こんばんは。

大好きな安城市の在宅医療に貢献したい!

日だまり訪問看護ステーション

看護師 山田万理です。

 

私は看護師になって26年目ですが

職場以外で人命救助するタイミングが

4~5年に1回やってきます。

 

 

 

まず最初は

高校生の息子が乳飲み子で

チャイルドシートに座っていた頃。

 

東京から幼馴染が帰省して

ランチを食べに行くために

車移動していたら

自転車に乗ったまま歩道橋に

しがみついてるじいちゃんがいて

ランチして帰るときにも

まだしがみついていた。

 

これはなんかおかしいと思い

車を道路の端に停めて

息子の世話を幼馴染にお願いして

状態観察に向かいました。

 

うつろな表情で会話ができなかったので

ひとまず自転車から下ろして

地面に座らせたら座ってられなくて

寝転がってしまいました。

 

救急搬送しなきゃ!

 

ところでこの人は一体誰だろう?

意識障害の原因は何だろう?

 

脳卒中?

糖尿病の低血糖症状?

 

自転車を見たら住所が書かれていた

けど

電話番号がかすれてて

連絡先が分からない

 

「失礼しま~す」と声掛けして

一応同意を得て?バッグの中を確認。

 

インスリンが入ってる!!

 

やっぱり低血糖症状だったか。

インスリンはあるのに

ブドウ糖や血糖を急速に上げる物が

何も入っていない。

 

さっきまでやり取りできていたのに

声掛けしないと、うとうと寝ていきます。

 

まずい、時間がないアセアセ

急がなきゃ!!

 

通りすがりの人を捕まえて

自販機で炭酸ジュースを買ってくる

(ファンタグレープは恐ろしいくらいの糖分です)

もしくは

近所のお宅から砂糖水をもらってくる

どちらかお願いしますと伝えたら

切羽詰まった私の顔を見て

近所のお宅をピンポンしてくれました。

 

砂糖水が手に入ったので

スプーンで少量ずつ

むせない程度に口に運び

通りすがりの人に

救急車を呼んでもらいました。

 

救急隊員に状況報告して

固定電話が主流の時代だったからか

救急隊員が住所で電話番号を検索して

(警察に連絡したのかも?)

家族に繋がりました。

 

ひとり暮らしじゃなくて良かった~。

 

ご家族に搬送先の病院に

向かってもらって一件落着。

 

清々しい気持ちで車に戻ったら

ギャン泣きする息子と

オロオロしながら

「私、おっぱい出ないんだよ~」と

涙目の幼馴染が待っていた。

こっちはこっちで

緊急事態が発生していたダッシュ

2人ともごめん。

 

 

その次は息子を保育園に迎えに行く途中

自転車同士が衝突して

ばあちゃんが倒れて

荷台のものが散乱するのを目撃。

 

ばあちゃんの頭から血が流れていて

ぶつかった小学生が逃げていったけど

小学生を追跡するより

ばあちゃんを何とかしなければと

ひとまず車から降りて観察。

 

保育園から救急箱を

借りてくることも考えたけど

頭部の外傷は侮れないから

やっぱり救急搬送することにしました。

 

名前と住所、電話番号が言えたので

助かりました。

救急搬送がスムーズでした。

「何か手伝えることがありますか?」

と声をかけてきた高校生男子は

きっと素敵な大人になっただろうな。

 

いつもよりお迎えが遅くて

不安になったのか私の顔を見るなり

走って飛びついて来た

可愛い息子の姿を記憶しています。

 

 

次は息子が小学3年生の時。

「かあたん、出番だよ。

急いで、僕についてきて!」

息を切らせて走ってきて

私の手を引っ張ります。

 

息子に手を引かれて走ったら

道路の真ん中で人が転がっています。

 

近づいたら

ものすご~くお酒臭い。

酔っ払って寝てしまったみたい。

手にしているビニル袋にも

チューハイ、カップ酒、ビール生ビール日本酒

たくさん入っています。

 

こんな迷惑な大人を心配して

息を切らせて走ってきた息子が

不憫でならないわ。

 

ひとまず邪魔にならないように

通りすがりの人と道の端に寄せて

そのまま放置するわけにもいかず

救急車の無駄使いだと思いながらも

救急搬送しました。

 

救急隊員の一人が小柄な女性で

(145cmの私よりは大きいが)

まなざしが凛としていて

テキパキと対応していて

すごくかっこよかったキラキラ

小柄という共通点だけで

お互いの使命を果たす

同志のように感じたのです。

 

 

 

 

 

次は京都駅構内です。

「医療従事者の方はいませんか?

