目が見える、ということが


ありがたくて仕方がない。


夫の顔が好きなのも、


大好きな景色も、


美しい色彩も、


見たくて仕方のなかったもの。


夫は嘘つきなんだけど


ってことは、私が、か口笛


すぐバレる。


いや、面白いくらい


見えない存在が教えてくれて、


バレる。


なのに昔っから、顔を見ると


許してしまう。


許せてしまう。


正直で真面目で優しい、


理想的な人と暮らす穏やかな生活も


幸せに違いないけど、


誰も羨ましがらないけど、


一緒にいると面白くて楽しくて


何でも許せてしまう、そんな人に


出会えることは、それもまた


一つの幸せなんじゃないか、って思う。


私が自分に正直に生きれば


夫も正直に生きられるんだろう。


幸せは人それぞれ。


今、そばに居て、顔を見られることが


幸せで仕方ない。


どうしても見たくて


仕方のなかったものや、


見えるからこそ


見失ってしまう大切なものを、


余すところなく


愛しみたいと思う。