こんばんは。

大好きな安城市の在宅医療に貢献したい!

日だまり訪問看護ステーション

看護師 山田万理です。

 

 

「私ね3日くらい前にこの人に

言いたかったことをぜーんぶ吐き出したの。

すっきりしたわ。

この人の言うことが聴きとれなくて

聞き返すと怒ってくるから

一言一句聞き逃すものかって

高価な補聴器まで買ったの」

 

30分ほど前に

腎不全末期の夫を看取った妻が

在宅医が死亡診断書を

作成しているそばで言う。

 

雰囲気からして

温かいエピソードではなさそうだ。

「補聴器買って万全な体制で

どんなお話をされたんです?」

 

すると妻が意気揚々と

「私はあなたの見てくれが良くて

結婚したわけじゃないの。

九州の田舎育ちなのに

どことなく都会的な雰囲気で

勉強熱心なところに惹かれたの。

なのに結婚してみたら

威張ってるし、堅物で融通効かないし

ありがとうは言わないし

理不尽なことをしても

悪い事してもごめんなさいも言わないの。

あなたはたったの一度も私に

『ごめんなさい』と『ありがとう』を

言わなかったわねって言ってやったわ!」

 

「へぇ・・・

奥様からの長年の鬱憤を聴いて

ご主人は何と?」

 

「それがね、貝になったの。

いつもそうなの。

分が悪くなると黙るのよ。

だからね、私そういうところも

大嫌いだったわって言ったの」

 

妻の表情は晴れ晴れとしていた。

 

10日後、妻から電話が入り

「無事に葬儀を終えてひと段落しました。

自分が看取りができるなんて

思わなかった。

やれるだけのことをして

言いたかったこと全部吐き出したから

まったく悔いがありません。

みなさん(介護医療福祉事業所)

本当にいいお仕事をされていますね」

感謝と労いのお言葉を頂戴しました。

 

 

 

 

出会いは昨年の12月。

病院のMSWから

「もうひとり、透析非導入の

腎不全末期の方のご支援を

お願いできないでしょうか?

腎機能は以前相談した方よりも

良いですが、

せん妄で透析のカテーテルを

自己抜去して透析中止になりました」

と電話があった。

 

もうひとりと言うのは

愛妻が気がかりで退院を強行して

その愛妻に看取られた彼のこと。

 

妻から聞き取りをしたケアマネジャーいわく

腎不全末期で透析導入の話も出たけど

透析するなら施設入所しかないと

医師に言われて

在宅療養を決めたそうだ。

 

病状説明に立ち会っていないから

まったく理屈が分からないが

おそらく医師は、透析を始めると

介護が長期化して負担が大きいから

施設を勧めたのだろう。

せん妄状態で透析の命綱でもある

カテーテルを自己抜去するくらいだから

介護困難は予測される。

実際、初めて面談に伺ったとき

彼はつなぎの抑制着を着て

ベッドには移動できないように

体幹ベルトが設置されていた。

 

透析をしないのなら

入院の目的がないということで

訪問診療と訪問看護を導入して

在宅療養がスタートした。

この時は手引き歩行でトイレに

移動できる身体機能でした。

 

退院直後は頻回に訪問して

症状変化を観察すること

介護指導をすること

生活リズムを確立するために

特別訪問看護指示書が14日交付された。

この期間は医療保険の関わりになる。

 

訪問看護とデイケアを利用して

妻の介護負担を軽減していました。

デイケアはデイサービスと違って

機能訓練の意味合いが強い。

なるべく身体機能を維持して

廃用予防することが

介護負担の軽減になるし

本人は入浴して清潔が保たれるし

食事をして社会交流が図れます。

 

妻は料理上手なのだろう。

食べすぎるのか

飲水量が多いのか

彼の体重は退院後2週間で

3.2㎏増加した。

薬は確実に飲んでいるし

排便も規則的にある。

心不全のリスクが高くなった。

 

 

12/30緊急コールが入った。

「おとついから何か元気がなくて

今日はだるいから

デイケアをお休みすると言って

休ませたけど、血圧がいつもより低くて

脈が30回/分で呼吸が苦しそうです」

急行した。

 

脈が実測で40回

Spo2(酸素飽和度)は79%

意識はあるものの

直ちに酸素吸入しなければ致命的だ。

 

