BLです

ご注意ください













翔ちゃん



ん?



なんだろね…人間て



ぅんー…?



苦しい時に限って、幸せだった瞬間を
思い出さない?



あぁ……うん、そうかもね……



人間は都合良く出来てるよ



それはさぁ…そうしないと
立ち上がれないからじゃない?



あぁ……うん、そうだね
過去に逃げるんじゃなくて、進む為?



うん…ニノ式で言えばさ
HPを回復する為に必要なものなんだよ



俺式?(笑)んふふ、上手いこと言うね
なら、分かりやすくベホマとか
呪文唱えて簡単に回復出来たら良いのに



ニノの、その呪文に相対するものは
雅紀の笑顔なんじゃねーの?



………そうだね
……あいつの、笑顔が見たいなぁ



ふはっ…珍しく素直だね



は?////////なにその言い方
まるで常に捻くれ者みたいじゃん



え?そうだろ?(笑)



(・д・)チッ
もぅ…翔ちゃんはすぐふざける

……だから、ありがたいよ



なぁ……ニノ
どうしても、このまま耐えるだけなのか?



ンフフ…なにょ?
別に、耐えてばかりじゃないよ



望んでる事でも無いだろ?



でも…他に方法は無いし
なんの解決策も無いのに…
それに…月に1度位なら、どうにかなるよ



月の周期によっては2回ある



大丈夫……俺は全然大丈夫だから!



ニノ……









「何度も、何度も、逃げろって言いたいのに……なんも言えないんだょ…」




"あいつを……嵐を、俺が守るから…"




「この事は黙っててくれって…泣きそうな顔してるくせに…泣いてくれよって思うのに……泣き言も言わないんだ…」


どうすりゃいいか答えを出してやる事も出来ないのに…じゃあ、せめてその気持ちを叶えてやるしかないだろ?


小さく呟いた翔さんは、きっとその時のニノと同じような想いで涙を零した。



思ってたよりも事の重大さがデカ過ぎる話しに、目の前が真っ暗になってくる。
でも、すぐにどうにかしなきゃと思った。



あいつらの苦しみは計り知れない

俺だって何も出来ないかもしれない…


いや、そんなの分からねぇし…
やる前から弱気になってどうすんだよ



「翔さん……やれる事はやろうよ
きっと今までも調べてると思うけど…
あいつらが嵐を諦めてないなら、俺らも諦めちゃ駄目だよ…」



嵐を守りたい
諦めたくない


その想いは逆に、俺達がどうにかなるかもしれないレベルまで来てるって事じゃん



「…ぁあ、そうだよな
  まだ、諦める理由も無い」


「…そうだよ、人数が増えれば
 それだけ知恵も増えるとか言うしさ」


「フハッ……文殊の知恵、か」



やっと、少しだけ笑ってくれた。


それだけで今はホッと出来た。









なぁ、ニノ……

本当にさ…
どうしても、辛くなって
もう無理だって思ったら……

俺に言って?




んははっ……え?
言って…それでどうすんのさ?
俺と一緒に逃げたりするつもり?



おまえが、それを望むのであれば…



ふざっけんな!!
そしたらあいつはどうなんだょ!?

ほっとけるわけないだろ?
誰か俺の代わりでも宛てがうっての?

それにっ……


あいつは俺のだ!!


あいつの手も、指も、唇も……
全部 …俺にだけしか触れて欲しくなんてないょ…




そうだな……
ごめんなニノ、変なこと言って…




ちがっ……ごめん……

俺こそっ…
こんな事に巻き込んでごめんね……





ああ…どうして俺は


おまえを助ける事が出来ないんだろう




いっそ


月なんて無くなればいいのに……