【後編】井上尚弥が井岡一翔を挑発? | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

前回、前々回の続き。


人の感情は難しい。

好きか嫌いかなんて本人ですらよくわからない。

(リング外の)井上を批判的に書く事もある私だが、結構な数の試合を大枚叩いて見に行っている。自分で気付かないだけで井上ファンかもしれない。それは自分でもわからない。

 

さて井上にとって井岡はどんな存在なのだろう?

井上が日本ライトフライ級王者だった時、井岡はWBAライトフライ級王者だった………気がする。

尊敬すべき先輩王者なのだろうか?


だが刺青騒動では火に油を注ぐような「ルールはルール」とコメントし(井上本人はLEGENDでもっと派手にルールを破る)、先般は井岡のボクシングに対する姿勢を批判した。


挑発してくるカシメロならともかく、井岡は井上を悪く言っている訳ではない。だが少なくとも意識する存在ではあるのだろう。


まず、井上が井岡に悪感情を持つなら思い付く理由が


①ジムの先輩、八重樫東からタイトルを奪った


だが井上と八重樫は同門だが仲の良いイメージが無い

 

②井岡に四階級制覇を邪魔された


私はこれが一番、大きいと思う。

大橋会長はフライ級でタイトルを狙わなかった事を悔やむ発言をした事がある。


その一方でこんな発言をしていた。


曰く「WBAフライ級王者 ファン・カルロス・レベコと交渉をしたら既に井岡君との対戦が内定していた。同じアルゼンチンの(WBOSフライ級王者)オマール・ナルバエスとなら戦える、と言ってきたので挑戦した」、との事。



当時の井上がレベコに勝てたかどうかはやってみなければわからない。レベコは井岡にKOされたが、背が低くてやり難くいファイター。更に巧い。黒田は全く歯が立たなかった。私はレベコの世界戦15試合前後を全て見たと思うが、決して楽な相手ではない。

ライトフライ級時代の井上は決して無敵の王者ではなかった。


井上からすると井岡がいなければ既に四階級制覇を成し遂げていたはずなのに………と考えていても不思議ではない。

最も当時のWBCフライ級王者はロマゴンであり、そちらに挑戦する選択肢もあったがそんな気は無かった様だ。


③井岡に記録を邪魔されている


ちょうど1年程前、ビートは井上と井岡を戦わざるライバルとして特集していた。


世界戦勝利数で井岡が2勝、世界戦出場数で4戦上回る。最も年齢差を考えれば世界戦勝利数はいずれ井上が抜きそうだが………出場数はコロナ禍の昨今、井岡が何歳まで戦うかにもよるが意外と微妙かもしれない。


④大橋会長と井上父への反発


大橋会長はやたらと井岡を誉める。原を倒した田中に対しては「思った程ではなかった」とまで言うのだが。


井上父も「御手本にするなら尚弥でなく井岡君」とまで言う。

息子として、門下生として面白くないのではなかろうか?


実態はわからないが井上VS井岡が実現するなら大歓迎。しかし、一方的に先輩王者を批判し、下のクラスから上げてこいと言うのは傲慢が過ぎる。


本人も気付いていないかもしれないが、井上には井岡に複雑な感情があるのかもしれない。