう。
しかし、鹿島は水原戦を引き分け以下で終えてしまうと、ほぼ1位突破が絶望的となります。
(水原三星が第6節でスリウィジャヤに引き分け以下に終わるとは考えにくい)
そして名古屋と同じように、予選敗退の可能性も出てきます。
鹿島は、なんとしても次節の水原戦に勝利し、心理的に優位な状況で第6節を迎えたいですね。



■Jリーグ勢同士の直接対決もありうる決勝ラウンド1回戦


以上、Jリーグ勢のいる各組の今後の展望を行ってきましたが、
私がJリーグ勢に1位突破を求めた理由は、
一発勝負となる決勝ラウンド1回戦をホームで迎えられるからだけではありません。
その理由とは、決勝ラウンド1回戦の組み合わせはすでに決まっており、
Jリーグ勢の中で2位抜けのチームが出てきてしまうと、
1位抜けしたJリーグ勢との潰し合いが起きてしまう
からです。
(以下が決勝ラウンド1回戦の組み合わせ)


グループE 1位 × グループG 2位
グループF 1位 × グループH 2位
グループG 1位 × グループF 2位
グループH 1位 × グループE 2位


この組み合わせだと、
もしグループEの名古屋グランパスが2位で予選突破したとなると、
グループHで1位となる可能性が高い川崎との対戦

そして名古屋グランパスが1位で予選突破したとしても、
グループGの鹿島が2位に終わると名古屋と対戦
とどうしても、
Jリーグ勢同士の直接対決が起こってしまいます。
ACLでのJリーグ勢の直接対決は楽しみでもあるのですが、
できるだけ先に進んだ状況で見たいですからね。
そしてなにより、今季もまた、Jリーグ勢のACL制覇を実現するためには、
その可能性を少しでも高めるためにも4チーム全てに決勝ラウンド進出を果たして欲しいところです。


5月5,6日の祝日に開催される第5節。
ホームで試合を行うのは、厳しい状況に置かれている名古屋グランパスと鹿島アントラーズです。

この2チームが、重要な一戦を祝日にホームで迎えられるというのは何か運命的なものを感じます。

大型連休による過密日程はデメリットですが、ここはあえて幸運と受け止めたいところ。
ファンの方々はぜひスタジアムに足を運んで声援を送ってあげて下さい。
過密日程で心身共に疲れ果てているであろう選手達にとって、
サポーターの声援は力強い援軍となるはずです。