4.システムモニタソフト連携編

GOverlay 単体では表示できるセンサ情報があまりにも少ないので、ほかのシステムモニタソフトを同時に起動し、データを取得して表示させます。この場合、GOverlay とモニタソフトの両方を常駐させ動作させておく必要があります。

常駐ソフトをできるだけ排除したい、最速処理を維持したい場合は、むいていないかもしれませんが、昨今CPU性能やメモリ容量も余裕があり、また私の場合は今まで「8GadgetPack」+「System MonitorII」でPCモニタにガジェットを表示させ、常にPC状態を表示させていましたので、あまり変わりありませんでした。

余談ですが、GOverlayを付けようと思った理由の一つに、ゲームをフルスクリーンにした時に上記のガジェットが隠れて見えなくなってしまう、という点もあります。

GOverlay とモニタソフトを停止させ、CINEBENCH R23 でスコアの比較をしてみましたが、その差は134pts でしたので、全体で見ると1%以下の低下、処理速度の点ではあまり影響なさそうです。

 

GOverlayでデータを取得するには、システムモニタソフトが「AIDA64」、「Open Hardware Monitor」、「SIV-System Information Viewer」であれば標準でサポートされている様で、GOverlay側で特に何も設定する必要が無く、単にモニタソフトを走らせれば読み込むことが出来ます。

GOverlay の「Status」項目で上記のソフトが動いている場合、アイコンが緑色になり、確認することが出来ます。下の写真は「SIV」が動いている時の例です。

他の多くのモニタソフトにもプラグインを導入することで対応可能な様ですが、私の場合は上記ソフトで十分だったので、試していません。モニタソフトを変える場合、GOverlay のフォーラムに情報が出ていますので、参考になると思います。

 

モニタソフトが常駐し動いていると、前回説明した 「Quick Sensor Search」 ツリー上に項目が追加され、配置できるようになります。

下の写真は「SIV」の場合です。「SIV」のツリー下にハードウェア情報が表示され、SIVのほぼすべての数値が選択できます。

 

それぞれのモニタソフト側の設定、特徴を説明します。

 

AIDA64

かなり有名なモニタソフトです。表示項目が非常に多く、操作もわかりやすく、Windows のシステム情報なども表示可能です。

難点は有料である点で、最近はやりのサブスク制で、1年ライセンスで1万円近くします。1か月は無料で使えますが、さすがに私の様なたまにモニタするだけの用途では手が出しにくいと思っています。

 

下の写真の部分の設定を変えれば日本語化できます。

 

GOverlay で各センサのデータを取り込むためには、下のレジストリ書き込みの設定を有効にする必要があります。

 

GOverlay で表示させるために毎回手動で起動させるのは面倒なので、Windows起動時にAIDA64も起動させ、最小化してタスクトレイに常駐させると使いやすいです。

下の設定で常駐化します。

 

Open Hardware Monitor

こちらは無料ソフトです。以前ブログに書いた、プラットホームを変更する前のマザボで GOverlay を使用していた時に使っていました。

表示項目はセンサ類がメインで、情報量は少なめですが、GOverlay で表示させるには十分です。しかし、2020年から更新されておらず、今回プラットホーム変更でマザボを新しくしたため、冷却Fanの回転数などが読み込めなくなりました。

使いやすいので更新してくれるのを期待しています。

 

ダウンロードZIPファイルを適当なフォルダに解凍、OpenHardwareMonitor.exe

がプログラム本体ですので、ダブルクリックで起動できます。

 

Windows 起動時に最小化してタスクトレイに入れるためには、下の写真の「Options」項目の4項目にチェックを入れると常駐化します。

起動時の設定以外に特に設定を変更する必要はありません。

 

SIV-System Information Viewer

このソフトも無料ソフトです。表示項目の多さは AIDA64 に劣らず多彩で、同様にWindows のシステム情報まで細かく表示できます。

 

難点はその操作性と表示方式です。リスト形式を採用しており、最下部のプルダウン見出し項目から表示内容を選択し表示させますが、表示はデフォルトではリスト形式で表示され、慣れないと見ずらいです。

