MAN | TAKの部屋

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ムラムラくんという、よく分からない人がよく分からないことを書くブログです。

す今回は1996年に発表されたアルバム「MAN」のタイトル曲『MAN』について。


過去に何度かチラリと触れたことがあると思うけど、

このアルバムはぼくがこの年の7月、16歳の誕生日に

当時の彼女からプレゼントとしてもらった

ある意味、とても思い出深い作品です。


覚えてるのが、CDの帯に書いてあった

「それまで彼を知らなかった MANを聞いた 泣いた」

という森 朝径さんのコメント。

その方がどういう職業の方なのか、未だに存じ上げないけど

このコメントは自分にもピッタリと合ったんですよね。


というのも、ぼくも『MAN』を初めて聴いたとき、

正確には1番のサビの部分、


願いなら叶えるさできるだけ君が望む様に

例えば新しい美しい世界君が見つけた時

そのドアを開けてあげるのはぼくの役目だと思う


でも君がもし君が最後の日本気の決断で

こんなぼくにさよなら言うことを静かに決める時だって

黙ってドアを開けて見送るのかと言えばそれは違う

矛盾しているけど


ここを初めて聴いた時に、自然と涙したんです。


高校1年生まで、家族や友人に恵まれ、何一つ不自由ない生活を送っていたぼくは

当時、ものすごく短気でわがままで優しくなくて、

何一ついいところのない人間でした。

でも、そんな人間でも

この曲の主人公のようになりたいと、思わせてもらいました。


結局ね、その彼女にそれはできなかったし、

その後もKANちゃんほど優しくはなれなかったけど、

あの頃に比べたらマシになったと自分でも思うし、

当時からの友人にもそう言ってもらえたから、

ほんの少しは成長できたのかな。

それはすべて、当時の彼女と、KANちゃんのおかげです。


なので、この曲はぼくにとってもっとも重要な曲の1つですし、

長くぼくの中での「最高の1曲」の候補でした。

それを去年のツアー、25歳で聴けて

すごく嬉しかったですね。


ひとつ付け加えるなら、

もしこの世にタイムマシーンができたら、

96年のライブツアーに参加したいんです。

当時16歳で、ライブに行くのはすごく勇気がいる年齢だったんですよ。

ただ、その2年後、ぼくがアイルランドから帰国してからは

急に勇気がでてきて、

改装前のクラブチッタへ全然知らない洋楽のバンドを見に行っては

後方にあったテーブルで

酒(といってもカクテル)をちびちびと飲みながらタバコをくゆらせる

なんてことをしちゃうようになったわけで。

ライブって、別に身構えるものじゃなかったのになあ…

ってのが後悔なんですよねえ。


ぼくのブログらしく、ニワカ的に楽曲を解説すると

まずアレンジとしては中期ビートルズ風というか、

多分、マジカルミステリーツアーに収録されている

『I am the Walrus』風ですね。

イントロが思い切り、そんな感じです。


そしてイントロは、前々回の『23歳』で解説した

コード進行が使われています。

この曲はB♭なのでコードとしては

B♭→A♭6→E♭onG→E♭m7onG♭→D♭onF→D♭m7onE→Cm7/Cm7onF→B♭

という展開です。

初めて聴いたときにコード進行を理解していたわけではないものの、

この時からぼくはすでに、この進行が好きだったんですねえ。


そして特筆すべきは、Aメロの展開。

Aメロの後半でB♭からD♭に転調するんですよね。

Aメロでの転調って、KANちゃんは結構やるんですが、

他のJ-POPアーティストではちょっと記憶にない気がします。

もしかすると、槇原敬之さんのようなピアノ系作曲家や、

aikoさんのようにKANちゃんに薫陶を受けた方なら

類似例があるかもしれませんが、

少なくとも、ぼくはこの時まで知りませんでした。


あと、間奏も個人的に大好きなポイントです。

間奏はAメロと同じ展開なんですけど、

キーが全然違うんですよ。

先程も言ったとおり、AメロはB♭なんですが、

間奏ではE♭なんですね。

これはキーがFのサビのあと、いわゆる大サビ的なものが追加されて、

そのままスムーズにE♭へ移行しています。

そしてキーこそ違うもののAメロと同じ展開で進み

自然にG♭に転調したあと、

最後だけちょっと力技でA♭m7からCm7へ全2音上げて

ごく自然にB♭に戻ります。

そこからはAメロに戻るので、ある意味間奏と同じ展開を繰り返すのですが、

ストリングスが入っていることとキーが変わっていることで

飽きさせないという工夫がされてるわけです。


KANちゃんはこのほかにも、サビやAメロといった既出の展開を

キーを変えて間奏や後奏に用いることが多い印象です。

この曲では元キーのB♭に戻りますが、

中には『カレーライス』のように、

元キーから見てもしれっと転調していた

なんて楽曲もあります。


KANちゃんはイントロや間奏の主旋律にもかなりこだわっているぶん、

異なる主旋律がいきなり登場したりもするのですが、

それが楽曲内に溶け込む理由は、

“過去と同じ展開だから聞きなじみがある”

というところに大きな要因があるのではないでしょうか。


そんなところにも気を配りながら

あらためて『MAN』というKANちゃんにとっての自信作を

聞いていただくと、

もしかすると、違った感想を持つかもしれません。


オリジナルは残念ながらサブシュクには入っていないものの、

「弾き語りばったり#19 今ここでエンジンさえ掛かれば」には

ピアノのみの演奏ですが、ライブ音源が収録されていますので、

ぜひ聞いてみてください。


というか、弾き語りの方が、「あ!今、転調した!」ってのが

感覚的には分かりやすいのでオススメです♪