はい。みなさん、こんにちは。
カウンセラーの佐原です。
桜の開花宣言があったようですね。春です。
僕はというと、確定申告を頑張るつもりがコロナの影響で締め切りが4月に延期されたと知って、今は束の間の開放感を味わっております(先延ばしにした)
さて、今日は前回の続きで、
パートナーシップや人間関係を快適に長続きさせるコツです。
前回はムカッ!っとする度にスタンプを貯めている自分の心に気づきましょうというお話でした。
そして今日は、スタンプに気づいた上で、それをどう解消して行けば良いのか、というお話です。
人間関係やパートナーシップが上手で安定している人って、例外なくスタンプを減らすのが上手なんです。
外から見ていても、「あ、この人、今スタンプ解消してる!上手だな~」と感心することがあります。
覚えておいてください。
パートナーシップが長続きしたり、
人間関係が上手な人は例外無く、スタンプ減らしの達人です。
逆にスタンプを減らすすべを持っていない人は、人間関係において最終的には被害者のポジションを取ることになります。
そして代わりに吐き出しやすい身近な家族やSNSなどに吐き出すか、人と心理的に関わることをやめてしまいます。
それは大変もったいないことですね。
ということで、今日はスタンプを減らすすべを身に着けましょう。
【YouメッセージとIメッセージ】
スタンプを減らすポイントは、スタンプが3つくらい溜まってきたところで早めに相手に伝えることです。
それには慣れていないと最初は勇気が要りますが、そこはまあ、訓練です。(スタンプが多く貯まるほどに怒りのエネルギーが高まって、相手に伝えにくくなり勇気もよりたくさん必要になるので、早めに手を打つのがポイントです)
では具体的にイラッとした事実をどのように相手に伝えると角が立たず、スタンプ解消につながるのでしょうか。
その際にとにかく意識してほしいのが、Iメッセージ(アイ・メッセージ)です。
相手へのメッセージの伝え方には、You メッセージとIメッセージの2種類があります。
Youメッセージは主語が「あなた」になっているメッセージです。
例えば、
「なんで(あなたは)片付けてくれないの?」とか
「(あなたは)テレビばかり見て私の話し聞いてないよね?」というようなメッセージです。
これ、普通は言ってますよね。
ですが、このタイプのメッセージは相手への攻撃になってしまうので、だいたいの場合こじれます。
仮に黙って受け止められたとしても、それは相手が気持ちを飲み込んだだけであって、攻撃されたという事実はモヤッとした不満となって相手の中に残ります。
つまり相手の心の中にあなたに対するスタンプが増えてしまったということです。
これは避けたいところですね。
せっかく伝えたのにスタンプが減らないどころか、むしろ相手の中に増えてしまうのです。良くても、自分から相手にスタンプが移動しただけです。
お互いの間をスタンプが行ったり来たりしながら徐々に増えていく。それが仲違いしている夫婦間でよく起こっていることです。
(余談ですが、そのためカップルカウンセリングでは、カウンセラーの元でお互いに溜め込んだスタンプをカウンセラーに向けて吐き出してもらうことで、整理したり誤解を解いたり感情処理したりして、両者のスタンプを減らすことをやっていきます)
そしてYouメッセージの中でも特に「なんであなたは…」という「なんで?」や「どうして?」という疑問符を付けたYouメッセージには注意してください。
その言葉は相手の脳に問いを投げかけているので、相手の脳はそれに反応して勝手に言い訳を検索して、応答します。
このタイプのメッセージは疑問文である構造上、相手から自分の正当性を主張するような反論を引き出してしまうのです。
そのため当然ですが、相手からは言い訳が導き出され(本当はこちらが引き出しただけなのですが)それに対して、こちらは言い訳ばかりして誠意がない!と腹が立ってくるのです。
ということで、Youメッセージには注意です。
【Iメッセージは正直に自分を開く言葉】
ではどうすれば良いのか?