ご協力をお願いします」

アナウンスが流れました。

 

現場に行くと

階段から転落したと思われる男性が

頭から多量の血を流して倒れていました。

意識はありません。

 

でもこの方はラッキーでした。

周りは医療従事者だらけだったのです。

なぜなら構内は

学会の最終日で帰宅の途に着く

医療従事者で溢れていたから。

 

この時の人命救助は

一生忘れることはありません。

見ず知らずの医療従事者が

ワンチームになり救ったのです。

 

心臓マッサージを交代しながらする人。

この人が一体何者かを情報収集する人。

茫然と立ちすくむ奥さんの背中をさすり

フォローをする人がいて。

 

この時にリーダーシップを発揮した

女医さんがかっこよかった!

 

駅員が運んだAEDが到着するなり

服を脱がせてパット装着して

「みんな離れて!」

と除細動かけて

救急隊員が到着したら

「私が乗っていくわ。急ぐわよ!

処置の指示するから

あなたたちは少しでも早く病院に繋いで」

 

ドラマかと思ったわ。

いやドラマじゃなくてリアルだわ。

かっけぇー!!

 

 

 

 

今年の正月にも人命救助しました。

訪問先に向かう途中、左折したら

うつ伏せで人が倒れていました。

少し先に一時停止している車から

人が降りてきました。

 

交通事故か?

 

車の運転手に

「轢きました?」

なんて失礼なことは聞けなので

「倒れていましたか?」

と聞いてみた。

 

転んだのか分からないけど

うつ伏せに倒れるのを目撃したそうです。

救急車を呼んだ方がいいと思うけど

どうやって呼ぶのか分からないと。

 

「救急車要請でしたらお任せ下さい。

ただ私、方向音痴で道案内が苦手なので

どこに向かえばいいか聞かれた時に

今いるこの場所を

説明して頂けますか?」と

お願いしました。

 

目撃者はパニック状態だったと思います。

「救急車って何番でしたっけ?」

 

「ん? 119ですね」

 

私は救急隊に情報を渡すために

状態観察をして

この人がどこの誰で、持病はあるのか

倒れるまでの経過を

聞き出さなければいけません。

 

肩をトントンしながら

「こんにちは。声が聞こえますか?

聞こえたらお名前教えて下さい」

と声をかけ

 

「痛い・・・。寒い。

名前? ○○だ。」

意識状態を確認しながら

パルスオキシメーターを着けて

(訪問先の移動中だったので

血圧計やら商売道具を持参していました)

酸素飽和度と脈拍

ケガの有無と程度を把握。

 

橈骨動脈(親指側の手首で触れる脈)が

触れれば血圧は80以上あるので

血圧は維持しているのを確認して

生命の危機的状況ではないと

判断しました。

 

今の状態が急激に悪化するリスクも

少ないと判断しました。

 

顔面にかすり傷程度なので

体を動かしても大丈夫そうです。

車が通れず渋滞を起こしそうだし

二次被害が起きてもいけません。

 

通りすがりの外国籍の3人組に

声をかけてジェスチャーで

運ぶ場所を指示して

安全な場所に移動してから

一体この人は何者で持病があるのかを

調べることにしました。

 

よく見ると

膀胱留置カテーテルが入っていて

尿バッグを下げています。

ということは

泌尿器科の病気があります。

 

この医療処置は病院でしているのか?

訪問看護師が自宅でしているのか?

 

お母さん

「○○さん、おうちに看護師が来てます?

