異色のダンサーに根岸祐衣さん28歳という方がいる。
聞いてびっくり‼
4歳から続けてきたバレエを一度諦め、全日本空輸(ANA)の客室乗務員として働いていた経験がある方が、新国立劇場というプロのカンパニーに入団するという極めて極めて珍しい方なんです
とはいえ、2012年にはスイスで行われた若手ダンサーの登竜門『ローザンヌ国際バレエコンクール』に出場し、同年に欧州のハンガリーへ留学をされています。
海外のバレエ団のオーディションを沢山受けて、その後自分に失望され
ハンガリーの学校卒業を機にバレエを諦めることになります。
帰国する時にはすでに客室乗務員を目指すことを決めていて、
半年間の受験勉強の末に短大に合格します。
幼いころからのバレエでの集中力が生きたんでしょうね!
振付を一度で覚える今までの習慣が、他の事に変更してもうまく順応できるようになるんでしょう。
客室乗務員の仕事は「ずっと続けていくはずだった」…
転機は急にやってきます。
2020年の4月以降、コロナの影響でフライトが激減
完全に休業せざるを得ない状況になりました。
それで、バレエのレッスンを本格的に再開
仕事をしながらも「趣味」として週に2回くらいは踊っていて、
コロナをきっかけに人生そのものについて改めて深く考え、時間的な余裕が生まれたことがちょうど合わさって、またバレエを本気でやってみたいと次第に思うようになったそうです。
人生は一度きり。今の自分の中の一番のプライオリティはバレエなんです。
自分の気持ちを大切にして、今は何も考えずに没頭したい。
そうおっしゃる根岸祐衣さんです。
社会人として働いた経験があるからこそ、改めてバレエの素晴らしさに気付くことが出来た。
客室乗務員の仕事で海外に行った際、業務外の時間で滞在先の劇場に足を運ぶ機会が何度かあり、自分がいざ踊らなくなって「観客」の視点でバレエを見てみると、気づいたことが沢山あったそうです。
自分が打ち込んでいた時は他人の踊りはすべて「良いもの」に見えていた。
いざ観客の立場になって見ると「この人の踊りが好き」とかそうじゃないとか、好き勝手に言えるし、むしろそれが正しい。
自分の内側ではなく、見る人やお客様に対して意識を向けるというのは、客室乗務員の業務を経験してこそ培えたもの。「お客様がいる」ということを意識すべきなんだと。
バレエって、身体で感情を表現して言葉を使用しないので、
踊る本人が、何を思って踊っているかが如実に現れたりするんですよね…
「覚悟」って大事なんですね