人間学を学ぶ月刊誌 「致知」(2022年2月号より)

 

連載:20代をどう生きるか

2022年1月27日の木鶏クラブハウスでは 

大河ドラマ「天地人」の題字や

スーパーコンピューター「京」のロゴをはじめとする印象深い作品群、

国内外で展開する様々なパフォーマンスなど、

多彩な活動で注目を集め続ける書道家・武田双雲氏の記事をご紹介しました。

書のプロとして歩み始めた20代を振り返っていただき

そのエネルギッシュな活動を支える心術をいかにして養ってきたかを伺った内容でした。

 

自分の書に涙する女性を見て

 

双雲氏は23歳の時当時勤務していたNTTの女性社員に頼まれて筆をとり

その方のお名前を書いたとところ

「初めて自分の名前を好きになれた」と涙を流されたそうです。

書道ってすごいぞ・・と実感した瞬間でした。

 

双雲氏はその日のうちに会社を辞める決意をし 

「筆文字屋ドットコム」というサイトを立ち上げ、

名刺や表札などを筆書きするサービスを始めたそうです。

 

そしてオファー一つ一つに120%の力で答えているうちに

次第に噂が広まりマスコミの取材や講演・書籍執筆など

依頼が来るようになったとのことです。

 

双雲氏は書道教室を開いていたお母さんの元で

幼い頃から書の基礎を徹底的に仕込まれたました。

 

中高生の頃は勉強が好きではなく

先生とも友達ともそりが合わず

これをやり抜いたと自信を持って言い切れる物が何もない

モヤモヤした青春時代を送っていたそうです。

 

そんな自分の書が人から喜ばれ涙まで流してもらえた。

その感動が氏を書道家の道へ突き動かしたと語られています。

 

来る仕事は拒まない

 

今でこそ「双雲さんらしい字でお願いします」という

ありがたいオファーをいただくようになりましたが 

立ち上げたサイトでは

名刺や表札「スナックの看板を書いて欲しい」「社長の名前を欲しい」

「力強く」「柔らかく」「相田みつをふうに」などなど種々雑多でした。と語る双雲氏

 

私は来る仕事は決して拒まず

懸命に創意工夫を凝らして

一つ一つのオファーに応えていったのです。

 

そうした中思いがけず舞い込んできたのは

2009年のNHKの大河ドラマ「天地人」の題字の

オファーでした。

 

「あなたの字をインターネットで見て惚れた、これしかないと思った」と

プロデューサーからの電話が書道家冥利につきたと語っています。

 

20代の頃の自分は恥をかいたり怒られたりする事を恐れず

来た球をひたすら打ち返す毎日を続けていました。と双雲氏

 

「自分らしさというものは、社会と何度も何度もぶつかりながら

懸命に工夫を凝らし、それを乗り越えることを繰り返す中で、

少しづつ確率していくものだと思います。」

と20代に向けてのメッセージを送っています。

 

心のチューニング

私の一番好きな部分です。

 

書道は書き手の中だけで完結するものではなく、

見てくださった方から様々な反応をいただけるところに面白さがあります。と語る双雲氏。

 

先日の個展では漢字も知らないスイス人の方が私の字に大変感動してくれ、

人が感動するとはどういうことなのか深く考えさせられました。

 

「日頃から感じているのは

発表した作品は、文字の形だけでなく

その奥にある自分の生活もすべて見られていること。

いくら表面だけ取り繕っても嘘は絶対にばれてしまう恐ろしさです。」

 

双雲氏は続けます。

「そのことを踏まえて私が筆を執るときに常に心懸けているのは

エネルギーが綺麗かどうかということ。

邪念がなく、心が整った状態で書くことです。

 

といっても書く前に慌てて心を整えるのでは間に合いません。

平素から心を整えておくこと、

チューニングしておくことがとても大事です。

 

私も人間ですからネガティブな気持ちになることはよくあります。

けれどもその時間が少しでも短くなるように努めています。

ネガティブな感情は、引きずるとチューニングが難しくなるので、

すぐに応急処置をするように心懸けているのです。」

 

今は多くの人が心のチューニングをしないまま活動をしているため、

あちこちで不協和音が起き、

悩みや問題を抱えてしまっているのを感じます。

 

私はゲーム感覚で楽しみながら

この心の修行を徹底して重ねるうちに

日常の当たり前に思われるようなことにも

感謝できるようになり、

今では周りの人が戸惑うくらいの「感謝オタク」となりました。

 

私は書道家として様々な字を書きますが、

「感謝」という文字には確かに他の文字にはない特別な波動を感じます。

そして日常の何でもない事に感謝し続けていると

身の回りには自分にとって最高のものしかないことがみえてきます。

 

1本1本の大切さ

 

最後に双雲氏から20代の人へ向けたメッセージが続きます。

 

「私がこうした人格を作り上げることが出来たのは両親のおかげです。

私の両親は日常の何でもないことに感動出来る人でした。

そして私に対しても、学校の成績など関係なく

何をやっても絶賛してくれました。

 

おかげで幼稚園であめ玉一つもらっただけで感動し

周りの人と反りの合わなかった学校時代にも、

カーテンが風で揺れるのを見て一人で喜んだり、

身の回りの当たり前の事も楽しめる人間になる事が出来ました。

 

幼い頃に母から書道の手ほどきを通じて

1本1本の運筆の大切さを厳しくたたき込まれました。

筆の入り方、止め方、反り方、返しかた、

たった1本の線を書くだけでも注意を受けるポイントは無限にあり

1本の線次第で出来上がりが大きく違ってくることを

母は口を酸っぱくして私に教えてくれました。

 

これは書道に限らず、人生のあらゆることに通じる教えだと思います。

 

仕事についても同様で、

大事な仕事がどこかにあるわけではありません。

目の前にある一つひとつの小さな仕事に

120%の力で取り組むところから道が開けて行くのだと思います。

 

そして日常のあらゆる事に自分で意味をつくり

1日1日瞬間瞬間すべてに感謝し楽しんでほしい。

それが今20代を生きる若い方々に私が願うことです。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今回クラブハウスに参加して下さった皆さんからも

心のチューニングという言葉が胸に残りましたという感想を多くいただきました。

 

今を駆ける 武田双雲氏の記事を取り上げてくれた致知出版社に

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

今回ご紹介した記事は 人間学を学ぶ月刊誌「致知」 からお届けしました。

致知に興味のあるに方は

見本誌(バックナンバー)を致知出版社からプレゼントしていただけます。

 

 

 

紹介者情報: 待井恵理子(会員番号「20185305」

           メールアドレス supereriko999@gmail.com

 

♡木鶏クラブハウスのお知らせ

 

毎週木曜日夜8時~ 

クラブハウスにて

 

致知に掲載されている記事をご紹介し 

皆さんで感じたことなどシェアしています。

興味のある方は是非 遊びに来て下さい。

お待ちしています。