『いっぱい悩んだ日々は けっして無駄じゃないから』


少女交響曲の一節である。

この言葉に救われた。

WUGに対する知識はほとんどなく、名前を知っている程度だったけれど、偶然聴いたこの曲のこのフレーズがとても刺さった。
当時進路で悩んでいた僕にとって十分すぎる言葉だった。


それが僕とWUGの出会いだった。


そこからは早いものだった。それほどに彼女達は魅力的であった。
アニメシリーズを視聴しブログを読みニコ生を観た。彼女たちが歩んできた軌跡を追体験しているようであった。出会いから一ヶ月、4thライブツアーに参戦した。言葉にし難い何か、確かな熱を感じ、改めて好きになった。

それからいろんなイベントに参加した。
参加する度に好きが増した。
終わりがくるなんて想像すらしなかった。



2018年6月15日。

WUGが3月をもって解散することが発表された。


正直、受け入れることができなかった。今も受け入れられているのかと言われれば、分からない。実感がない、という方が正しいのかもしれない。

そして迎えたHOMEツアー。

彼女達は毎公演ごとに進化していった。
毎公演ごとに最高を更新していた、そんなこと本当にあるのか、と思われるかもしれないが本当にそうだった。

アニサマ出演発表、SSAでのファイナルライブ開催発表。これらは元々は無かったはずの予定で。

叫んで、泣いた。本当に本当に嬉しかった。


どうやら、完結してたはずの世界は変えていけるらしい。

2019年3月8日。
Wake Up, Girls! ファイナルライブ 想い出のパレード当日。

僕は始発で物販に並んでいた。
声優現場に足を運び始めた当初こそ早起きして物販に並んでいたものの、参加数を重ね慣れていくに連れてそのような機会は減っていたのだが、この日は違った。
多少身体にムチを打ってでも並びたいと思った。
(それでも買えないものはあった。ワグナー、最後の最後まで枯らし力を発揮するな笑)

開演まではオタクと会ったり、公開リハに参加したり、円陣を組んだりしてすごした。
知らないオタクと肩組んであんなに大きな円陣作って。
すごいよね、ワグナー。



18時30分、開演。

1曲目。
WUGの始まりの曲。

「タチアガレ!」

SSAで歌う始まりの曲。そして原点とも言える制服衣装。
まさに想い出のパレードを始めるのにふさわしい選曲だった。

「16歳のアガペー」
純粋な気持ちを歌った曲。
サビで推しに対する好きを叫べる曲。
『まっすぐ 君の名前を呼ぼう』
全力で推しの名前を叫んだ。この瞬間が、好きだ。

「7 Girls War」
『いくぞ!がんばっぺ!Wake Up. Girls!』
7人の少女達の戦いの歌。 BtBもそうだけどこの曲もSSAが聖地なんだよね。歌詞の1つ1つが彼女達を表していて。アニメOP映像で広がったあの景色がたしかに今、ここにあった。

「ゆき模様 恋のもよう」
この曲はWUG曲史上最もキュンとする楽曲だと思う。この日ばかりは、WUGへの大好きだがSSAに散りばめられていた。

「言の葉 青葉」

『頑張ってねと かんたんに 言えないよ』

このフレーズはWUGだからこそ歌える歌詞のように思う。
WUGの歌詞って悩んでいる人だったりもがいてる人に寄り添う歌詞が多いんですよね。だからこそ惹きつける力があって。それはこのグループが結成された背景によるものが大きいと思うんですけれど。この話はまた別の機会にでも。


暗転し、7人のアイドル〜劇場版前後編までのWUGアニメのダイジェストが流れた。

これを観て、ポロポロと泣いてしまった。
2次を含めWake Up, Girls!が歩んできた道のり。2次も3次も背負っているものが大きい。だからこそ、応援したくなる。

ワンビリ、素顔でKISS ME、暴君。
最高に盛り上がった。特に暴君は推しメンのセンター曲ということもあってバチバチに湧いた。SSAで聴く暴君はいつも以上に輝いていた。

キャラソンメドレー1→Non stop diamond hope→ワグズーズー。
各メンバーがトロッコで客席を周りながら歌い繋いでいった。
たくさん近くまで来てくれるのがWUGなんだよね。でもそれは当たり前じゃないしWUG現場だから。今思えば、初めてのWUGライブの時もキャラソンメドレー1だったな。からのノンダイ。

『進む世界で 七色のキラメキ』

あれ、歌詞を打ってたら涙が出てきた。
きっと、彼女達の未来は明るい。

「HIGAWARI PRINCESS 全員ver.」
本来はプリンセスのメンバーがいて、その子が主役になる曲だけどこの日は全員がプリンセス。WUGって本当に全員が魅力的なユニットなんだよね。

「スキノスキル」「僕らのフロンティア」
WUGというユニットの可能性を広げたタイアップ曲。
個人的にスキノスキルのサビの振りがめちゃくちゃ好きなんですよね。やっぱりバチクソ可愛い。好きぴ。