年末で、在宅酸素業者も調剤薬局も

長期連休に入っている。

24時間365日稼働しているのは

在宅医と訪問看護だけだ。

 

主治医に報告して救急搬送の指示があり

救急車を要請した。

心不全の診断で即日入院となり

点滴治療とNPPV(マスク使用の人工呼吸器)

装着して呼吸管理が開始された。

 

人工呼吸は人工栄養、人工透析に並ぶ

3大延命治療の1つで

気管内挿管して人工呼吸器を繋ぐ場合

2週間程度を目安に

気管切開することになる。

人工呼吸器からの離脱が難しく

半永久的に装着することが多い。

呼吸器管理は素人には大変で

かといって受け入れ可能な病院や施設は

狭き門になる。

NPPVはマスクだから

気管切開することにはならないし

離脱しやすいのが利点だ。

 

点滴とNPPVの心不全治療が著効して

1/17に退院が決まり

19日ぶりに在宅復帰しました。

心不全の改善はしても

筋力低下から歩行困難で

車椅子生活になり

食事でむせやすく

ST(言語聴覚士)と栄養管理士から

ミキサー食、とろみつきの水分が

必須条件だと指導されました。

短期間の入院だったけど

急速に身体機能が低下しました。

 

退院前にカンファレンスが行われ

これからの療養と介護

急変時の対応が話し合われました。

愛妻に看取られた彼同様に

三次救急対応の病院では

透析非導入の方が急変しても

受け入れは困難だと

病院から念押しされました。

 

『施設に入るか自宅に帰るか』

究極の選択を迫られました。

妻は

「もう一度家に

連れて帰ってあげたい気持ちはある。

でも、私のやり方が悪いと怒って

大きな声を出したり叩くなら

もう私は無理です」

在宅介護の意欲は見られました。

 

対して本人は

暴君だった自覚はあるのか

「できるだけ長く

できれば最期まで家に居たい」と

目を泳がせながら

弱気に本音を口にしました。

 

彼が自分らしく

生きることができるのは

暮らし慣れた家なのは明確です。

 

 

もし仮に施設を選択するなら

介護保険サービスを使って

①要介護3以上なら

『特別養護老人ホーム』

②在宅復帰が条件で

『老人保健施設』に入所

③訪問介護、通所、泊まりの

 サービスを1つの事業所が提供する

 『小規模多機能型居宅介護』

さらに

④訪問看護が加わった4つのサービスを

 一体的に提供する

 『看護小規模多機能型居宅介護

(通称:看多機)』 がある。

 

経済的に余裕があるなら

訪問看護ステーション併設の

サービス付高齢者住宅や

看護師常駐の

医療特化型老人ホーム

(ナーシングホーム)がある。

こちらの施設は24時間365日

いつでも連絡がとれる

医療機関と連携している。

 

話を戻して・・・

本人は家に帰りたい

妻は体力が続く限り

介護する意欲があるので

在宅復帰を目指すことになりました。

 

1日1週間1か月をどのように過ごすか。

本人は暴君だったことを

反省はしているが

人の性格は易々と変わらないから

妻が疲弊して燃え尽きるのが

目に浮かぶ。

 

長男の嫁(訳あって長男は別居)と孫

妻と4人暮らしで

嫁と孫は週末が休みなので

介護のマンパワーは確保できる。

 

ケアマネジャーに

介護保険の単位数が許されるなら

月~金はショートステイ

土曜日は隔週で訪問診療

日曜日は訪問看護利用を提案した。

訪問看護が体調管理をして

月曜日からショートステイに

行けるか判断できるし

妻の不安不満を聞いて

助言や介護指導ができる。

年中無休の日だまり訪看のメリットを

最大限利用して欲しかった。

 

退院日当日

訪問診療の時間に合わせて

ケアマネジャー、訪問看護師

ショートステイ先の相談員が集まり

サービス担当者会議が開かれた。

 

サービス担当者会議は

利用者と介護者のニーズを把握して

ケアマネジャーが作成したケアプランの

内容を確認して各職種が役割分担、

より良い支援方法を検討する会議です。

 