かかりつけの病院はどこですか?」

 おじいちゃん

「難しいことは分からん。」

 お母さん

「分からない?お年はおいくつですか?」

 おじいちゃん

「90は過ぎたと思う」

 お母さん

「おひとり暮らしですか?

ご家族と暮らしてますか?」

 おじいちゃん

「耳が遠いばあさんとふたぁりの

高齢世帯だ。家はあっち。」

 

あっちってどこまであっちなのよアセアセ

 

あ! 杖が転がってる。

杖にきっと住所や名前が書いてある。

 

チーン・・・タラー

文字が薄くなっていて判別不能

困った。

この人誰なんだろう。

どこに住んでるんだろう。

 お母さん

「家の近くに目印の建物ないですか?」

 おじいちゃん

「○○住宅の☆棟だ

何階か? 難しいことは分からん」

 

ちっとも難しい事じゃないはずだけど

認知症か?

90代なら年相応とも言えるか。

 

おや?

○○住宅の☆棟に日だまりの

利用者がいるじゃないか!

そして私は

町内会長を知っているじゃないか!

 

やった~! 道が開けたキラキラ

 

町内会長の連絡先は

事業所のファイルにあるので

事務員が探す手間を省くために

同じ棟に住むひとり暮らしの

利用者さんに連絡しました。

 

おひとり暮らしや高齢世帯を

民生委員さんが声掛けや見守りをして

生活状況を把握していることが多いのです。

 

担当の民生委員さんを確認してから

すでに到着して

搬送先の病院をあたっている

救急隊員に知らせました。

 

私は仕事中で

その後4件の訪問を控えていたので

救急車に同乗できません。

せめて見ず知らずのその人と

繋がりのある人の連絡先を確保して

引き渡したかったのです。

 

私は私の仕事をしなきゃならんので

救急車が出発するのを

見届けることはできなかったけど

日だまりの利用者宅に向かいながら

私はいついかなる時も

看護師なんだと実感しました。

 

訪問看護師になって9年目。

安城でお仕事して8年目。

 

大好きな安城市と訪問看護師の私が

切っても切れない関係になってきて

地域医療に貢献できる喜びが

沸々と湧いてきます。

 

 

 

 

今日、幼馴染から義母さんの

健康管理について相談されました。

話に出てくる医療機関や

地域包括のスタッフは

知っている人ばかりで

その人たちと連携したら

幼馴染の義母さんが

穏やかに幸せに暮らせるお手伝いが

できそうな予感がしています。

 

安城市で活動して8年目。

時間はかかるけど諦めずに

こつこつと努力を重ねれば

まいた種が花を咲かせ実を結びます。

 

私が適応障害からうつ状態になったときに

小学4年生の息子がくれた言葉を

思い出しました。

 

「かあたんは

大きくてキレイな花を咲かせる種だよ。

ふかふかの絨毯みたいな土の中で

太陽の光をたっぷり浴びて

お水をたくさんもらったら

ぐんぐん伸びて

キレイな花を咲かせるから大丈夫!」

 

振り返ると人命救助したそばには

消えてしまいたいと思っていた

私の命を救ってくれた

息子がいることが多い。

 

こんなにも素敵な言葉をくれた息子は

覚えてないやって言ってたけどアセアセ

 

息子は大学受験生だというのに

よく寝るし遊ぶし

勉強している姿をあまり見かけない。

この子の未来はどんなだろうと

不安や焦りがないわけではない。

 

でも健康でいてくれて

「ごめんなさい」と

「ありがとう」が言える

素直な人でいてくれたら

それで十分だとも思っています。

 

息子の受験初日は1月28日。

頑張れ!! 

母も訪問看護のお仕事を

これからも頑張るよ。

 

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高校3年生の看護師を目指すキミたちへ

 

看護のお仕事は尊いです。

将来一緒に働く日を楽しみにしています。

風邪ひかないように

温かくして勉強して

ご飯をしっかり食べて睡眠もとって

受験を頑張って下さいね。

応援しています! 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

 

 

それでは今日はこの辺で。

最後までお読み頂き

ありがとうございました。