新しいプラットホームのマザボに変えてから、このSIVを使用していますが、もっぱらGOverlayにセンサ値を表示させるためだけに使用しており、詳しい使い方をいまいち把握しきれていません。

また、私の環境では、SIVの現在の最新 Ver.5.71 でなぜか GOverlay からセンサ値をほとんど読めなくなっていました。Ver.5.70 では問題なく読めます。何か設定があるのかとは思いますが、解決方法が見つかっていません。同様の症状が出ましたら旧Verを試してみてください。以下からダウンロードできます。

SIV のHP からダウンロードミラーサイトの 「FileHorse」をクリック、

リンク先から「Old Versions」をクリックして、「System Information Viewer (SIV) 5.70」をダウンロード。

 

※追記情報(2023.8.26)

2023.8.14にリリースされた SIV Ver.5.72 は正常に GOverlay からセンサ値を読むことが出来るようになっていました。何か変わったのですかね??

 

ZIPファイルを解凍し適当な場所へ移動、フォルダ内の「SIV64X.exe」が64bit版のプログラム本体ですので、ダブルクリックで起動できます。

 

 

Windows 起動時にSIV を自動起動させ、タスクトレイに最小化して入れるには少々面倒です。

画面の最下列にある「Status」の▼をクリック、

「Configure」 ⇒「SIV Autorun」をクリック、

「-TRAY」にチェックを入れ、「Create」をクリックします。

そうすると下の様に Dos窓が開き、自動起動が設定されますので、この窓を閉じ、完了です。

もとに戻したい場合は、「-TRAY」のチェックを外し、Create の下の「Delet」をクリックします。同じようにDos 窓が開き、設定を削除してよいか聞いてきますので、「Y」で削除します。

また、SIVの右上のプログラム終了"X"をクリックしてもタスクトレイに最小化して常駐させたい場合は以下の設定をします。

同様に、「Status▼」⇒ 「Configure」 と進み、「SIV Qualifiers」をクリック、

「-TRAY」にチェックを入れて、「Save」をクリックします。戻したい場合は、チェックを外してSaveです。

 

 

HWiNFO (2023.8.26追記)

HWiNFO Ver 7.X 以降でも GOverlay からセンサ値を読めるようになっています。

このソフトはAIDA64と同じような表示構成ですので、使い勝手は良好です。表示できる項目もAIDA64やSIVと同様に多彩です。

個人利用では無料ですが、 GOverlay から読み込むためには、下図の設定画面の赤枠部分の「共有メモリのサポート」にチェックを入れる必要があり、無料版だと12時間ごとに再度設定する必要があります。しかし、このアプリの稼働時間が積算ではなく連続で12時間の様なので、12時間以内にPCをシャットダウンしてアプリを終わらせれば再設定しなくて大丈夫と思います。12時間連続でPCを使うことが頻繁に無い方なら、無料版の場合SIVよりもこちらの方がセンサ値を見るのに便利です。

HWiNFO64プロにアップグレードすれば無制限に使用できますが、ライセンス料を払う必要があります。AIDA64と違って永久ライセンス版もあるようです。

また、センサのステータスウインドを開いていないと、GOverlayから値を読み込めませんので、Windows 起動時に自動起動&タスクトレイに最小化して入れる設定と合わせて、上図の緑枠の設定がお勧めです。

 

 

自分の用途に合ったモニタソフトを探し、連携できるか GOverlay のフォーラムで確認してみるのもいいでしょう。

 

今回私が設定したGOverlayの設定画面は、下の写真の様になっています。

SIVを使用した設定です。

上矢印 GOverlay のスクリーンショット機能でダウンロードした画像です。

 

上矢印 実機の写真

 

配置画面で CPU clock などのアイコンに斜めのダイダイ色の線が入っていますが、これは GOverlay のスクリプトを使用して、数値を加工している部分です。

RYZEN9 7950X3D  のCPUは、コアだけで16個もありますので、全てのクロックを表示させてはゴチャゴチャしてしまうので、CCD0側の8個のコアクロックのうち、最も高いクロックを抽出し表示させています。CPU使用率も最も高いものを表示させています。スクリプト機能を使って、この様な表示をさせることも可能です。

次回説明します。