日興コーディアル主催のセミナーにおける大前さんの講演です。

証券会社は「前半は景気が悪く、後半は回復する」と毎年言っている中で、
大前さんは景気低迷をハッキリ唱えている。

公聴者は年齢層が高く、所謂証券会社のカモになっている方達が多かったようですちょびひげ

講演内容は、世界に目を向けろ!というお話です。
日本の私鉄が日本の奇跡という話が印象的だった。


☆日本と世界

日本に投資してもリターンは小さいが、世界を見渡せばこの一年で利回り100%くらいになるトルコなどの地域がある。

高成長している国は世界に20ヶ国ほどあり魅力的である。

BRICs、VISTA、NEXT11とこれから成長する国に目を向けろ!

大前氏はVISTAではなくVITAMINと呼んでいる。VITAMINとはベトナム、インドネシア、タイ、トルコ、アルゼンチン、南アフリカ、メキシコ、イラン、イラク、ナイジェリア。

新興国は最新技術が必要なく日本の30年前の技術で十分だ。
定年で引退せず新興国で一旗揚げる事も可能!!

先進国の投資利回りは1~2%程度、新興国は30%ある。
先進国と新興国をミックスすることで、10%の利回りが期待できる。


日本の政治家の問題点は国内問題にしか関心がなく、全然勉強していない。
BRICs、BRICsと口では言うが、大前さんがとぼけてBRICsって何だっけ?と聞くと答えられない(笑)

大前「外務大臣が地図を片手に、空から北方領土の視察をしたが、グーグルアースの存在をしらないんですかねぇ?拡大、拡大すればヘリよりハッキリわかるのしタダなのに」(笑)

日本の私鉄文化は世界にはなく、東武や阪急などが鉄道から商業施設まで全てやったことにより、
スラム街が日本には存在しない。これをパッケージ化して、世界に売り込めば泣いて喜ばれる。



☆世界に存在する4つの地雷

①アメリカ、②ヨーロッパ、③日本、④中国

①アメリカはオバマ大統領の大きな政府主義でバランスシートの悪化。商業ビルが1~2年で不良債券化する。

②ヨーロッパはドミノ倒しで危ない。ドイツがどこまで支えられるか。ドイツにとってはユーロ安の恩恵を受けているので、ユーロから抜ける事はない。

③発行できる国債は残り160兆円、1年に40兆円づつで後4年。
その前に、アービトラージャーや格付けの低下が起こる。

④中国は不動産バブル崩壊の危険がある。投資目的で買った8000万戸の物件がある。
しかも、中国は売りっぱなしでトイレなども付いていないので、すぐに貸すこともできない。



☆個人として、国として何をすべきか?

個々人がライフプランを考える。
ハイパーインフレに備え、財務が健全な国に資産を移す。
中国、ノルウェー、ドイツ、オーストラリア、カナダ、流動性の高い場所の日本の不動産。


国としては道州制と少子化対策が必須。
少子化対策では、戸籍が問題。日本の病院で生まれたらどんな親、民族でも、即戸籍が発行されるデンマークのような制度が必要。


1時間があっという間に過ぎる講演であった。
世界に目を向け羽ばたく人やリスクをとって海外に投資する人が増えるといいなぁと思いながら、このブログを書いた。

日本には1400兆という国民資産がある。
政府に召し上げられるくらいならリスクをとって見てはいかがなものだろうか?





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