大相撲初場所が国技館で行われていた時、所用で初めて両国を訪れた。
この間から、上京するたびに…当たり前の事ではあるのだが…東京は江戸だ、と思っていた。
先日、所用の後、ゴッホ展を観に上野を実に久しぶりに訪れた時は決定的に、そう思った。
私が何故、こんな至極当然の事を思うかと言えば、私は京都に住んでいない人間としては世界一、京都を訪れている人間だからである。
学校に通っている、会社に勤務していると言う意味ではなく、京都の町並みのみならず、京都御所、神社仏閣等を訪問する、という意味合いにおいて。
京都は平安から江戸の始まりまで、ずっと日本の都であった街である。
両国は葛飾北斎が生まれた町である。勝海舟が生まれた町でもある。
江戸の香りがプンプンする。
私は直ぐに気に入った。
お昼にJR駅の近所でちゃんこ鍋を食べた。これはもう本当に美味しかっただけではなく、価格もとてもリーズナブルだった。
さて本題である。
実にラッキーだったのが、駅の近所にある江戸東京博物館で大浮世絵展を開催中だった事。
歌麿、写楽、北斎、広重、国芳の5人の作品が網羅された大展覧会だった。
読者は御存知のとおり、私は、これはと思う展覧会は殆ど観ているが、この展覧会は圧巻だった。
何しろ、途中で、もう体がもたない、(良い意味で)もう勘弁して、と、有難い悲鳴を上げた初めての展覧会だった。
それでいて入場料1,400円は、史上最高のお値打ち展覧会だったのである。
最初の歌麿を見た瞬間から、「歌麿は凄い」と唸らされたわけだが。
日本人である事を誇りに思わされる天才たちが、後、4人続くのである。
全てを心研ぎ澄まして観れば3時間は必要。超贅沢な展覧会だった。
平日の午後である。
大変な人だったが、観客の大半は御婦人がただった。
日本の女性は世界一幸せで、世界一美的感覚に優れた、世界一知的レベルの高い人達である。皆が思い思いに女性として活躍して最高に幸福に生きている。
女性として活躍するとは会社員として働く事ばかりではないし、上場企業で役員になる様な事では全くない。
この世は男と女、その中で、女性として活躍し幸せに生きている。
世界一豊かで幸せで自由を満喫しているのが日本の女性である。
大満足した私は、初めての国技館をワクワクして訪れる事にした。
東京は今、至る所、工事中で、特に駅前は、目的地にスムーズにいけない場所が多い。
博物館から国技館までは直ぐのはずなのだが、迂回する必要があるように思われた。
丁度、近所に住んでいる主婦と思しき女性がいたので、道を確認したら、私が行く所ですから、一緒に行きましょうと言う。
聞いて驚いたのが、何と香港人だったのである。
相撲を観るために来日しているのだそうである。
私は拙い英語で、香港の人たちの頑張りは凄い。
感心しています等と話しながら入り口まで連れて行って頂いた。
そこで、更に驚いたのである。
私は小さい時から相撲観戦が大好きだった。
子供の頃は、頻繁に相撲を取って遊んだものである。
私は、相撲取りが、あんなに大スターだったとは思いもしなかった。
日本最高のスターであると言っても過言ではない。
若い子たちが流行りの歌手等に群がる事に感銘を受けることは無いが…へえーと驚きはする。
国技館に行って、相撲が国技であることを初めて認識したと言っても良い。
関取たちが国技館に入る道中が、ご婦人たちの出待ちで埋め尽くされている。
歩道にぎっしり、国技館の階段にも列をなしている。
その前を関取たちが三々五々入ってゆくのである。
「栃煌山だ」「栃煌山が見れたからいいや…」
実に良い光景だった。
両国駅の前には相撲博物館があり、その中に、原寸大の土俵がある。
私は初めて見た。驚いた。
その小ささにである。こんなに小さい土俵で、あんなに体の大きな力士たちが戦う。これほど驚異的なスポーツが他にあるだろうか。
この稿続く。