透析非導入の腎不全末期状態は

症状コントロール、苦痛緩和が難しく

今年6月に改訂された診療報酬で

緩和ケア病棟に入院できる

条件に追加されました。

それほどに

苦痛緩和が難しいのです。

 

緩和ケア病棟は今までは

「がん」や「エイズ」の患者さんが

利用する病棟でした。

「治すこと」が目的ではなく

痛みや息苦しさ、不安などの苦痛を

できるだけ緩和してその人らしく

穏やかな時間を過ごせるように

支援する病棟です。

 

 

会議で決めた関連職種の役割は

在宅医は言わずもがな

症状コントロールと苦痛緩和。

看護師は、健康管理と介護相談

緊急時対応、関連職種との関係調整

意思決定支援。

ショートステイの関連職種

(相談員、看護師、介護士)は

安全安楽に療養できるような

食事、入浴や清拭などの清潔保持

内服介助、健康観察

介護者の休息時間を作るという

重要な役割もあります。

 

相談員から

「急変した時はどのように

対応したらよいでしょう?

そもそもどのような状況で

報告相談したらよいですか?」と

質問がありました。

 

ショートステイは基本的に

看取り対応するサービスはないので

急変した場合は救急搬送のため

119番通報するのが通常です。

ですが、退院前カンファレンスで

救急搬送の受け入れはしないと

念押しされています。

 

 

在宅医と相談して

意思疎通や食事が困難な

意識レベル低下時

血圧80以下、Spo2:90%以下の

いずれかの状態で

訪問看護師に報告してから

直ちに自宅へ

移送することになりました。

看護師は自宅で待機して

状態観察をして在宅医に報告

指示確認をします。

 

本人はショートステイ利用は

消極的でしたが

妻の介護負担を軽くしないと

家で過ごせないことが分かっているので

「行くしかないな」と

渋々承知しました。

 

方向性が決まってから妻が

「病院の看護師さんに形のあるものを

食べさせたいと言ったら

強い口調で怒られました。

でも、帰って来てから

大根の煮物を美味しそうに

むせることなく食べたんです。

本当にダメなんですか」

禁止事項を破ったことを

懺悔するかのように

医師と看護師の顔色を

うかがいながら聞きました。

 

短期間の入院中に嚥下機能が評価され

今後の栄養管理を左右するような

強い指導が入ることが多いです。

でも実際は、

病院の食事が美味しくなくて

摂食拒否した結果、胃ろうを造って

人工栄養を開始した方が

生命維持に必要なカロリーを

口から摂れるようになって

人工栄養を卒業することもあるし

地道な努力で嚥下訓練して

必要量を食べれるようになる人もいます。

 

在宅医はそのような人を何人も見ています。

「会話ができる程度の覚醒状況で

椅子に座って食べるなら

何も制限しません」と言いました。

看護師からは、むせなくても

誤嚥性肺炎を起こすことはあるので

38℃を超える熱が出た時、

食物残渣がのどに

いつまでも引っ掛かっていたり

ゴロゴロと音がする時は

報告してください。

なにより食後はお口のお手入れを

忘れずに」と助言しました。

 

奥様はホッとされたようです。

「食べさせていいのね!」

 

こうして新生活が始まりました。

しばらくは穏やかな日々が続きました。

 

3月中旬頃から

利尿剤の反応が鈍くなり

尿量が減り、体がむくみ始めました。

妻から質問されました。

「食欲はあるけど欠かさず読んでいた

新聞に目もくれないし

食事以外はベッドで寝ています。

これからどうなっていくのでしょうか」

 

食事が摂れなくなって

尿量が減少したら

ガタガタと体調が崩れ

早ければ1か月以内に

看取りになりそうな状況でした。

 

退院前カンファレンスで

体力が続く限り介護をすると

話していた妻は

家で人が死ぬという経験をしておらず

看取りの覚悟はありませんでした。

 

ケアマネジャーに会議の開催を

依頼しました。

本人は最期まで家に居たいと思っていても

家族の介護力、覚悟なくして

自宅看取りは叶わないのです。

 

在宅医にも確認して

予後1か月程度と見解があり

これからをどのように過ごすか

介護の限界はどこか

関連職種はどのように連携して

支援していくかを

話し合う必要がありました。

 

 

 

 