「7Sences」「極上スマイル」
楽しくないわけがない!!HOMEツアー中に7Sサビ前まゆしぃコールが完成した時はちょっと泣きそうになったのを思い出した。
辿り着いた約束の地。

「雫の冠」
前2曲と打って変わってしっとりとしたバラード。楽しい曲だけじゃない。いろんな世界を表現できるWUGというユニットが大好き。

「少女交響曲」「Beyond the Bottom」
少女交響曲は僕をWUGに出会わせてくれた楽曲なので、いつもと違ってあまりコールはせず、噛みしめるように聴いた。
聖地SSAでのBtB、特別なもの。花道でみにゃみが「WUG最高~!」と叫んだ。アニメ再現で間違いなくエモいんだけれども、作中ではフェスでの出来事である。そのSSAをWUGは単独で埋めた。現実が創作を超えた。

ここからは新曲4曲。
不思議なことにファイナルライブを終えた後頭の中で流れていたのは「海、そしてシャッター通り」のまゆしぃ落ちサビのフレーズだった。
『リボンでありがとう 結ぶかのように
見つめながら 歩く 懐かしい 愛おしい 私の街』
WUGが東北に寄り添ったユニットだったから、なのかな。心に残った。ツアーで初めて足を運んだ仙台だったけどとてもいい街で。また遊びにいこうと思う。

「言葉の結晶」
世界観と圧のすごい楽曲。
SSAで曲中のあの無音を作り上げた瞬間は鳥肌がたった。
WUGは本当に底知れないユニットだ。

「土曜日のフライト」
『魂とプライド 証明をしないと』この歌詞がホントに好きで。これからの決意を感じた。

「さようならのパレード」
この曲はなんだかまだ解散を実感できていない僕らをWUGちゃん達が引っ張ってくれるような楽曲で。エモいの一言で片付けるにはあまりにも惜しい。WUG曲の良さである明るくない正直なフレーズが入りつつも、僕らの背中を押してくれる。また会いたいんだ。

アンコール一発目。「SHIFT」
ツアーで披露された時とは一つ違う点があった。
間奏の「鍵を探す」セリフパートが無い。
HOMEツアーpart1では、全7公演でこれを披露し、客席まで鍵を探しに行き、見つける演出があった。それが今回はなかったのだ。

もう探す必要はない。だって鍵なら見つけて来たから。
そう彼女達が言っているような気がした。

そして「地下鉄ラビリンス」
頭がおかしくなるくらい楽しいんだが???
「TUNAGO」
東北に寄り添った楽曲。初めてWUG現場にいく前のこの振りを急いで覚えたのを思い出した。アンコールの最後にこの曲を持ってくるの、そういうところ、好きです。

ダブルアンコール。
Polarisを歌う前に彼女達からワグナーへの手紙が読まれた。全てに触れると死ぬほど長くなりそうなので簡潔に。『見つけてくれて ありがとう』。この言葉には様々な想いが込められていると思う。一言じゃきっと表せない。見つけるのが遅くなってごめんね。それでも、輝くあなた達に出会えて良かった。
いま僕は、幸せです。ありがとう。

青山吉能さんの手紙の最後。
『私の決断が間違いでなかったと証明していく、青山吉能の人生第2章の始まりです。みんなの人生も、明日から第2章です』
決断はその時結果が出るのではなく、間違いでないと証明していくもの。そして第2章という言葉。そんな言葉選びをする青山吉能さんが本当に好きだ。

「Polaris」
センターステージで内向きの円になって踊っていた時、彼女たちは何を想っていたのだろうか。そしてオタクとの肩組み。会場全体が肩を組んで、歌う。繋がりを感じるというかなんというか。かけがえのない瞬間ってこういうことなのかもしれない。


会場に『Wake Up, Girls!』コールが響く。

トリプルアンコール。

笑顔で終わるのがWUGだよなぁ!?
まゆしぃの煽り。そうだよ、それなんだよ!!
あぁ、やっぱり僕はWUGが好きだ。

「タチアガレ!」

『もっと もっと 想い伝えたい
どれだけ傷ついても譲れないものがある
聴いて 聴いて 必死に歌うから
嗤われてもいい 負けはしない』

『タチアガレ!』

全てを込めて全力で叫んだ。



『以上、Wake Up, Girls!でした!』



こうして、Wake Up, Girls!のファイナルライブは幕を閉じた。


先ほど解散の実感がないと書いたが、ここ最近はそのままでもいいんじゃないかなと思っている。だって彼女達が生み出したものは消えるわけではないのだから。

ゆっくり時間をかけて向き合っていこうと思う。


最後に。

WUGに救われたのは出会いの時だけじゃない。
それからも悩むことはたくさんあったけど彼女達に力をもらえた。
不思議な話、WUGのイベントに参加した後って楽しかった!だけじゃなくて僕も頑張ろうって思える。

月並みな言葉にはなってしまうけれど、
Wake Up, Girls!に出会えて本当に良かった。彼女達にもらったもの、彼女達を通じて知れたこと、出会えた人、得たもの。



ありがとう。


ここから、第2章。彼女達も、僕らも。


2019.3.13  すぴ