そこで出てくるのが「私」を主語にしたIメッセージです。
私はこう感じる。本当は私はこう思っている、という形のメッセージです。
「そういう言い方されると私は否定されたように感じて悲しくなる。」
「お願いしても服を片付けてくれないので、私は自分を否定されてるように感じて悲しい。」
というようなメッセージです。
そうすると、相手は「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったんだけど…、気をつけるね」と、素直に謝りやすくなります。
Iメッセージは自分の感情にベクトルが向かっているので、それが鏡となって、相手も自分の気持ちにベクトルを向けやすくなります。
つまり反省を促してくれるわけです。
相手も自分の気持ちに正直になった結果、「あ、傷つける意図は自分にはなかったな。でも確かに不注意だったな。そんな気持ちにされてたんだ。ごめん…」というような優しい気持ちを引き出すことができます。
相手を否定するのではなく、お互いに自分の心に意識を向けて正直な気持ちをより深く開き合うことを通じて、最良の関係性を模索していくようなコミュニケーション。
これを可能にするのがIメッセージです。
Iメッセージで心を開いて正直な気持ちを伝え合うことで、お互いに貯めてしまったスタンプを早めに解消することができます。
繰り返しになりますが、パートナーシップや夫婦関係のコツを一言で表現するとすれば、それは、
お互いに早めにスタンプに気づいて、早めにスタンプを減らす
ということに尽きます。
周りの人を見てみると、人間関係をフラットに快適に保っている人って、上手にそれをやっていませんか?
例えば、
「あのね。批判するつもりはないんだけどね。むしろあなたとこれからも仲良くして行きたいと思うから言うんだけど、怒らずに聞いてくれる?」
とか、そんな前置きを上手に使いながら、Iメッセージを使ってその都度スタンプを解消しているコミュニケーション上手な人が周りにいませんか?
その人は、早めにスタンプを解消することが当たり前になっているんですね。
モヤっとした気持ちを溜め込みすぎて怨念にまで発酵させる前に、Iメッセージで解消している。見事ですよね。
このIメッセージを使うには自分の不快感と向き合う「正直さ」も必要ですし、それを相手の前で開示するには「勇気」も必要です。
どちらも意識して養っていきましょう。
そしてIメッセージを使う際に、意識して欲しいポイントが2つあります。
【心が開いたタイミングに使おう】
1つは、スタンプを押す瞬間、例えばダンナが靴下を脱ぎ捨てたその瞬間にはIメッセージを使わないということです。
Iメッセージは内面を開示するとても繊細なセラピー的なコミュニケーションです。
なので、お互いが親密になったり正直に深い話ができるようなあらたまったタイミングに伝えるようにしてください。
そのような精神的な時間を作るのがポイントです。
そして、場合によっては、先の例のように前置きを伝えましょう。
「あなたとずっと仲良くしたいから言うのだけど、聞いてくれる?決してあなたを責めたいわけじゃないよ。」
そう言うことで、相手もあなたが軽口ではなく、ずっと考えて温めてきた気持ちを話すのだと思ってその場に敬意を払ってくれます。
日常的な場から、精神的な特別な場へと一度空間をリセットしてくれます。
そしてもう1つのポイントは、意図です。
Iメッセージで伝える意図は、相手への攻撃でも批判でも憂さ晴らしでもなく、
相手とより深い信頼関係を築くために、
そして自分も相手もどちらも被害者になることのない心地よい関係を築くためなのだということに設定してください。
そうしないと、例えば先のIメッセージ
「お願いしても服を片付けてくれないので、私は自分を否定されてるように感じて悲しい。」
これも、自分が被害者になることで相手に罪悪感をもたせるような、裏のコミュニケーションになりかねません。
そのため、意図をしっかり設定してください。
どちらも被害者になることなく、我慢することのない風通しのよい関係でいたいから伝えるのだと、その前提がとても大切です。
【目指すべき関係性】
いかがでしたでしょうか。
こういうお話をすると、なるほど…となる反面、なんかいまさら恥ずかしいな…という声も多いものです。(とても分かります(笑))
そこで、まずはIメッセージでお互いの本音を出し合う関係性を長期的な目標のイメージとして持ってください。
普段はお互い気恥ずかしいからおちゃらけていたとしても、いざという時は、どこかのタイミングで、お互いの思っていることをより深く誠実に開き合えるような関係。
そこを目指そうと、まずはイメージを設定しておきましょう。
相手と真剣に向き合った時の「自分への正直さ」や「相手への誠実さ」の強度さえ確かなら、普段はどんなにおちゃらけていても「こら!」とか悪態ついていてもパートナーシップは大丈夫です。夫婦は安泰です。
心は何重にも機能していますので、一番深いところで強く信頼関係が結べていたら、表面的には様々な遊び方ができるのが面白いところです。
そしてこの表面の言葉遊びの軽さと、真剣に向き合った時の心の正直さや深さ。その距離が大きいほどに夫婦やパートナーとの信頼関係は深まっていきます。
意識してみてくださいね。
難しければ、パートナーにこの記事を読んで頂いて、「で…。私にスタンプ押して無い? いま何枚目?」と聞いてみてください(笑)
この記事がお互いのスタンプ解消のきっかけになれたら幸いです。
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