4月17日

在宅医の見解を前もって確認しておき

妻、ケアマネジャー、看護師

ショートステイ相談員で話し合いました。

 

まず、妻の健康状態を確認して

早朝のラジオ体操に欠かさず参加して

体力維持に努めていること

血尿が出て悪性腫瘍が疑われたが

否定されて体調は良好と言います。

次に、

医師に3月下旬に確認した

予後予測を伝えて看取りの不安を

語ってもらいました。

 

「主人が苦しむ様子を見るのが怖い。

痛みでもがいて苦しみながら死ぬなら

病院の方がいいと思う。

でも意識がはっきりしていて

食事を美味しいと言って平らげるから

今、入院させるのはかわいそう」

と言います。

 

腎不全は『がん』と違って

痛みを生じることはなく

尿が出なくなると尿毒症といって

眠っている時間が長くなって

深い眠りになり

穏やかに意識が遠のくことが多い。

一方で、息苦しさや痒み

浮腫みで体が動かしにくくなる。

でも苦痛緩和の対処法はあるし

福祉用具を工夫することで

安楽で介護がしやすい環境は作れる。

不安なことがあれば

いつでも看護師に相談して良いし

状況によっては深夜問わず

駆けつけることを伝えました。

 

さらに、療養の場の提案をしました。

看取り期なので今の時点で

在宅医と病院との医療連携で

療養病棟に入院はできるだろう。

でも、病院は宿泊施設ではないから

本人が望まない医療(例:点滴)

望まない処置(例:身体拘束)は

されるだろうし

妻の料理を食べたいときに食べることは

不可能で規則に従わないといけない。

 

医療特化型老人ホームなら

いつでも面会できて

差し入れも許可されると思うが

早めに動いて見学、施設と面談して

空いたタイミングで入所することになる。

 

別の方法として

看護多機能型居宅介護(看多機)に

切り替える方法がある

ということを説明したら

看多機サービスも提供している

ショートステイ相談員が

看多機に移行すると在宅医のみが残り

看取り(死亡診断)はできるが

ケアマネジャーと訪問看護は

変更になるから

せっかく築いてきた信頼関係を

失うことになるが

それでもよいかと意見があった。

 

さらにケアマネジャーからは

医療特化型老人ホームに入所した場合も

訪問看護事業所が変更になると

伝えられた。

 

妻は

「日だまりさんと関係が切れるのは

すごく不安です。

今までも相談したら

すぐに対応してもらってきたから

このまま家で介護したい。

あと1か月程度なら頑張れると思う」

と言いました。

 

妻がのっぴきならない理由で

介護ができない状況になったら

看多機に移行すると結論が出ました。

 

話し合いから数日後

ショートステイ相談員から

相談が入りました。

「利尿剤の反応は鈍くて

体重が2か月で10㎏増加した。

血圧も160~180台と高い。

寝ている時間が長くなってきて

就寝中に心肺停止する可能性が高く

施設看護師が夜間の急変対応に

強い不安を感じている。

訪看さんとどのように連携するか

決めておきたい」

という内容だった。

 

在宅医にも相談して

収縮期血圧90以下、Spo2:90%以下

食事が連続して3食摂れない

24時間以上排尿が確認できないときは

日勤帯の17:30までに

施設スタッフがご自宅に移送して

訪問看護師が待機して

状態観察をする。

場合によ在宅医に

往診依頼することにしました。

 

その時点から

ショートステイは利用中止

毎日訪問看護に切り替えることも

本人と妻、関連職種で共有しました。

 

 

 

 

4/26妻から緊急コールが入った。

「傷から汁がたくさん出て

パジャマが水浸しになってます。

熱も39℃と高くて反応が鈍いです」

 

声をかければ目を開けるが

言葉は出ず寝ていきます。

パジャマの左腕部分が

血液と浸出液で赤く染まっていた。

そっとめくると

10㎝大の皮めくれがありました。

「一昨日、ベッドからゆっくり

ずり落ちてしまって嫁さんと

二人がかりでベッドに寝かせた時に

皮がむけちゃったみたい」

 

2か月で10㎏増えた体は

全身がみずみずしく浮腫み

皮膚が突っ張っているので

少しの刺激で傷ができます。

水風船に水を入れすぎると

爆ぜて割れるのと同じ原理です。

 

このような状況で入浴介助して

保湿剤を塗り込んで

傷1つ作らなかったショートステイの

スタッフさんの職業魂に脱帽です。

感謝しています。

 

腎不全末期の状態で

傷に菌が入り込むと敗血症になって

致命的になることが多い。

腎不全は使える抗生剤に限りがある。

在宅医に相談したところ

抗菌剤の軟膏が処方されました。

まずは体を拭いて着替えて

傷は応急処置をしました。

発熱時のために処方されていた

解熱剤の座薬を使いました。

言葉が出ないのは

熱にうなされている可能性が

高かったから。

 

妻はいつも自転車で薬局まで

薬の受けとりに行くけど

本人のそばに誰もいない状況を

作るのがこわかったので

私が走りました。

 

軟膏を受け取りスタッフが

処置に向かった時には

解熱剤が効いたのか

べらべらしゃべっていて

話し続けるから口が渇いて

まあまあ大き目の氷を

寝たまま舐めていたそうです。

 

体を起こすのがつらい状況なので

むせないように横を向いて

氷を小さくして口に含むように

助言したそうです。

 

18:00妻から緊急コール

「胸が苦しいと言ってうなってます。

聞こえます?

どうしたらいいでしょう」

本人の大きな声が聞こえてきます。

 

訪問すると

熱が38℃近く左胸を痛がっています。

Spo2は90% 肺音を聞くと

雑音が聞こえました。

気を付けていても誤嚥していました。

肺炎になりかけているけど

痰のごろつきはなかったので

吸引はせずに見送りました。

今からは小さな氷も中止して

スポンジブラシで口を湿らせることを

助言しました。

興奮状態なので医師に相談したら

デパス錠(即効性の高い抗不安薬)が

処方されました。

左胸の痛みは心臓からではなく

肺炎からなので

解熱鎮痛剤の座薬を使いました。

 

本人のそばには妻だけでなく

別居中の息子さんと

愛犬を抱っこしたお嫁さんがいました。

こういう時、妻をひとりきりにしない

ご家族の温かさが沁みます。

 

便が出ていたのでキレイに洗って

オムツを変えて座薬を入れてから

薬の受け取りに走りました。

急いで戻り薬を砕いて溶かして

スポンジブラシに浸して

口に含ませました。

大声を出して喉が渇いていたので

グイグイ吸い付きます。

 

30分くらい経つと

「痛くなくなった。ああ、楽だ。

ありがとう」と

穏やかに言います。

カロナール座薬の効果が先に出て

デパス錠も効き始めたようです。

 

長男家族の愛犬を撫でながら

話かけています。

「義父さん、その名前って

義父さんが昔飼っていた犬の名前じゃん。

ついに呆けたかね?」

と言ったら

「うるさい、俺はまだ呆けとらん」

と力強く応戦しています。

妻が

「やれやれ落ち着いたわ。

もうこんな時間だから寝ましょう。

はい、消灯!」

時刻は20:20

 

妻と息子さんに

何が起きてもおかしくない

厳しい状況で

心肺停止を確認したら

救急車は絶対に呼ばずに

看護師に連絡することを伝えて

退室しました。

 

日をまたいで5:30妻から

「主人が息をしていません」

連絡が入りました。

訪問して医師に連絡します。

 

4月28日 午前6時34分

旅立ちの時が告げられました。

 

そして冒頭に戻るのですが

私は苦痛がない穏やかな状況で

『ありがとう』と感謝を伝えたり

『ごめんなさい』を伝えて

和解してわだかまりを解消することが

穏やかな看取りだと思っています。

でも、今回のように

長年溜め込んでいた不満を吐き出して

それを受け取った本人が

あの世に持って行って

昇華させることが

悔いの残らない看取りに

なるのだと知りました。

 

透析非導入の腎不全末期の

看取りが続いたので

デスカンファレンスを

日だまり訪看主催で開催して

関連職種で振り返りました。

 

共通点や学びがあり

2例ともこれからもこのメンバーで

お仕事したいねと言い合えることが

幸せでした。

次回はカンファレンスの振り返りを

記事にしたいと思います。

 

 

それでは今日はこの辺で。

最後までお読み頂き

ありがとうございました。